エコ企業調査プロジェクト実施結果
- 日時:平成24年2月10日(金) 9:15~14:50
- テーマ:区内企業の取組から最先端の環境技術をたどる
- 調査対象:株式会社 新川崎製作所 ・ 株式会社 朝日プリンテック 川崎工場 ・ 川崎国際環境技術展2012
- 参加人数:18名

(株)新川崎製作所
環境配慮への取組みについて菊池社長からお話を伺いました。

製品を製造する上で、工場から排出されるCO2の約83%が購入電力によるため、 その削減に力を入れています。昨年度の夏は、電気事業法の法定削減義務の対象ではありませんでしたが、 電力量の削減と合せてピーク電力の15%削減を目標にし、まず電力使用量の把握から取組みました。 デマンド計(30分最大需要電力計)と呼ばれる計測機器を利用して、各機器の電気使用量を調査すると、工場の機械の中では、 2台あるコンプレッサーが、そして工場の機械以外では、電気ポットやエアコンの消費電力が大きいことがわかりましたので、 コンプレッサーの同時使用や電気ポットなどを止め、ピーク電力の15%削減を達成しました。取組み上で、 家庭用のエアコンより電気ポットの方が消費電力が大きいことは、非常に意外でした。
また、細かな電気使用も削減にも努め、照明を消すことを啓発する張り紙や朝礼時にエコアクション21の環境方針等の伝達事項を話し、 情報共有に務めています。
なお、生物多様性保全活動については、ターゲットを明確にできていませんが、地域の神社で処理に困っている落葉を頂い作成した堆肥を使用し、 屋上緑化や事業所の周辺の緑化に取組んでいます。
<参加者の感想(抜粋)>
- 昨今の厳しい経済環境の中、日本の産業を支える製造業の皆さんが、本来の仕事に加えて大変な努力をしていると感じました。
- 生真面目に取組んで、節電意識を社員全体で持とうとしている報告が大変良かったと思います。それにつけても、製造業にとって電気は、 本業のものづくりに、非常に影響するものだと改めて実感しました。
(株)朝日プリンテック 川崎工場
敷地内で行っている環境配慮への取組みについて、担当の方に案内していただきました。
(株)朝日プリンテックは、朝日新聞社の100%出資の子会社であり、15,500m2の敷地の1/4が緑地となっています。
2001年にISO14001を取得し、環境改善に向けて、3つの重点テーマ(①電力などの省エネルギー、
②紙、インクなどの省資源 ③廃棄物の削減)を設定し、取組んでいます。
電力は、深夜電力を使用し、印刷インキには、大豆油を使用しています。また、インキメーカーと共同で、高濃度のインキの採用に着手し、
インキの絶対量を減らすことができました。その結果、メーカーの輸送量が軽減され、輸送トラックのCO2排出量減少にも貢献しています。
また、雨水の活用も行っており、雨水を地下に貯めた後、濾過し、緑地や農園に散水しています。さらに、食堂から出る生ゴミは、堆肥化させて、
落ち葉など混ぜ、熟成させた後、緑地の土壌改良に役立てています。


毎春、カルガモが産卵に訪れるとのことです。
<参加者の感想(抜粋)>
- 工場の建設段階から省エネ、リサイクルを考えて設計になっていると感じた。
- 緑地、雨水利用、畑、ビオトープなど、かなり環境に配慮しており、エコ・エネも進んでいることがわかった。
- 緑地、雨水の散水利用、畑、ビオトープは、全て社員のボランティアで行われていることに驚いた。
川崎国際環境技術展2012
高津区役所の出展ブースも見学していただきました。
<参加者の感想(抜粋)>
- 高津区ブースは、雰囲気も明るく、的が絞られていてよかった。
- 活動に必要な高津区全体の立体地図を作り、ひと目で活動の目的地が分かるようになっていました。取組みがすばらしいと感動しました。
<参加者の感想(エコ企業調査プロジェクト全体等・抜粋)>
- 区内外の企業を知る機会であり、今後も継続して取組んでほしい。
- 市民に知られていない、たくさんの企業のよい面を見ることができることは、とてもうれしい。
- 今日はとてもよい勉強になった。もっとこのような機会があると良い。先進的な取り組みが多いと感じた。
- 2社巡り、企業としての日常の取り組みを拝見したが、ポットを停めての節電など、個人としての取り組みにも共通するものがあると感じた。 環境技術展では、企業がいろいろなことで努力していることが分かった。海水を真水に変える技術などいろいろ出ていて勉強になった。
- エコバスに乗るのが初めてだったのでよかった。企業はいろいろ頑張っているので、一般の方にも広がると良いと思った。 多摩区から参加したが、1つ1つ小さなことから取り組んでいる(株)新川崎製作所のいろいろな工夫に感心した。