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4 行動計画策定に向けての意見具申

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(2004(平成16)年8月3日)

 川崎市子どもの権利委員会は、2001(平成13)年9月の市長からの諮問「子どもの権利に関する行動計画」について検討し、次のとおり意見をまとめ、2004年8月3日に答申をした。

「川崎市子どもの権利に関する行動計画」策定に向けて ~子どもの意見表明・参加を中心に~(答申の概要)

はじめに

1 行動計画の性格について

 行動計画は、川崎市子どもの権利に関する条例(以下「条例」という。)の理念(子どもは、権利の全面的主体として、その権利が保障されるなかで、豊かな子ども時代を過ごすことができる。)を具体化する取組の目標であり、行政ならびに関係当事者(育ち・学ぶ施設の職員、主に子どもが利用する施設の職員及び親等をいう。)、市民、市民グループ等が目指す方向を示すものである。

2 今回の答申について

 条例が求めている行動計画は、子どもの権利保障が総合的かつ計画的に図られるためのものである。委員会は、その点を考慮しつつ、委員会がこの間行ってきた検証結果(2003(平成15)年11月の「子どもの参加」についての答申)及び答申に対する市の「措置報告」(2004(平成16)年3月)等に基づき、かつ、子どもの参加が条例に規定されている基本目標の一つであり、子どもの権利に関して総合的な視点を含んでいることなどを踏まえ、「子どもの意見表明・参加」を中心とした実効ある計画策定が望ましいと判断し、この答申をする。

3 計画期間

 計画期間は3年間(2005(平成17)~2007(平成19)年度の実施計画)が望ましい。

1 計画策定にあたっての基本的な考え方

1 これまでの取組や施策の成果を踏まえ、着実に進展させる。

 委員会は、子どもの参加の検証結果において、実態・意識調査、ヒヤリング調査、行政・市民・子どもとの対話を実施し、子ども参加について提言した。市は、この提言に対し行政措置を公表したが、公表された措置がより効果的で着実に推進されることを求めるものである。

2 子どもの権利を基本として進める。

 子どもの権利の推進にあたっては、子どもの意見表明・参加を、単なる方法論ではなく、条約や条例が求めているように、子どもの権利としてとらえ、保障していくことが重要である。このことは子どもに関する取組や施策全体を進めるうえで基本になるものである。

3 市民とともに策定し実施する。

 委員会は、「子どもの参加」の検証や本答申にあたって、市民や子どもの意見をできるかぎり丁寧に聴き取ってきた。市が行動計画を策定するにあたっても、子どもをはじめとした市民とともに考え行動することを基本とすることが重要である。

4 条例の総合的かつ計画的な実施のなかで取り組む。

 条例施行により、条例で定められた施策・事業が推進され、子どもの権利の視点が市のさまざまな施策・事業のなかに広がりをみせはじめている。子どもの意見表明・参加を中心とした行動計画も、総合的かつ計画的な施策という視点と体制のもとで進めていくことが必要である。

2 行動計画の目標 ~子どもの意見表明・参加を中心にした子どもの権利保障の推進~

目標1 子どもの権利をめぐる意識を向上させる。

視点
 子どもの意見表明・参加を推進するためには、子どもの権利とりわけ意見表明・参加の権利をめぐる意識の変革・向上が欠かせない。子どもの意見表明・参加を子どもの権利としてとらえ、保障していくことが重要であり、そのための戦略的な広報や体系的な教育、学習、研修などが求められる。また、子ども自身の参加意欲が低い現状にあることから、参加意欲の喚起、参加手法の開発等に取り組むことも重要である。

 

具体的な取組(重点課題)
 1 子どもの権利に関する啓発・広報を充実させる。
 2 子どもによる啓発・広報を支援する。
 3 権利教育・学習を充実させるなど、子ども自身が子どもの権利を学ぶことを支援する。
 4 育ち・学ぶ施設での子どもの権利教育・学習を支える人への支援を充実させる。

