令和7(2025)年度 施政方針
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「成長と成熟の調和による持続可能な最幸のまち かわさき」をめざして

1 令和7年度市政執行の基本的な考え方

(1)市政運営の基本姿勢
昨年を振り返りますと、1月に能登半島地震が発生し、市民の生命・財産を守る行政の重要性を改めて強く認識した1年でございました。
この間、本市では、応急給水や避難所運営の支援など、延べ4千人を超える職員派遣のほか、市営住宅等への被災者受入れや災害廃棄物の処理を行ってきましたが、引き続き、職員の中長期派遣を継続し、被災地に寄り添った復旧・復興支援に全力で取り組んでまいります。
また、今後は本市といたしましても、課題が明らかとなった避難所の環境整備等に取り組むほか、被災地支援に従事した職員の経験を、災害対応力の向上につなげてまいります。
さて、昨年は、市制100周年の節目を迎えた川崎が大きなにぎわいを見せた1年でありました。多くの方々と一緒に100周年の喜びを分かち合った「記念式典」のほか、ブルーインパルスの展示飛行や等々力球場で初となる野外フェスを行った「かわさき飛躍祭」など、数多くのイベントで大いに盛り上がりました。
今年度実施した都市イメージ調査の速報では、「シビックプライド指標」が過去最高値を更新したほか、「川崎市のイメージ」も市民、隣接都市在住者の数値がいずれも大きく上昇しており、市制100周年を契機として、市民の皆様に加え、市外の方にも川崎の楽しさ・魅力をアピールしてきた成果だと感じております。
今後、「100周年記念事業を契機として生まれた多彩な事業」や「自らまちに関わり、まちを盛り上げる市民・企業・団体等とのつながり」、「川崎を知って、関わって、好きになり、向上したシビックプライド」をレガシーとして取組を推進し、さまざまな人たちが川崎に「愛着」と「誇り」を持ち、つながりあいながら未来にチャレンジできるまちづくりをめざしてまいります。
スポーツの分野では、富士通フロンティアーズのライスボウル3連覇や、NECレッドロケッツ川崎のVリーグ2連覇、富士通レッドウェーブのWリーグ及び皇后杯優勝など、「かわさきスポーツパートナー」の華々しい活躍に、多くの市民が歓喜に沸きました。
さらに、パリオリンピックでも、本市ゆかりの選手が活躍し、特に、川崎を拠点に活動されてきた湯浅亜実選手がブレイキンで金メダルを獲得したことは、若者文化を後押ししている本市としても大変喜ばしく、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた半井重幸選手とともに、我々に勇気と希望を届けてくれました。
今年7月に、本市での開催が予定されているジャンプロープの世界選手権も、盛況が期待されるところであり、引き続き、若者の挑戦を応援するまちとして、さまざまな取組を進めてまいります。
我が国の経済に目を向けますと、この1月の景気は、一部に足踏みが残るものの、緩やかな回復が続くことが期待されております。また、県内の景気動向につきましては、一部に弱めの動きもみられるものの、緩やかに回復しているものとされております。
引き続き、欧米における高い金利水準や、中国における不動産市場の停滞の継続など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっており、物価上昇や、アメリカの政策動向、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があるとされております。
こうした中、本市では、国の重点支援地方交付金を活用した低所得世帯への給付金支給を速やかに進めるとともに、物価高騰対策として、学校給食費の支援や中小企業等の経営基盤強化など、市民の生活や市内の事業活動の下支えに取り組んでまいります。
国におきましては、「地方創生2.0」の基本構想の策定に向けた動きや、「賃上げと投資が牽引する成長型経済」の実現に向けた取組などが進められておりますが、市民の暮らしを支える中心的な役割を担っているのは地方自治体でございます。
このことを踏まえまして、日頃から市民生活に密接した行政サービスの提供や、産業振興、地域活性化に取り組んでいる圏域の中枢都市である大都市の役割に配慮した政策の実行を強く望むところでございます。
また、子育て施策等の全国一律で提供すべき行政サービスにつきましては、自治体間で過度な競争が生じないよう、国として責任をもって実施することを引き続き強く要望いたします。
さらに、国で引き続き協議を行っていくとされた「年収の壁」の見直しにつきましては、市民の所得増加や労働市場における働き手の確保などが期待できる一方、本市財政にも影響が生じる恐れがあることから、国の動向などを注視してまいります。
昨年4月に人口155万人を突破した本市は、今なお発展を続け、人口増加が続いている一方で、自然動態は既に減少に転じ、生産年齢人口のピークも迫っております。
将来的な人口減少が見込まれるだけでなく、先を見通すことが困難な激動の時代におきましても、市民サービスの質を維持していくためには、変化に寛容な風土を持つ川崎らしさを発揮しながら、柔軟な発想のもと、将来を見据えた新しい挑戦を続けていく必要がございます。
