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新規ノロウイルス GII.17 変異株を健康安全研究所が発見~今後の動向に注意!~

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2015年9月25日

2014 年 3 月に健康安全研究所が新たな遺伝子型を含むノロウイルスを検知しました。このノロウイルスは、以前に検出された GII.17 とは異なる変異ウイルスで、2013 年までは川崎市では検出されたことはなく、世界的にも初めての確認となり国際的に GII.P17-GII.17 という遺伝子型に命名されました1)

ノロウイルスについて

ノロウイルスは冬季に多発するウイルス性胃腸炎の主要な病原体であり、ウイルスが体内に侵入してから 24-48 時間後に嘔吐や下痢などの症状を呈することが知られています。感染経路は、ノロウイルスが付着した食品や手指を介する経口感染が中心で、嘔吐物や排泄物に含まれるノロウイルスが閉鎖的空間に舞って吸い込むことによる飛沫感染 (塵埃感染) もあります。ノロウイルスには 5 つの遺伝子群 (GI-GV) が存在し、ヒトに感染するのは GI、II、IV であると言われています。さらに、GI は 9 種類 (GI.1-GI.9)、GII は 22 種類 (GII.1-GII.22) の遺伝子型に細かく分類されています2)

川崎市内における新規ノロウイルスGII.17変異株の検出状況

全国的にこれまでのノロウイルスの流行の主な遺伝子型は GII.4 と呼ばれるものでした。川崎市でも同様の傾向が見られていましたが、2013/14 冬季シーズン (2013 年 10 月-2014 年 3 月) で、GII.17 変異株が 2 件 (1 事例) 初めて検出されました。さらに、2014/15 冬季シーズン (2014 年 10 月-2015 年 3 月) は、2014 年 12 月までは GII.4 が主流の遺伝子型となっていましたが、2015 年 1 月から GII.17 変異株が検出され始め、2 月ならびに 3 月には GII.17 変異株が GII.4 よりも多く検出されており、その後 GII.17 変異株の検出が 2015 年 6 月まで確認されています1)

市外での流行状況と感染予防

ノロウイルス GII.17 変異株は 2014/15 冬季シーズンに関東近隣の自治体においても流行していることがわかり、関東圏外での検出報告もあることから、全国的に流行していたことが推察されます1, 3)。さらに、ノロウイルス GII.17 変異株は国内のみならず、中国でも流行を引き起こしていることが報告されており4)、特にアジア諸国での検出数が著しく増加しています5)。また、このウイルスは米国やイタリアでも検出が確認されています6, 7)。ノロウイルスは、遺伝子型ごとに殻の表面の形が異なることから、これまでの主要遺伝子型である GII.4 に感染したことがあり GII.4 に対する免疫を獲得している人でも GII.17 変異株に感染する可能性があるため注意が必要です。また、医療機関でノロウイルスの補助診断に用いられている簡易診断キットは GII.17 変異株に対して十分な検出感度を持っていないことが報告されており3, 8)、ノロウイルス感染者であっても、ウイルス陰性と判定されてしまう可能性があるので注意が必要です。感染予防をするためには、手指についたウイルスを洗い流すため手洗いが重要です。消毒には、次亜塩素酸ナトリウムが有効です。これから到来するノロウイルスの流行期に十分備えてください。

参考文献

1) IASR (http://www.nih.go.jp/niid/ja/id/778-disease-based/na/norovirus/idsc/iasr-news/5903-pr4273.html)

2) Kroneman A, et al., Arch Virol, 158(10):2059-68, 2013

3) IASR Vol. 36 p. 91-92: 2015年5月号

4) Lu J, et al., Emerg Infect Dis, 21(7):1240-2, 2015

5) de Graaf M, et al., Euro Surveill, 20(26):pii=21178, 2015

6) Parra GI, et al., Emerg Infect Dis, 21(8):1477-9, 2015

7) Medici MC, et al., Euro Surveill, 20(35):pii=30010, 2015

8) Khamrin P, et al., Euro Surveill, 20(28):pii=21185, 2015

学術専門誌等に掲載

英文専門誌「Eurosurveillance」

IASR (国立感染症研究所 病原微生物検出情報)

本事例は、国立感染症研究所が国内外の病原微生物に関する記事をまとめた「病原微生物検出情報:IASR」に掲載されました。

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川崎市 健康福祉局健康安全研究所

〒210-0821 川崎市川崎区殿町3-25-13 川崎生命科学・環境研究センター(LiSE)2階

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