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エコシティたかつ


『流域』とは?

『流域』とは、その地形により降った雨が水系に集まる、大地の範囲・領域のことです。
流域は、雨降る大地が自ら刻んだ水循環の単位であり、大地の細胞のような広がりです。また、生物多様性のまとまりのよい自然生態系でもあります。そのため、人が任意の区画で分割し、設置した「行政区」による大地の区分け方とは全く異なるものです。『流域』は、自然の地形の必然に沿った大地の区分け方となります。(各流域の境界線を「流域界」または「分水界」と呼びます)

流域イメージ図と、流域と行政区画の違い

流域による水の循環は、水資源確保や災害予測などの面から社会的に必要性が高く、生きものの生息環境を考えるうえでも、大切な基盤です。また、洪水や渇水、土砂崩れなど、自然災害は行政区単位ではなく、『流域』単位で発生します。そのため、このような災害には『流域』単位で対応していくしかありません(=温暖化適応策)。
「エコシティたかつ」は、この『流域』単位による地球温暖化適応策への貢献を手がかりとして、各取り組みを進めています。

例えば・・・

 

流域の水の流れ
わたしたちの住む大地には凸凹(でこぼこ)があります。川が流れ、斜面には緑があり、公園もあります。
大地に降った雨は、高い所(凸) から低い所(凹) に流れ、地中に染みこんだり、水路を経由し、最終的に川に注ぎます。

高津区の場合は、多摩川と鶴見川両方の流域内に位置するため、降った雨や雪融け水は、支川や地下水系、下水管を通り、多摩川と鶴見川に流れていくことになります。
大地の凸凹を理解すると、どのエリアの雨は、どの水路を通って川に流れていくかが分かります。そしてそこから、下水管の許容量も計算できることになります。

今まで緑地だったところが開発されると、地中に染みこんでいた雨がすべて下水管に流れ込みます。すると、下水管の許容量を超えた場所で局地的浸水が起こったりします。
流域や立体としてその地形を理解することで、そのような自然災害にも合理的・効果的に対応できるようになるのです。

流域のなかの「亜流域」と「中流域」「小流域」

流域はさらに小さな流域に分けることができます。例えば、高津区中央にもその分水界が通る鶴見川流域では、全体を8つの亜流域(部分流域)に区分されます。県が市に区分され、市が区や町に区分されていくのと似ているように、本流と支流、源流~上流~中流~下流などによって区分することができます。

鶴見川流域の亜流域図

そして、亜流域はさらに「中流域」「小流域」へと細かく区分することができます。大規模豪雨・ゲリラ豪雨などによる洪水・土砂災害・渇水など自然災害は、流域全体ではなく、そのなかの支流部分など小さなスポットで発生する場合があります。そのため、河川や下水道などの防災・都市開発・そして生態系・生物多様性などの見地からも、流域をさらに細かく区分し、そこから適応・対策を図っていくことは、とても大切なことなのです。

鶴見川流域の小流域図

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