私を含め職員一人ひとりが「すべては市民のために」を合言葉に、改めて行政の使命と自己の役割を見つめ直すとともに、困難な課題に対しても、組織の壁、行政の壁を越えたオール川崎で、社会全体の「最適化」につながるよう取り組んでまいります。

(2)「最幸のまち かわさき」をめざして
今年で、団塊の世代が75歳を迎え、我が国のおよそ5人に1人が後期高齢者となります。
全ての地域住民を対象とした地域包括ケアシステムに取り組んでいる本市といたしましては、現在、第2段階「システム構築期」として、意識づくり、仕組みづくり、地域づくりを進めており、これまでの取組を総括しながら、第3段階「システム進化期」に向けた検討を行っているところでございます。
今後は、医療・介護ニーズの増大・多様化を見据え、予防的な視点を重視し、地域の多様な主体との連携による包括的な支援体制づくりなど、時代や社会状況に応じた取組を進めてまいります。
また、本市の子育て施策につきましては、これまで行ってきた多子世帯の保育料減免や、3月から開始する病児保育の対象年齢拡大に加え、妊婦健診の費用負担の軽減や、産後ケア事業の体制強化にも取り組むなど、子育てがしやすい環境を更に充実させてまいります。
今後も、誰もが住み慣れた地域や自らが望む場で、安心して暮らし続けることができる地域の実現をめざすとともに、子育てを社会全体で支える取組を推進するなど、「安心のふるさとづくり」に取り組んでまいります。
「量子イノベーションパーク」の取組推進につきましては、本市のサステナビリティ・トランスフォーメーションの実現に貢献する研究開発拠点をめざしている「新川崎・創造のもり」の機能更新に向けて、新たに整備する施設や事業手法等をとりまとめた整備基本計画の案をお示ししたところでございます。
今後、新川崎などの産業拠点について、価値・魅力の発信や、高度人材の集積につながる環境整備、世界で活躍する企業の立地誘導などを進めていくとともに、扇島地区における水素を軸としたカーボンニュートラルの拠点形成や、南渡田地区におけるマテリアルから世界を変える産業拠点の形成など、臨海部の大規模土地利用転換を着実に進めるほか、拠点間の連携にも取り組んでまいります。
「全国都市緑化かわさきフェア」の秋開催では、コア会場の富士見公園、等々力緑地、生田緑地とその周辺で約94万人の方にお楽しみいただいたところでございまして、春開催につきましても、いよいよ3月からスタートいたします。
秋開催を通じて、多様な主体との協働・共創によるみどりの新たな価値が創出されているとともに、みどりを介して、人と人、人とまちがつながるきっかけが生み出されており、引き続き、市民総参加型フェアを締めくくる春開催に向けた準備を着実に進めてまいります。
また、公園等における持続的な協働の取組を推進するためのグリーンコミュニティの形成などをフェアのレガシーとして、今後も、みどりを活かしたまちづくりに取り組んでまいります。
現在、我が国は、急速な人口減少など危機的な状況にあります。本市をはじめとした大都市が、その圏域及び日本全体を牽引していかなければ、この差し迫った状況を打破できないという強い危機意識を抱いております。
そのためには、時代に合った最適な社会システムの構築が必要であり、これまでも繰り返し提言を行っている「特別市」の制度創設を含め、多様な大都市制度のあり方を議論していくことが不可欠でございます。
総務省が、昨年11月に「持続可能な地方行財政のあり方に関する研究会」を立ち上げ、さらに12月には、研究会の下に「大都市における行政課題への対応に関するワーキンググループ」を設置したことで、今後の議論が加速していくことを期待しており、先般行われた指定都市市長会へのヒアリングでは、私が出席し、大都市が果たすべき役割や「特別市」制度の必要性・効果等をしっかりとお伝えしてまいりました。
令和7年度に、指定都市市長会として「人口減少時代を見据えた多様な大都市制度の早期実現に関する提言」を策定することとしております。引き続き、国だけでなく、国会議員や経済界など、多くの関係者と意見交換を重ねるとともに、国等の動向に応じた積極的な働きかけにより、「特別市」の早期法制化に結び付けてまいります。

2 令和7年度予算の編成
令和7年度予算といたしまして、市税収入につきましては、個人市民税は、定額減税分の税額控除の減少により増加するとともに、家屋の新増築などにより固定資産税が増加し、前年度と比べて194億円、5.0%増加するものと見込んでおります。
一方で、ふるさと納税による減収は拡大し、物価高騰や国の制度変更などに伴う財政措置が十分ではないなど、本市財政は引き続き厳しい環境にあります。
こうした中においても、市制100周年の取組を一過性のものとせず、「あたらしい川崎」の実現に向けた施策を着実に推進するとともに、防災・減災、暑熱、防犯などの安全対策や、安心して子どもを産み育てられる環境づくりなど、生命を守り、誰もが安全・安心に暮らすことができる取組に対して重点的に予算を配分いたしました。