目標2 子どもの意見表明・参加を推進する。

視点
 子どもの意見表明・参加により取組や事業が進展するような実践を社会に広げていくことが子どもの権利保障の推進にとって重要であり、子どもの意見表明・参加の仕組づくりや条件整備が求められる。同時に、子どもの主体形成を支えるおとなの存在が重要であり、子どもの活動を支えるサポーター等の支え手への支援が必要である。
また、権利侵害を受けた子どもにとっては、子ども自身が解決の主体となり、自尊感情を回復させはぐくんでいくことが重要であり、相談・救済活動に子どもの意見表明・参加の視点を導入する必要がある。

 

具体的な取組(重点課題)
 育ち・学ぶ施設における子どもの意見表明・参加
 1 「ともに学び支えあう学校づくり」のための子どもの意見表明・参加を促進する。
 2 子どもの処遇にかかわる重要な手続きの際に本人の意見表明の機会を保障する。
 3 保育園において子どもの意見表明・参加を促進する。

 主に子どもが利用する施設での子どもの意見表明・参加
 4 主に子どもが利用する施設(子ども夢パーク、こども文化センター、青少年施設等)での子どもの意見表明・参加を促進する。

 まちづくりへの子どもの意見表明・参加
 5 市政、地域、まちづくりへの子どもの意見表明・参加を促進する。
 6 子どもの自主的・自発的な活動を支援するための条件整備を進める。

 権利侵害からの救済、回復における子どもの意見表明・参加
 7 権利侵害からの救済、回復における子どもの意見表明・参加に関する支援を充実させる。

目標3:参加しにくい子どもへの支援を進める。

視点
 参加しにくい子どもが意見表明・参加していくためのニーズは大きく多様であるため、個別の必要に応じた支援を効果的に実施していく方法を検討していく必要がある。また、子どもの意見表明・参加を促すために、施設・設備や人の意識を含め子どもが生活するあらゆる環境のバリアフリー化を検討していくことが重要である。

 

具体的な取組(重点課題)
 1 多様な文化的背景をもつ子どもの意見表明・参加に関する支援を進める。
 2 障がいのある子どもの意見表明・参加に関する支援を進める。
 3 児童養護施設等で生活している子どもの意見表明・参加に関する支援を進める。
 4 不登校の子どもの意見表明・参加に関する支援を進める。
 5 乳幼児の意見表明・参加に関する支援を進める。

3 推進体制

1 子どもの権利委員会による検証システムを充実させる。

  • 子どもの権利に関する施策の実効性が担保されるためには、条例で設置された第三者的機関である子どもの権利委員会による検証をより充実させることが重要である。

2 庁内推進体制を充実させる。

  • 子どもの生活は、行政の縦割りの構造では対応しきれない問題を含んでいることから、子どもの権利保障を進めるためには、各部局を超えた連携・調整が必要となる。全庁的な推進体制の充実・強化が一層求められる。
  • 子どもに関する事業の推進にあたっては、政策分野ごとに小部会を設けるなどきめ細かい体制づくりや行政区レベルでの連携を進めることも重要である。

3 市民・市民グループ等との協働・連携を推進する。

  • 子どもの権利保障を促進していくには、市、市民、市民グループ等がそれぞれ、条例の基本理念を踏まえ、それぞれの責務を果たしていかなければならない。
  • 市は計画の策定、実施、検証において、適切な情報の提供と建設的な対話をとおして、市民、市民グループ等との協働のルールづくりを進めることが重要である。

4 子どもに関する施策を子どもとともに推進する。

  • 子どもに関する施策については、おとなだけの推進体制では十分でなく、子どもの意見表明・参加を進めていく必要がある。
  • 手法等も含めて、子どもとの協働のあり方について検討することが重要である。

より総合的でかつ計画的な行動計画の策定に向けて

 第1期委員会は、子どもの意見表明・参加を中心とした行動計画の策定について意見を具申するが、第2期委員会及び子どもをはじめとした市民の意見を聴きながら、市は子どもの権利の保障がより総合的かつ計画的に図られるための行動計画を今回の計画期間の終了までに策定することを要望する。

お問い合わせ先

川崎市こども未来局青少年支援室

住所: 〒210-8577 川崎市川崎区宮本町1番地

電話: 044-200-2688

ファクス: 044-200-3931

メールアドレス: 45sien@city.kawasaki.jp

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