等々力水処理センター高度処理事業
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等々力水処理センター高度処理事業
川や海の水質は、水処理センターの働きによって大きく改善しました。しかし、本市の下水処理水が流れ込む東京湾では、窒素やりんなどを原因とした富栄養化が進み、依然として赤潮などの被害が発生しています。下水道としてこうした課題に対応するため、東京湾流域の自治体が連携して、下水処理水から窒素やりんを大幅に減らすための高度処理の導入を進めています。
等々力水処理センターは、昭和57年に稼動し、中原区、麻生区の一部と高津区、宮前区、多摩区の約5,490haの区域の下水処理を行っています。当施設は、等々力緑地内の限りある地下空間に建設された全国的にもめずらしい完全地下式の下水処理場で、平成15年度に一部高度処理施設が完成していますが、窒素やりんを除去することが難しい施設であったことから、新たな高度処理技術を開発し、現在その技術導入に向けた施設の建設を進めています。



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1.流量調整池の整備
流量調整池とは、水処理センターへの下水の流入量を安定させるために下水を一時的に貯める池のことで、現在、等々力緑地の地下に建設しています。
等々力水処理センターの高度処理化により、新しい施設(脱窒ろ過池など)が運転を開始した際にも、流量調整池のはたらきで、安定した水処理が可能となり、良好な水質を保つことができます。

地下に建設中の流量調整池の大きさ
鉄筋コンクリート造り地下2階構造
たて約75メートル
よこ約74メートル
深さ約18メートル
貯水量約1万トン
流量調整池のはたらき
等々力水処理センターへ流入する下水の量は、1日における変動が大きく、朝食後から昼過ぎまでの時間帯や、夕食後の時間帯に増加します。
下水の量が多い時間帯には流量調整池に貯留し、少ない時間帯にはこれを返送することで、水処理センターへ流入する下水の量を安定させることができます。これにより、新しい施設(脱窒ろ過池など)が運転を開始した際にも、安定した水処理が可能となり、良好な水質を保つことができます。

流量調整池建設工事のようす
平成28年7月
流量調整池を地下に建設するため、掘削工事を開始しました。
平成29年2月
深く掘り進むにつれ、土留め(どどめ:赤く見える鉄骨)を組み上げて、土が崩れないように支えます。
平成30年4月
地下20mまで掘削を完了しました。掘削した空間に鉄筋コンクリートで床や壁を建設していきます。
平成30年9月
流量調整池床部分の鉄筋を組み立て、コンクリートを流し込んでいます。コンクリートの床厚は2m50cmもあります。

令和2年3月
地下2階部分の鉄筋コンクリートの壁と天井が完成しました。

令和2年7月
地下1階部分の壁と柱の鉄筋を組み立て、コンクリートを流し込む準備をしています。

令和2年9月
地下1階部分の壁と柱のコンクリート打設が完了しました。
これから天井を施工するための準備に取り掛かります。
令和2年12月
天井部分の型枠と鉄筋を組み立て、コンクリートを流し込む準備をしています。

令和3年3月
流量調整池の天井が完成しました。
現在は、作業台(桟橋)の撤去作業を行っています。
令和3年6月
作業台(桟橋)の撤去が完了しました。
内部へ入るための階段室等ができ、流量調整池の躯体が完成しました。
令和4年1月
流量調整池の躯体上部に、防水のためのコンクリートを打設しました。
今後、土で埋め戻していきます。
令和4年4月

流量調整池の躯体上部の埋戻しが完了しました。
今後、流量調整池の返水施設を築造していきます。
令和4年8月


現在、流量調整地の分水施設及び返水施設の築造をするため、仮設鋼矢板と地盤改良を施工しています。
今後も引き続き分水・返水施設の築造を進める予定です。
令和4年12月


流量調整地の分水施設及び返水施設の築造をするため、地盤改良とコンクリート打設を施工しています。今後も引き続き分水・返水施設の築造を進める予定です。
令和5年5月

流量調整池と沈砂池を接続するための推進工が完了しました。

現在、流入施設及び流出施設の躯体築造工を施工しています。
令和5年9月

現在、流出施設は鉄筋・型枠組立を施工しています。今後はコンクリート打設を行う予定です。
流入施設はコンクリート打設が完了し、躯体が完成しました。 今後は、埋戻しを行う予定です。