令和7年度の一般会計の予算規模は、児童手当費や保育事業費の増などにより、前年度に比べ、215億円、2.5%の増加となっております。
- 一般会計 8,927億円余(対前年度比 2.5%増)
- 特別会計(13会計) 5,064億円余(対前年度比 3.6%増)
- 企業会計( 5会計) 2,355億円余(対前年度比 2.3%増)
- 合計 1兆6,347億円余(対前年度比 2.8%増)
令和7年度予算につきましても、「安心のふるさとづくり」と「力強い産業都市づくり」による、持続可能な「最幸のまち かわさき」の実現をめざして、「総合計画 第3期実施計画」に掲げる取組を推進するとともに、この間に顕在化した課題にも配慮した予算になったものと考えております。
厳しい財政環境が続くことが見込まれる中においても、必要な政策・施策を着実に推進していくため、「行財政改革第3期プログラム」に基づく取組を計画的に進めることで、持続可能な行財政基盤を構築し、中長期的な視点に立った行財政運営にしっかりと取り組んでまいります。

3 分野別の重点施策
令和7年度につきましては、めざす都市像の実現に向けて、5つの基本政策に沿って、まちづくりを進めてまいります。

基本政策1「生命を守り生き生きと暮らすことができるまちづくり」
誰もが、安心して暮らせるよう、災害に強く、しなやかなまちづくりや、市民の身近な安全や生活基盤の確保を進めるとともに、地域包括ケアシステムの構築など、地域で顔の見える関係づくりに引き続き取り組んでまいります。
こうした取組を通じて、都市全体の安全性の向上を図り、住み慣れた地域や自らが望む場で、安心して生き生きと暮らせるまちづくりを進めてまいります。
災害から生命を守る取組として、災害・危機事象に備える対策につきましては、「かわさき強靭化計画」などに基づき、建築物や橋りょうの耐震化、市民の防災意識向上などに取り組んでおり、引き続きハード・ソフトの両面から防災・減災対策を進めていくとともに、「かわさき強靭化計画」の改定に向けた取組を進めてまいります。
また、災害時のトイレ対策やマンホールトイレ整備の考え方等について整理するとともに、学校や保育園等への携帯トイレの備蓄に新たに取り組むほか、引き続き、避難所等と水処理センターを結ぶ下水管きょの耐震化を推進してまいります。
さらに、子どもたちの学びの場であるとともに、災害時には避難所として活用される学校体育館等の環境整備につきまして、気候変動の影響等を踏まえた暑熱対策が急務であることから、一部の学校で先行して設計及び整備に着手するとともに、全校への空調設備の導入に向けて整備内容やスケジュール等の検討を進めてまいります。
加えて、災害時の情報伝達手段の多重化に向け、防災ラジオの自主防災組織等への無償貸与や希望者への販売を行うほか、衛星系防災行政無線の改修を進めるなど、防災対策に多面的に取り組んでまいります。
地域の主体的な防災まちづくりにつきましては、東小倉町内会が作成した本市初の地区防災計画が、昨日の市防災会議で承認され、地域防災計画に定めることが決定されました。今後も、相談対応や助成金等による支援のほか、地区防災計画の事例周知を図ってまいります。
また、不燃化重点対策地区の小田周辺地区及び幸町周辺地区において、建築物の不燃化推進などに取り組むとともに、防災まちづくり推進地区における町内会への支援を、引き続き進めてまいります。
まち全体の総合的な耐震化につきましては、木造住宅の耐震診断や耐震改修に係る費用の一部を助成する制度について、助成金の限度額を引き上げるなど、耐震化の取組を加速してまいります。
消防力の総合的な強化につきましては、24時間適切な消防体制を維持するため、子母口出張所の改築に伴う整備に着手するとともに、消防団員の装備更新など、消防団を中核とした地域防災力の充実強化を図ってまいります。
また、コンビナート地域における高圧ガス保安法の事務・権限が神奈川県から本市へ移譲されることに伴い、新たな執行体制を構築し、迅速かつ円滑な事務処理を切れ目なく行ってまいります。
安全・安心な暮らしを守る河川整備につきましては、水害から市民の生命・財産を守るため、平瀬川の多摩川合流部の堤防整備を推進してまいります。
また、下水道事業における浸水対策として、浸水リスクの高い重点化地区における雨水管整備を引き続き進めるほか、宮内排水樋管など4か所において、ポンプゲート設備の整備工事に着手いたします。
安全に暮らせるまちをつくる取組として、防犯対策につきましては、住宅地における相次ぐ事件など、昨今の状況を踏まえ、町内会や商店街などへの防犯カメラの設置支援に予算規模を拡充して取り組むほか、川崎駅周辺に整備した防犯カメラの効果をより一層高めるための周知など、体感治安の向上を図り、安全・安心なまちづくりに向けた取組を進めてまいります。
ユニバーサルデザインのまちづくりにつきましては、JR南武線・武蔵中原駅の副本線などのホームドア整備を促進するとともに、登戸駅及び向ヶ丘遊園駅北口において、ユニバーサルデザインタクシー対応の乗り場を備えた駅前広場の供用開始に向け、整備を進めてまいります。
