市立川崎病院の信頼回復に向けて (麻酔科医師による不祥事のお詫びと再発防止について)
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令和8年3月27日(金)、当院に勤務していた麻酔科医師1名が、関係規定に基づき懲戒免職の処分となりました。
このような事案が発生したことにより、患者様、御家族、病院利用者、市民の皆様に、多大なる御心配をおかけし、御不安を与えてしまったことを、病院を運営する立場として、深くお詫び申し上げます。
本事案についてですが、令和7年12月1日(月)、当院に勤務していた麻酔科の医師が、手術の麻酔業務中に、睡眠を確保する目的で手術室内にある麻酔薬プロポフォールを持ち出し、麻酔科医局に移動して自己注射し、ソファで横たわっているところを発見されました。手術には担当診療科の医師と麻酔科の医師、看護師等の複数の医療スタッフで実施するところ、少なくとも30分程度の間、手術室に麻酔科の医師が不在の状態となりました。長時間の手術などにおいて医師等が生理現象等を理由とした短時間の不在は想定されるものの、本事案のケースは、患者様の安全の観点から決してあってはならないことと認識しております。なお、この患者様の麻酔記録を確認したところ、血圧、脈拍等に異常値は記録されておらず、患者様の容態に問題はなかったことを確認しております。
この医師は、約3週間の不眠症の療養を経て、令和8年1月5日(月)に職場に復帰した後、令和8年1月7日(水)に、再び、麻酔薬を自己注射する目的で、プロポフォール20mlが入ったシリンジから5mlを別のシリンジに取り分け、元のシリンジに生理食塩水を5ml追加して偽装し、それを用いて患者様に8mlを投与して麻酔を導入しました。この偽装行為は、麻酔薬抜き取りの発覚を免れる目的で行われており、道義的観点から強い非難に値すると認識しております。なお、麻酔自体については、その後吸入式麻酔も併せて実施されており、患者様の容態に問題はなかったことを確認しております。
さらに、その翌日の1月8日(木)にも、前日と同じ手法で同じ分量を別のシリンジに取り分け、同様の偽装を行いましたが、他の医療スタッフにより発覚したため、患者様への投与はされませんでした。
これらの行為は、医師として、公務員としてあってはならない行為であり、川崎市立病院に対する信用を著しく失墜させ、全体の奉仕者たる公務員としてふさわしくない非行であったことから、この医師は、令和8年3月27日付けで懲戒免職処分となりました。
令和7年12月1日及び令和8年1月7日の手術を受けられた2人の患者様に対して、本年4月に入り当院から説明、謝罪いたしました。本来であれば、これらの事案を把握した時点で、患者様に説明して謝罪すべきでしたが、対応が遅くなり、不安な思いをさせてしまいました。日本医師会の倫理指針にも「医師は患者の利益を第一とし、患者の権利を尊重し、これを擁護するように努めなければならない。」とされておりますが、患者様やその家族への説明・謝罪等の対応においても、徹底されておらず、御心配をおかけし、御不安を与えてしまったことについて、改めて深くお詫び申し上げます。
再発防止に向けましては、既に、プロポフォールの管理方法の見直しを実施するとともに、手術室から離室する際のスタッフ間相互の声掛けを改めて徹底することといたしましたが、加えて、今回の不祥事を教訓材料とし、医師一人ひとりに対して、服務や倫理に関する、ケーススタディなど具体的な事例を用いた研修等を実施し、服務規律の確保や職業倫理の徹底を図るとともに、「患者の利益を第一」とする考え方を改めて職員に徹底させ、当院が掲げる「基本理念」、「病院運営方針」、「患者さんの権利」の趣旨を職員一人ひとりが再確認し、実践していくことで、職員一同、患者様や市民の皆様からの信頼回復に向けて全力で取り組んでまいる所存でございます。
令和8年4月23日
病院長 野﨑博之
