自分のペースで関われて、みんなで作り上げる楽しさも!
点字タイプライターの修理をされていた、米口さんにお話を伺いました。「定年後、人の役に立つことがしたいと、さまざまなボランティアにチャレンジしましたが、どうも人前に立つことが苦手で続きませんでした。そんな時、間接的に視覚障害者の方を支援することができる点訳に出会い、この会に入りました。」
インタビューに答えてくださった、米口さん(右) と金田さん(中央)
紙に打ち出された点字の最終校正を行うのは、全盲でボランティアの金田さん。前の会長さんに「参加できる時に来てください」と声をかけられてから、13年間参加されています。「目で原本を読む人と、指で点字を読む私の両方で、点訳を読み合わせ、間違っている箇所や読みにくい箇所があれば伝えています。難しい点訳規則を学ぶことの面白さに惹かれています。無理がなく参加できるので、長く続いています。」と語ってくださいました。
他の方も、「月2回の定例会で、わいわい賑やかに集うのが暮らしの中の気分転換になっています。」「点訳規則は難しいし、完成までに長い時間がかかるけれど、それだけに調べてやっと分かった時の爽快感や、コツコツ作業をして完成したときの達成感がたまりません。」と活動の魅力を語ってくださいました。
なるほど、一人ひとりの個性に合わせて、無理なく参加できることで、こんな和気あいあいとした活動が、長く続いているんですね!そして、点訳の奥深さこそが、みんなで取り組んでいく魅力のひとつとなっているとは驚きです。
会長の飯田さんに、「活動していてよかったことは?」と問いかけると、優しいまなざしをたたえながら、快活に答えてくださいました。
「点訳の依頼者にリクエストをいただいてから手元に届けるまで、長い時間がかかりますが、それでも辛抱強く待っていてくださいます。お届けして『ありがとう』と連絡をいただくと、『私たちが作ったものを読んでくださり、ありがとう!』と、充実した嬉しい気持ちになります。」
会長の飯田さんを中心に、副会長の徳永さん(左)と伊藤さん(右)のおふたり
会の活動は、依頼者の理解と感謝の気持ちに支えられているという、飯田さんの謙虚な姿勢に、心を打たれました。
取材を終えて
私たち自身、今日取材に来させていただくまで、身近に点字サークルがあることや点訳のことについて知らず、もっと視野を広げなければと思いました。
活動の内容も素晴しいですが、点訳で分からないことがあると、相談し合い、協力して取組んでいる姿を目の当たりにして、素晴しい仲間だなと感激しました。
体操も楽しまれるという飯田さん。橘樹神社公園体操の私たちと意気投合
細かく正確性を求められる点訳の作業を続けられている芽の字会のみなさん、ぜひ週に1度高津公園体操で体を動かし、リフレッシュしてみてはいかがですか?私たち、橘樹神社公園体操は、いつでも芽の字会のみなさんのことをお待ちしています!
点字サークル 芽の字会のことをもっと知りたい!
- 会員は、川崎市北部身体障害者福祉会館が開催する、年1回(5〜6月頃)の点字入門講習会で募集しています。
- 昼の部は、第1・第3金曜日午前10時~12時、夜の部は、第2・第4金曜日午後6時~8時、いずれも川崎市北部身体障害者福祉会館で活動しています。見学は通年受け入れています。
- 会で自主的に点訳を行った、蔵書・カレンダー・ミニ情報紙「芽の字情報」などは、希望者に貸し出したり、差し上げたりしています。
- 芽の字会がパソコン点訳した書籍は、川崎市盲人図書館を通して、「視覚障害者のためのインターネット図書館・サピエ」というインターネット上のサイトから全国どこででも読んでいただけます。視覚障害者情報総合ネットワーク「サピエ」のインターネットサイトはこちら。https://www.sapie.or.jp/