水の安定した供給・循環を支える取組につきましては、水道及び下水道施設の老朽化対策や耐震化などを着実に進めるとともに、等々力水処理センターにおける高度処理施設の整備などを推進してまいります。
また、入江崎水処理センターの施設上部に太陽光発電設備を設置するオンサイト型PPA事業につきまして、発電開始に向けた準備を進めるなど、地球温暖化対策の取組を加速・強化してまいります。
さらに、工業用水道事業の主要施設の老朽化や水需要の減少等の課題を踏まえ、利用者の使用実態に即した新料金制度を導入するとともに、経営審議委員会へ諮問した本市にふさわしい水道料金・下水道使用料制度等のあり方について、令和7年度に答申される内容を踏まえ、検討してまいります。
誰もが安心して暮らせる地域のつながり・しくみをつくる取組として、包括的な支援体制の充実に向けましては、医療的ケア児・者及びその家族へのレスパイト支援について、重症度の高い対象者受入れに対する加算を新設し、病院の受入体制を強化するほか、訪問看護と連携した福祉型短期入所による受入れを新たに試行実施するなど、支援制度の充実を図ってまいります。
また、認知症の初期段階から、区役所等の専門職が、本人の意欲向上や家族の負担軽減を図る「認知症の人と家族の一体的支援」について、全ての区での展開に向けて取り組んでまいります。
さらに、避難行動要支援者一人ひとりの避難先や支援者等を記載した「災害時個別避難計画」を作成するケアマネジャーへの伴走支援の取組を拡充するなど、災害時における高齢者や障害者等の援護体制を充実させてまいります。
高齢者福祉サービスの充実につきましては、慢性的な介護人材の不足感の解消や質の高い介護サービスの継続的な提供に向け、これまでの取組に加え、家賃支援の対象職種の拡大やカスタマーハラスメント相談窓口の新設など、介護人材の確保・定着に向けた取組を更に強化してまいります。
また、民間の特別養護老人ホーム等の整備につきましては、昨今の建築資材の高騰等を考慮した補助金単価に見直すことで、施設整備の促進を図ってまいります。
障害福祉サービスの充実につきましては、全ての区への設置が完了した子ども発達・相談センターについて、通所事業や親子サロンなどによる支援に加え、地域療育センターと連携した支援に引き続き取り組んでまいります。
また、脳血管疾患や事故等による治療を終了した中途障害者等に対し、退院後の早期かつ適切な地域リハビリテーション等を実施することで、就労や社会参加につなげていくための支援を強化してまいります。
誰もが暮らしやすい住宅・居住環境の整備につきましては、「住宅基本計画」等に基づき、多様な主体との連携を図りながら、住宅の耐震化や脱炭素化の促進、空き家対策の強化などに取り組み、すべての市民が安心し、ゆとりを持って、共に住み続けられる活力ある持続可能な地域社会の実現に向けた取組を進めてまいります。
生き生きと暮らすための健康づくりにつきましては、アピアランスケアとして、がん治療や事故等による外見の変化に起因する苦痛を軽減するため、医療用ウィッグ等の購入に対する助成制度を新たに創設することで、治療と学業や仕事との両立に向けた支援を進めてまいります。
市民の健康を守る取組として、医療供給体制の充実・強化につきましては、救急需要が集中する時間帯や地域を補う「デイタイム救急隊」について、中原消防署に加え、高津消防署でも運用を開始し、救急医療体制の更なる整備を図るほか、「#7119」の利用促進など、救急車の適時・適切な利用に向けた広報等にも取り組んでまいります。
また、救急活動時間の短縮や救急隊員の負担軽減を目的として行っている、タブレット端末等を活用した救急業務の効率化に関する実証実験の結果を踏まえ、今後、システムの構築に向けた検討を進めてまいります。
さらに、看護職者や教育・研究者、地域包括ケアシステムの推進役となる方を養成する市立看護大学の大学院につきましては、校舎の環境整備等の準備を着実に進め、4月に開学いたします。
信頼される市立病院の運営につきましては、川崎病院の救命救急センター棟の新築工事を着実に進めるなど、医療機能等の強化・拡充に向けた取組を推進してまいります。
また、病院事業会計につきましては、物価高騰や人件費の増加を踏まえ、一般会計からの繰入金の増額を一定程度見込むとともに、診療報酬の確保や経費縮減を着実に実施するなど、継続的な経営改善に取り組みながら、地域に必要な医療の提供を行ってまいります。
健康で快適な生活と環境の確保につきましては、65歳の高齢者等に対し、帯状疱疹ワクチンの定期接種を開始するほか、コンビニ事業者と協定を締結し、新たに24時間営業の店舗にAEDを設置するなど、市民の安全と健康を守るための取組を進めてまいります。

基本政策2「子どもを安心して育てることのできるふるさとづくり」
子どもや子育て家庭に寄り添い、支え、子育ての不安感や負担感を軽減し、安心して子どもを育てられる地域社会を構築するとともに、未来を担う子どもたちの生涯にわたる学びや暮らしの基礎となる「生きる力」を伸ばすため、学ぶ意欲・態度を育んでまいります。
こうした取組を通じて、どこよりも子育てしやすく、子育て世代に選ばれるまちづくりを進めてまいります。
