介護の経験を語り合うことが支え合いに
ゆったりと語り合います
優しい語り口と笑顔の川島さん(中央)
苦労話も分かち合えば笑顔がキラリ
ミニデイと並行して行われている認知症介護教室には、ミニデイ参加者の家族の方をはじめとした認知症の介護者が集い、参加者一人ひとりのお話をじっくり聞き合っていました。
子母口ミニデイがはじまった平成8年当時、一人で認知症の家族の介護をしている方が介護の話を聞きに行きたくても、今のように認知症の患者を預かってくれるところがなく、聞きにいけないという問題がありました。この問題を解消しようと、子母口ミニデイは、隣室のミニデイでご家族をボランティアさんにみてもらっている間に、介護者が介護の話を聞いたり情報交換ができるよう運営されています。
今回久しぶりに参加された方から、堰を切ったように言葉があふれます。来られなかった間に認知症のご家族が行方不明になったこと、自分まで気持ちがふさいだり体調が悪くなったこと、介護の大変さはご近所の方にも話しづらいこと…。「今日は来てくれて良かった。」。参加者みんなが、あたたかなまなざしで包み込みます。「私もそんなことがありました。」、「その気持ち、分かるわ。」と、時にしみじみと、時に笑いとともに共感の輪が広がります。
「介護者のみなさんが心にためていることをここで吐き出して、元気になって帰っていく。その姿を見送るのが嬉しいんです。」と、ボランティアの川島さん。川島さんご自身も、認知症のご主人はミニデイに、川島さんは参加者として認知症介護教室に来られていました。ご主人を看取られた後、「ご恩返しができれば」と関わり続けています。ここに参加している『介護の卒業生』は、川島さんだけではありません。介護の経験があるからこそ、今介護をされている方の辛さや悩みを分かち合い、支えられることがある。素晴らしい支え合いだと感じました。
一堂に会して、地域のおふくろの味をいただきます!
子母口ミニデイの大イベントは、ミニデイ参加者、認知症介護教室参加者、スタッフの総勢約50人が一堂に会するランチタイムです。
主婦の腕が光ります
胡麻は贅沢なすりたて
食事づくりでは、白い割烹着に身を包んだ民生委員・児童委員さんが大活躍。今回のメニューは、大鍋で煮込んだカレー、彩りもきれいな海鮮サラダ、香り高いほうれん草の胡麻和えなど6品。衛生面はもちろんのこと、季節や食べやすさが考慮されています。大人数の食事づくりは、想像以上に力作業ですが、笑顔で「みなさんの喜ぶ顔が楽しみなのよ。」と語ってくださいました。
賑やかな大宴会!
五感で楽しめるお膳です
舌鼓を打つ参加者のみなさん
大広間に集合して、みんなで昼食をいただく様子は圧巻。地域のおふくろの味は、大勢でいただくとますます美味しく、心と体にしみわたります。