膵癌早期診断プロジェクト
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膵臓癌の早期診断・早期治療へ
川崎区、幸区をはじめとした川崎南部周辺地域の医師会の先生方には常日頃より多くの患者さんをご紹介いただき、心より御礼を申し上げます。おかげさまで、肝・胆・膵悪性疾患の症例数も増加し、平成28年度には日本肝胆膵外科学会高度技能専門医修練施設として認定されました。これも皆様方のご支援の賜物と感謝申し上げます。
当院では、地域がん診療連携拠点病院として、これまで以上にがん診療の充実に力を入れて地域医療に貢献したいと考えており、この度はその一環として、膵癌の早期診断プロジェクトを立ち上げております。膵癌はわが国においても年々増加しており、2019年の日本のがん死亡数は胃癌に次いで第4位であり、肝癌を抜いています。加えて膵癌の予後はいまもって極めて不良であり、2009年から2011年に診断された膵癌の5年相対生存率は8.5%と報告されています。予後不良の大きな理由の一つとして挙げられるのは、症状が出現した時にはすでに病期が進んでいて治癒が期待できる唯一の治療法である手術が不可能となることが多いことです。膵癌の予後を改善するには、適切な外科的切除術、ならびに化学療法、放射線療法といった集学的治療が必須ですが、手術が可能な段階での早期発見、早期治療を目指すことが何よりも重要となってきます。そのため、膵癌のリスクファクターを地域医療連携の先生方と共有し、リスクファクターを有する方たちを効率的に拾い上げ、無症状の段階で発見する体制を確立することが求められます。是非、膵癌早期発見に向けた取り組みを先生方と確立し、川崎市における膵癌の治療成績改善を実現したいと考えております。加えて、高リスク群であることで過度に不安を煽らないように、患者さんたちの精神面に対しても配慮して診療を行ってまいります。
一人でも多くの膵癌高リスクと考えられる市民の皆様方が受診されスムーズに検査を受けられるよう消化器内科、消化器外科、放射線科、及び内視鏡センターと横断的に協力し合い院内の体制を整えておりますので、検査が必要と思われましたら御遠慮なくご紹介頂ければ幸いに存じます。ご指導、ご鞭撻を心よりお願い申し上げます。
川崎市立川崎病院 病院長 野﨑博之
実務責任者 内視鏡センター所長 正岡建洋
腫瘍径1cm以内で発見された膵癌は良好な予後が期待できます

膵癌の予後は、腫瘍径によって大きく異なります。特に、腫瘍径が1cm以内で発見された場合の5年生存率は80.4%にも及ぶことが近年、報告されております。
従来、膵癌の早期発見の目標となる腫瘍径は2cmとされていましたが、必ずしも予後良好とは言えず、現在は1cmレベルの診断が求められております。
当院では各種画像modalityを駆使し、膵癌早期診断に努めています

当院では、膵癌のリスクが高いと考えられる患者さんに対して、まず、低侵襲である腹部超音波検査(US)及び MRI/MRCPによるスクリーニングを行います。
膵嚢胞、主膵管拡張、膵腫瘍を認めた場合は、MDCT、EUSによる精査を行います。特にEUSによる膵癌の存在診断の感度は高く、他の画像診断と比較すると有意に描出することができるため、良好な予後が期待できる小膵癌の検出には特に有用です。
治療の可能性がある病変の場合には、さらにERCP、超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)の適応を慎重に考慮しながら施行いたします。
当院では膵癌に対する集学的治療を実施しています

当院では、肝胆膵疾患を専門としている医師を中心に、消化器内科、消化器外科、放射線科、内視鏡センターが協力し合って、膵癌に対する集学的治療(手術療法、化学療法、放射線療法、内視鏡的ドレナージ術)を実施しています。
膵癌は切除2年後の再発率が約80%と高率です。術後再発抑制の目的でS-1内服治療を行い、良好な成績を報告してきています。また、近年、切除不能進行膵癌に対する化学療法は飛躍的に進歩しております。従来のGEM単剤療法、S-1単剤療法に加え、
(m)FOLFIRINOX療法、GEM+ABI療法などを積極的に施行しております
膵癌の早期診断・早期治療のために膵癌診療ガイドラインに記載された危険因子を有する患者さんをご紹介ください。
日常診療で遭遇する機会の多い、糖尿病、慢性膵炎、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)は、膵癌発症リスクが高く、精査あるいは定期的なスクリーニングが必要です。これらに加え、肥満、喫煙、飲酒、家族歴がある場合は、発症リスクがさらに高くなるため、注意が必要です。
また、腹部超音波での膵囊胞、膵管拡張、膵腫瘤は膵癌を否定できない所見であり、精査が必要です。
膵癌リスク(膵癌診療ガイドライン2016より)
家族歴
- 家族性膵癌:6.79倍
- 散発性膵癌:1.70倍から2.41倍
遺伝性
- 遺伝性膵炎:60倍から87倍
- 遺伝性膵癌症候群:4.1倍から132倍
合併症
- 糖尿病:1.94倍
- 肥満:20歳代にBMI30kg/m以上の男性では3.5倍
- 慢性膵炎:4.8倍から14.6倍
- IPMN:分枝型では年間1.1%から2.5%
嗜好
- 喫煙:1.68倍,喫煙本数と相関
- アルコール:3ドリンク以上で1.22倍
職業
- 塩素化炭化水素曝露:2.21倍
膵癌早期診断 病診連携の流れ
1.『膵癌早期診断フローチャート』の該当項目をチェックしてください。
- 症状がある(腹痛、早期の腹満感、食欲不振、背部痛、体重減少、黄疸)
- 新規発症の糖尿病がある
- 血糖コントロールの急激な悪化がある
- 慢性膵炎と言われたことがある
- CA19-9が高値である
- 腹部エコー、CTMRIで以下の所見がある
膵嚢胞
膵管拡張
膵腫瘤 - その他

2.『診療情報提供書・紹介状』を記載ください。
下記画像の赤丸部分(希望される診療科等、ご紹介いただく患者さんの情報、紹介目的)のみで結構です。
川崎市立川崎病院 消化器内科担当医師(午前外来)
- 月曜日:有泉 健
- 火曜日:玉井 博修
- 水曜日:高木 英恵
- 木曜日:玉井 博修
- 金曜日:井上 健太郎

3.「膵癌早期診断地域連携枠」を電話予約してください。
- 貴院クリニックよりご予約いただく場合
患者総合サポートセンター(平日 午前8時30分から午後8時、土曜日 午前9時から午後3時)
電話:044-246-1289(直通)、FAX:044-246-1052 - 患者さん本人よりご予約いただく場合
外来予約センター(平日 午後1時から午後4時30分)
電話:044-246-0489(直通)
4.『膵癌早期診断フローチャート』と『診療情報提供書「診療、検査(共同利用)申込書』を封筒に入れ、「膵癌早期診断地域連携枠」と記入してください。
封筒を患者さんにお渡しいただき、受診時にお持ちいただくようにお伝えください。
受診当日は、「(1)初診・紹介状受付」にお越しください。
5.精査後、検査結果を記載した『膵癌早期診断フローチャート』、及び各種検査レポートを入れた封筒を患者さんにお渡し致します。
検査結果及び経過観察方針に関してご不明な点があればいつでもご連絡ください。
6.各種書類ダウンロード
お問い合わせ先
川崎市市立川崎病院事務局庶務課
住所: 〒210-0013 川崎市川崎区新川通12-1
電話: 044-233-5521
ファクス: 044-245-9600
メールアドレス: 83kawsyo@city.kawasaki.jp
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