安心して子育てできる環境づくりとして、子育てを社会全体で支える取組につきましては、「かわさき子育てアプリ」について、乳幼児の健診結果の確認等ができる電子母子健康手帳機能を新たに追加するほか、プッシュ型通知による情報発信の更なる充実など、より多くの方に活用していただけるよう、利用者目線に立ち、子育て世帯の利便性向上を図ってまいります。
また、一時保育システムを新たに導入し、施設の空き状況確認や利用予約をスマートフォンから行えるようにするなど、より一層のデジタル化を推進いたします。
質の高い保育・幼児教育につきましては、市内の公立保育所全21園において、紙おむつ等の定額利用サービスを導入するとともに、民間保育所等で同様のサービスを導入する経費の補助制度を新設し、保護者の負担軽減や保育所等職員の業務効率化を図ってまいります。
また、待機児童ゼロの継続達成をめざし、多様な手法を用いた保育受入枠の確保や区役所におけるきめ細やかな相談支援などに引き続き取り組むとともに、試行実施を行っている「こども誰でも通園制度」は、本格実施を見据えた取組を進めてまいります。
子どものすこやかな成長の促進につきましては、新たに策定する「放課後等の子どもの居場所に関する今後の方向性」を踏まえ、地域資源の活用に加え、子どもの意見を取り入れながら、子どもが安全・安心に過ごすことができる居場所づくりに向けた取組を進めてまいります。
また、わくわくプラザにつきましては、今年度行った配食サービスの試行的実施の結果を踏まえ、令和7年度の夏季休業期間から全てのわくわくプラザにおける配食サービスのモデル事業実施に向けた取組を進めるなど、利用者のサービス向上に資する取組を推進してまいります。
子どもが安心して暮らせる支援体制づくりにつきましては、児童虐待の相談件数増加などを踏まえ、子育て等に不安を抱えた家庭を訪問し、不安や悩みを傾聴しながら家事等を支援する「子育て世帯訪問支援事業」を開始いたします。
また、児童相談所において、児童の意見を聴取する支援員の増員や報酬増を行うほか、適切なケアの提供に向け、学習・通学支援を強化するなど、さまざまな背景・課題を抱えた子ども・若者を、地域社会全体で見守り・支えるしくみの構築に向けた取組を推進してまいります。
未来を担う人材を育成する取組として、確かな学力と豊かな心の育成につきましては、GIGAスクール構想の取組として、市学習状況調査等の教育データを分析・可視化する取組を推進しており、今年度新たに実装したダッシュボードを活用しながら、エビデンスに基づく、誰一人取り残されない個別最適な学びの実現をめざしてまいります。
健康給食の推進につきましては、学校給食の質を維持するため、学校給食費の改定を行い、「健康給食」をコンセプトとした、栄養バランスの取れた、安全でおいしく魅力ある学校給食を引き続き提供するとともに、子どもたちの「食育の場」の提供も行ってまいります。また、保護者の経済的負担に配慮する観点から、令和7年度は、給食費改定分について、一般財源及び国の交付金を半額ずつ充てる予算としたところでございます。
一人ひとりの教育的ニーズへの対応につきましては、「不登校対策の充実に向けた指針」に基づき、別室指導の充実や「ゆうゆう広場」の機能改変などに取り組んでいるところでございまして、長期欠席の傾向にある児童生徒の状態をきめ細かく把握しながら、効果的な支援策を検証し、施策の展開につなげてまいります。
また、児童生徒の抱える課題に応じた支援を行うスクールソーシャルワーカーを増員し、各区2名体制を完成させるとともに、複雑な相談対応の強化に向け、スクールカウンセラーやスーパーバイザーの適正配置など、一人ひとりに寄り添った教育相談支援の充実を図ってまいります。
安全で快適な教育環境の整備につきましては、児童生徒の増加に対応した校舎増築などを進めるとともに、大規模住宅の整備等により人口が急増している新川崎地区において、新たに開校する新小倉小学校では、多くの企業や大学の研究施設と近接している環境を活かした特色のある教育活動を推進してまいります。
学校の教育力の向上につきましては、優秀な教員を確保し、教員不足に対応するため、令和7年度においても、秋期教員採用選考を実施するとともに、大学との連携強化や非常勤講師の処遇改善などの取組を進めてまいります。
また、教員の負担軽減に向けて、部活動指導員の配置を拡充するほか、産業医の増員など、心身の健康を守るための体制整備にも取り組んでまいります。
生涯を通じて学び成長する取組として、家庭、地域の教育力向上につきましては、地域ぐるみで子どもたちの学習や体験活動をサポートし、多世代の交流を推進する場である地域の寺子屋の、全小・中学校への設置に向けた取組を進めるとともに、寺子屋先生などの養成にも取り組んでまいります。
自ら学び、活動するための支援につきましては、学校施設の更なる有効活用に向けて、クラウド型の予約システム及びスマートロックを全校に導入し、施設利用者の利便性向上と鍵の受け渡し等の負担軽減を図るとともに、施設種別ごとに設定した新たな使用料による運用を開始いたします。
また、小・中学校における自然教室につきましては、取り巻く環境の変化を踏まえ、今後の方向性を定めるため、「八ケ岳少年自然の家」以外の施設を活用した手法の検証と併せて、当該施設のあり方についても、検討を進めてまいります。