令和6年1月

流出施設は躯体が完成し、現在は躯体周りの外構復旧と躯体内部の防食工を施工しています。

流入施設は埋戻しが完了し、現在は流出施設と同じく外構復旧と防食工を施工しています。
令和6年5月


流出施設・流入施設ともに防食工・外構復旧が完了し、土木工事は完成しました。
2.脱窒(だっちつ)ろ過池の整備
脱窒ろ過池とは、微生物のはたらきとろ過を用いて、下水に含まれる窒素と水の汚れの成分を、今まで以上に分解しきれいにする施設で、等々力緑地の地下に現在建設しています。
この施設で窒素を処理(高度処理)することで、東京湾で発生している赤潮などの被害を減らしていきます。

地下に建設中の脱窒ろ過池の大きさ
鉄筋コンクリート造り地下3階構造
たて約 60メートル
よこ約 124メートル(最大)
深さ約 24メートル
1日の処理量約20万トン
脱窒(だっちつ)ろ過池建設工事のようす
令和1年7月
工事の準備をしています。
等々力緑地の地下に脱窒ろ過池を建設するため、これから、掘削工事や鉄筋コンクリートの床や壁を設置する工事を進めていきます。
令和2年2月
脱窒(だっちつ)ろ過池を地下に建設するためには、掘削時に土が崩壊しないよう周囲の地盤を固める必要があります。写真の重機を使って、地上から土とコンクリートを混合する作業を進めています。
令和2年7月
掘削が進み始めると、地下から掘削した土を引き上げるための作業台(桟橋)が必要となります。そのために、あらかじめ作業台の脚(橋脚)となる鋼材を地中に打ち込む作業を進めています。
令和2年9月
作業台(桟橋)を設置するために、あらかじめ地中深くに打ち込んだ作業台の脚(橋脚)となる鋼材を露出させるための掘削を進めています。
令和2年12月
作業台(桟橋)の設置が完了し、これから深さ約24メートルまで土留支保工を7段設置しながら掘削していきます。
現在は、深さ約3メートルまで掘削しながら1段目の土留支保工を設置しています。
令和3年3月

現在は、3段目の土留支保工の設置と作業台(桟橋)の斜材の設置を行いながら、深さ約10メートルまで掘削を進めています。
令和3年6月
現在、5段目の土留支保工の設置、作業台(桟橋)の斜材の設置を行いながら、深さ約14メートルまで掘削を進めています。
令和3年9月
現在、6段目の土留支保工の設置、作業台(桟橋)の斜材の設置を行いながら、深さ約17メートルまで掘削を進めています。
令和4年1月
現在、7段目の土留支保工の設置、作業台(桟橋)の斜材の設置を行いながら、深さ約20メートルまで掘削を進めています。
令和4年4月
最終掘削深さ約24メートルまでの掘削が完了しました。
今後、鉄筋コンクリートの床や壁を設置する工事を進めていきます。
令和4年8月


これから築造する底版の下部を水平にするため、最終掘削面に基礎砕石を敷き、均しコンクリートを打設しました。
令和4年12月
脱窒ろ過池床部の鉄筋を組み立て、コンクリートを打設しています。コンクリートの床厚は、3mあります。

令和5年5月
脱窒ろ過池底版部のコンクリート打設が完了しました。
これから、地下3階部分の壁や柱などの鉄筋を組み立て、コンクリートを打設していきます。

令和5年9月
地下3階部分の鉄筋コンクリートの壁や柱などが3m60cm完成しました。引続き、地下3階部分の壁や柱などを築造していきます。

令和6年1月
地下3階部分の鉄筋コンクリートの壁や柱などが6m6cm完成しました。残りの地下3階壁部と地下2階床版部・壁部などを築造していきます。

令和6年5月
地下2階の中床版部まで完成しました。
地下2階部の壁や柱などの鉄筋を組み立てる準備を行っています。

令和6年10月


地下1階の中床版部まで完成しました。
引続き、地下1階部の壁や柱などの鉄筋を組み立てて、躯体を築造していきます。

令和7年1月

現況

地下2階状況

地下3階状況
地下1階の壁部まで完成しました。
引き続き、頂版部の鉄筋を組み立てて、躯体を築造していきます。

令和7年4月
一部、後施工箇所を残し、頂版部まで完成しました。
今後は、後施工箇所の躯体を地下3階から築造していきます。

お問い合わせ先
川崎市上下水道局中部下水道事務所
住所: 〒211-0051 川崎市中原区宮内1-21-31
電話: 044-766-9632
ファクス: 044-766-9104
メールアドレス: 80tyubug@city.kawasaki.jp
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