企業会計的手法による川崎市の財政状況（平成17年度版）

　現行の予算制度は、単年度の「現金主義・単式簿記」方式による「フロー情報」であるため、これまでに蓄積してきた資産の構成や、将来負担しなければならない負債などの「ストック情報」はわかりにくいものになっています。そこで、企業会計的手法を活用し、財政状況をストック面から明らかにするため、国が示す基準に準拠して、平成10年度決算分からバランスシートを作成しています。

　地方公共団体が提供する行政サービスには、必ずコストがかかります。
　このコストには、建物の建設費や土地の購入費などの資産の形成に要するものをはじめ、人件費や委託料、修繕費などの現金の支出だけでなく、減価償却費や退職給与引当金なども含まれます。
　このうち、資産形成に要するコストについては、バランスシートを作成しているので、それ以外の人的サービスや給付サービスなどの資産形成につながらない当該年度の行政サービスのコストを説明するため、国から示された基準に準拠して平成12年度決算分から行政コスト計算書を作成しています。

　キャッシュ・フローとは資金の増加又は減少を意味し、一会計年度におけるそのキャッシュ・フローの状況を一定の活動区分（行政活動・投資活動・財務活動）別に表示することにより、それぞれの活動における資金調達の源泉、及び資金使途を明確にすることを目的として、平成17年度決算分より、新たに普通会計のキャッシュ・フロー計算書を作成しました。

　川崎市全体の財政状況をストック面から明らかにするため、国から示された基準に準拠して普通会計以外の特別会計及び公営企業会計のバランスシートを平成12年度決算分から作成しています。

　本市の市民サービスは、行政自ら行っているものと、出資法人等関係団体を活用して行っているものがあります。
　そこで、関係団体を含めた財政情報を一体として開示するため、この9月に国から示された基準に準拠して、全市バランスシートに一部事務組合、地方公社び第3セクターのバランスシートを連結して、連結バランスシート（試案）を作成しました。