基本政策3「市民生活を豊かにする環境づくり」
地球温暖化がますます深刻化する中で、市民や事業者の皆様と協働しながら、環境先進都市として本市がこれまでに培った技術を活かし、脱炭素社会の実現に向けて、持続可能なまちづくりを進めてまいります。
また、さまざまな主体と力を合わせて、市民の皆様の貴重な財産である緑や水などの自然環境を守り、次世代へ継承してまいります。
こうした取組を通じて、人と自然が共生する豊かな社会をつくりだしてまいります。
環境に配慮したしくみづくりとして、地球環境の保全に向けた取組につきましては、都市部における再エネの導入拡大を図っていくため、新築建築物等への太陽光発電設備の設置義務化に係る制度を開始するとともに、太陽光発電設備や蓄電池等の設置補助制度について、予算規模を拡充するなど、再エネ促進の取組を更に加速してまいります。
また、脱炭素モデル地区「脱炭素アクションみぞのくち」のブランド化に向け、取組の見える化による市民、事業者の行動変容を促進するため、脱炭素に特化した情報を発信するデジタルサイネージ等の導入に向けた取組を進めてまいります。
気候変動への対応が求められる昨今、脱炭素化に向けた取組の加速・強化は、本市のみならず、我が国の喫緊の課題でございます。本市は、脱炭素化のフロントランナーとして、先進的な取組にチャレンジしてまいります。
地域環境を守る取組につきましては、新たに策定する「廃棄物処理施設の中長期的な整備構想」に基づき、堤根処理センターの建替えに向けた解体工事に着手いたします。
また、ごみ収集車につきましては、現在、バイオ燃料比率が20%の実証実験に取り組んでおり、今後は、比率を100%とした燃料の実証に挑戦してまいります。
さらに、プラスチック製品とプラスチック製容器包装を一括回収し、リサイクルする取組について、先行的に実施している川崎区に加え、幸区と中原区へも拡大するなど、「100%プラリサイクル都市」をめざした取組をより一層進めてまいります。
緑と水の豊かな環境をつくりだす取組として、協働の取組による緑の創出と育成につきましては、かわさきフェアを契機として、緑の質の向上をめざすとともに、緑を取り巻く状況変化等に対応するため、剪定などの維持管理の計画的な推進に加え、多様な主体との協働の上で、行政が担うべき役割を示した「緑の維持管理のあり方」の策定に向けた取組を進めてまいります。
魅力ある公園緑地等の整備につきましては、等々力緑地の再編整備において、建設物価高騰等の課題への対応を適切に行うとともに、事業者と連携しながら、安全・安心で魅力あふれる公園の実現に向けた取組を着実に進めてまいります。
また、「いのちを感じる」をテーマとして、再整備の取組を進めている夢見ヶ崎動物公園では、新たに導入する機能や管理運営手法の方針等をとりまとめた再整備計画の策定に向けた取組を進めてまいります。

基本政策4「活力と魅力あふれる力強い都市づくり」
魅力ある都市拠点や、これらを結ぶ交通環境の整備を総合的に推進するとともに、新たな産業の創出や、市内中小企業の振興など、本市の強みを活かした産業都市づくりを進めてまいります。
また、スポーツや文化芸術の振興に取り組むなど、市民が愛着と誇りを持つことのできる、活力と魅力にあふれたまちづくりを進めてまいります。
こうした取組を通じて、便利で快適に暮らせる、人も企業も元気で活気にあふれたまちづくりを推進してまいります。
川崎の発展を支える産業の振興として、持続可能な食の流通拠点の構築に向けましては、北部市場の機能更新に係るPFI事業者の選定に向けた手続を進めるとともに、老朽化等の課題を抱える南部市場の施設のあり方を検討するなど、「卸売市場経営プラン」の改定に向けた取組を推進するほか、それぞれの市場の特性を活かした活性化や効率的な管理運営などを行いながら、経営の健全化にも努めてまいります。
新たな産業を創出する取組として、科学技術を活かした研究開発基盤の強化につきましては、「量子イノベーションパーク」の実現に向け、イノベーション・エコシステム形成に関する検討や企業誘致の推進、量子技術を活用した地域課題解決実証モデル事業等を実施いたします。
臨海部のカーボンニュートラル化の実現に向けましては、主要なプロジェクトのひとつである液化水素サプライチェーンの社会実装に向け、インフラ整備や事業スキームの整理、検討を進めるほか、さまざまな企業と連携したプロジェクト創出により、水素供給体制の構築や需要拡大に向けた取組を進めてまいります。
臨海部を活性化する取組として、戦略的な産業集積と基盤整備につきましては、扇島地区先導エリアの令和10年度の一部土地利用開始に向け、水素供給拠点や高度物流拠点の形成を進めるとともに、必要となる道路や港湾施設の整備のほか、各種インフラに関する内容等を示した基本計画の策定に向けた取組を進めてまいります。
また、南渡田地区におきましては、令和9年度の北地区北側のまちびらきに向け、インフラ整備や戦略的な企業誘致等を進めるとともに、次期地区の早期事業化を図るため、事業ステップや土地利用の方向性等をまとめた事業推進計画を策定するなど、引き続き、大規模な土地利用転換の取組を進めてまいります。
