川崎市は英国のホストタウンとして、2021年夏に東京2020大会に向けた英国オリンピック・パラリンピック代表チームの事前キャンプを川崎市等々力陸上競技場にて受け入れました。

本記録誌は、英国代表チーム事前キャンプ受入れに係る本市の一連の取組を公式記録として保存し、庁内外へ広く取組を共有できるよう、事前キャンプ受入れの経緯から受入れ終了までの約6年間に渡る取組の主要事項に関する情報を体系的に記録誌としてとりまとめました。

横浜市、慶應義塾大学と合同で東京2020大会に出場する英国代表チームの事前キャンプを受け入れた。2015年の英国オリンピック委員会の視察に遡り、東京2020大会の1年延期を経て、2021年の夏の事前キャンプ本番までに至る間、関係者と協力し、英国代表チーム受入れにかかる6年間の軌跡を、さまざまな角度から振り返り、記録として未来に伝えていく。

英国オリンピックのサッカーチーム（女子）、ラグビーチーム（男子・女子）、陸上チーム、英国パラリンピックの陸上チームを受け入れ、300人近い選手団が川崎市等々力陸上競技場にトレーニングに訪れた。コロナ禍で多くの制限や制約があるなか、市職員や競技場スタッフ、そして市民のボランティアが運営をサポートし、英国応援装飾を実施するなど、関係者がワンチームとなって英国代表チームのおもてなしを展開した。

英国はパラリンピック発祥の国、ロンドン2012パラリンピック競技大会の開催を契機に、社会変革に向けたさまざまな取組を行った。本市は、英国代表チームの応援機運を醸成していくことから始め、受入れが1年延期となった際も、さまざまなツールを活用し応援を継続し、また、事前キャンプ終了後には受入れの記録をく発信するなど、一貫したエンゲージメント活動を展開した。

「これまでで最高だった」と英国選手団が評価した2021年夏の事前キャンプ運営の裏には、多くの関係者の綿密な事前準備や調整、協力、配慮、そして現場での惜しみないサポートがあった。「英国代表チーム川崎キャンプサポーター」をはじめ、市職員、競技場スタッフが事前キャンプでのサポート活動をそれぞれの立場から振り返り、感想や思い出を率直に語る。

コロナ禍で制約も多く、選手団との交流も制限された事前キャンプ運営。その中でも、川崎市と英国との信頼関係の下、市内団体による英国応援の取組、市立特別支援学校スクールバスの活用、等々力陸上競技場内での英国選手団へのおもてなしといった取組が事前キャンプ期間中に花開いた。川崎市ならではの特色ある取組も継続して展開された。

英国代表チーム事前キャンプ受入れに向け川崎市がこれまで実施してきたさまざまな取組や選手団受入れの実際の様子、実績を記録として残すため、オリンピック・パラリンピック推進室では映像や記録集など、複数の媒体で記録を取りまとめた。本記録誌を発行するにあたり、すでに公開している資料をアーカイブとして一括して紹介する。