広域連携による港湾物流拠点の形成につきましては、国際戦略港湾である京浜港の一翼を担う川崎港について、荷役の安定性・確実性の確保による更なる利用促進を図るため、ガントリークレーンや荷さばき地の計画的な更新などに取り組んでまいります。
魅力ある都市拠点の整備として、広域拠点の形成につきましては、武蔵小杉駅周辺における魅力ある駅前空間の創出に向け、「(仮称)小杉町一丁目計画」の事業化に向けた取組をはじめ、民間開発の適切な誘導と支援を引き続き行い、商業・業務や都市型住宅等がコンパクトに集積した、個性と魅力にあふれた拠点形成を推進いたします。
新百合ヶ丘駅周辺地区では、「多様な人々が集うまち」を将来像とし、駅中心部の高度利用など、市北部の広域拠点にふさわしい多様な都市機能の充実や、防災性の向上などを図るための「新百合ヶ丘駅周辺地区まちづくり方針」の案をお示ししたところであり、今後、同方針に基づく取組を進めてまいります。
個性を活かした地域生活拠点等の整備につきましては、鷺沼駅周辺における市街地再開発事業に向け、再開発組合の設立認可を行ったところでございまして、組合による駅前街区の建物等の設計に合わせ、本市としても、市民館・図書館の内装設計などの取組を着実に推進してまいります。
また、登戸・向ヶ丘遊園駅周辺では、まちづくりビジョンに基づき、登戸駅前地区における市街地再開発事業の工事着手に向けた取組とともに、向ヶ丘遊園駅南口エリアのまちづくり方針策定に向けた取組を進めてまいります。
総合的な交通体系の構築として、連続立体交差事業につきましては、京浜急行大師線の小島新田駅から東門前駅にかかる1期(1)区間の工事が完了したところでございまして、今後、東門前駅から鈴木町駅にかかる1期(2)区間の詳細設計等に着手いたします。
また、先般、事業認可を取得したJR南武線の矢向駅から武蔵小杉駅間では、今後、用地取得を順次進めるなど、引き続き、渋滞の緩和、踏切事故の解消に加え、沿線まちづくりなどの取組を推進してまいります。
※「(1)区間」、「(2)区間」の正しい表記は丸付き数字です。機種依存文字のためカッコ付き数字に置き換えています。
身近な交通環境の整備につきましては、全国的に運転手不足等が深刻化し、路線バスの持続可能性が危惧される中、今後もまちの価値を保ち続けるためには、基幹となるバス路線の維持が不可欠であるとともに、これを補完するコミュニティ交通の役割が一層重要でございます。
バスネットワークの維持につきましては、路線の効率化に加え、令和9年度の自動運転レベル4実装に向けて、1月から2月にかけて行った実証運行の成果と課題を踏まえた取組を進めてまいります。
また、コミュニティ交通につきましては、実証実験に対する運行経費等への支援を拡充するなど、本格運行に向けた取組を進めてまいります。
さらに、多様なモビリティが利用可能で、地域のにぎわいの創出や移動の目的地ともなる新たな拠点「モビリティ・ハブ」の形成に向けた取組を進めていくほか、持続的な交通環境の形成には市民の参画が必要であることから、啓発や意識醸成にも取り組んでまいります。
市バス事業につきましては、市民生活を支える公共交通機関として、安全性の確保や、快適で利用しやすいサービスの提供を行うとともに、運転手不足に対応するため、新たな採用選考の実施など人材確保の取組を強化し、市バスネットワークの維持に努めてまいります。
スポーツ・文化芸術の振興として、スポーツのまちづくりにつきましては、京急川崎駅西口における再開発事業の構想を踏まえまして、若者文化創造発信拠点カワサキ文化会館を移設し、新施設での運営を開始いたします。
また、「川崎新!アリーナシティ・プロジェクト」として進められている、複合エンターテインメント施設の建設計画とも連携し、川崎の新たなにぎわいづくりや若者文化を後押ししてまいります。
さらに、登戸地区の多摩川河川敷において、社会実験を実施しているスケートボード等ができる広場の本格運用に向けた取組を進めてまいります。
市民の文化芸術活動の振興につきましては、新たなミュージアムの開設地を、生田緑地ばら苑及び周辺区域再整備エリアとする基本計画の案をお示ししたところでございまして、生田緑地全体の魅力向上につなげていくため、ばら苑等を含めた一体的な整備に向けた取組を進めるとともに、今後、管理運営計画の策定に向けた検討を進めてまいります。
戦略的なシティプロモーションとして、都市イメージの向上とシビックプライドの醸成につきましては、「あたらしい川崎」に向けた更なるチャレンジとして、「Colors,Future!Summit」や「みんなの川崎祭」を継続・発展させながら、官民連携でまちのにぎわいの創出を図るとともに、更なるブランディングをめざし、取組を進めてまいります。
また、これまで本市が行ってきた情報発信における課題等を踏まえ、全庁的な広報力を強化するとともに、重点政策の戦略的な広報を推進していく体制を新たに構築することで、今後100年を見据えた持続的な発展をめざし、川崎を知って、関わって、好きになってもらうためのプロモーションを強化してまいります。
川崎の特性を活かした観光の振興につきましては、2024年の年間訪日外客数が3,600万人を超え、過去最多となるなど、今後も、インバウンド需要の更なる高まりが見込まれることから、食を中心とした受入環境の整備や体験型コンテンツの造成等に取り組むとともに、戦略的な外国人動態分析調査を実施し、羽田空港に近接するなどの立地優位性を活かした効果的なプロモーションを実施してまいります。
デジタル化の推進につきましては、オンライン申請の利用拡大に向け、民間の引越しポータルサイトを活用したオンライン一括申請サービスをこの3月から開始するとともに、必要な手続を案内する機能や、「オンライン手続かわさき(e-KAWASAKI)」への入力を補助する機能を導入するなど、利便性向上に資する取組を進めてまいります。

基本政策5「誰もが生きがいを持てる市民自治の地域づくり」
市民と行政の「情報共有」「参加」「協働」を基本としながら、地域課題の解決を促進するとともに、多様な人々が、共に認め合い、支え合いながら、個性と能力を発揮することができる地域社会づくりを進めてまいります。
こうした取組を通じて、市民の心がつながり、「自分たちのまちは自分たちでつくる」取組が広がるまちづくりを進めてまいります。
参加と協働による市民自治の取組として、市民参加の促進と多様な主体との協働・連携のしくみづくりにつきましては、地域での新しい活動や価値を生み出す基盤となるソーシャルデザインセンターが、昨年、全ての区において始動いたしました。引き続き、人や団体、活動等をつなぐコーディネート機能や人材育成等の機能を発揮し、多様な主体による協働・連携を促進してまいります。
共に支え合う地域づくりに向けた区役所機能の強化につきましては、デジタル技術の著しい発達等により市民サービスの向上が期待されていることや、少子高齢化の進展に伴い、地域コミュニティの重要性が高まっていることなどを踏まえ、今後の区役所が果たすべき役割と方向性を示した「区役所改革の基本方針」の改定に向けた検討を進めてまいります。
人権を尊重し共に生きる社会をつくる取組として、平等と多様性を尊重した人権・平和施策につきましては、「核兵器廃絶平和都市宣言」を行っている本市として、これまで平和意識の普及に取り組んでまいりました。今年で、戦後80年の節目を迎える中、戦後生まれの方が約9割となり、戦争体験者、被爆者の高齢化が進んでいることを踏まえ、平和社会の実現に向けて、戦争体験を風化させず、戦争の悲惨さや平和の尊さを次世代に広く継承する取組を進めてまいります。
また、拉致被害者支援の取組として、若年世代も含めた市民の関心を高めるなど、被害者家族に寄り添った支援を実施してまいります。
さらに、昨年12月で制定から5年が経過した「差別のない人権尊重のまちづくり条例」に基づき、改めて差別は絶対に許さないという強い想いを全ての市民と共有し、誰もが不当な差別を受けることなく暮らすことができるまちづくりに向けた取組を着実に進めてまいります。

4 政策・施策の着実な推進に向けて
社会経済環境の変化が激しい時代におきましても、日々の変化に的確かつ迅速に対応し、市民の皆様の安全・安心な暮らしを支えるため、行政には、必要な市民サービスを確実に提供する責務がございます。
現在、「総合計画 第3期実施計画」に基づく、計画的かつ着実な事業推進に加え、「行財政改革第3期プログラム」や「資産マネジメント第3期実施方針」のもと、公共施設をはじめとするさまざまな経営資源の最適化等に取り組んでいるところでございます。
こうした中、環境問題の一層の深刻化や、デジタル化・技術革新の進展、臨海部における産業構造の変化など、本市を取り巻く環境は大きく変化しております。また、急激に加速する少子高齢化による介護、運輸業等の担い手不足や、気候変動の深刻化による記録的な猛暑など、市民生活への影響も顕在化しており、さらに、首都直下地震をはじめとする大規模地震のリスクなど、行政が取り組むべき課題は多様化・複雑化が進んでおります。
これらの状況を踏まえ、本市の中長期的なまちづくりの方向性について、検討を進めているところでございまして、令和7年度に、「川崎市総合計画」を改定いたします。
併せて、次期行財政改革プログラムを策定するとともに、「資産マネジメント第3期実施方針」に基づき、地域ごとの資産保有の最適化の取組等を進めてまいります。

5 おわりに
市制100周年の節目を迎えた本市では、次の100年に向けて、101年目も新たな取組に挑戦し続けてまいります。引き続き、「対話」と「現場主義」のもと、「最幸のまち かわさき」の実現に向けて全力を尽くしてまいりますので、議員、市民の皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。
お問い合わせ先
川崎市総務企画局都市政策部企画調整課
住所: 〒210-8577 川崎市川崎区宮本町1番地
電話: 044-200-2027
ファクス: 044-200-0401
メールアドレス: 17kityo@city.kawasaki.jp
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