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グリーンボンド投資家座談会の動画のテキスト情報

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グリーンボンド投資家座談会の動画のテキスト情報

概要

 川崎市は2020年11月12日に脱炭素戦略(かわさきカーボンゼロチャレンジ2050)を策定し、本年8月に同市として初となるグリーンボンドを発行しました。福田紀彦市長と、同グリーンボンドへの投資家が、川崎市の取り組みについて意見交換を行う座談会を、オンラインで開催しました。

内容

香月氏

時間になりましたので、「グリーンボンドのかけ橋~川崎市☆投資家~カーボンゼロチャレンジ2050座談会」を開催したいと思います。まず、本日のご登壇者をご紹介します。

 川崎市からは、川崎市長 福田 紀彦様

 投資家のお立場から、50音順にご紹介します。

 川崎信用金庫 理事長 堤 和也様

 環境再生保全機構 理事長 小辻󠄀 智之様

 自動車リサイクル促進センター 業務執行理事(CFO)大久保 英明様

 横浜銀行 執行役員市場営業部長 荒井 智希様

 なお、私、本日、モデレーターを務めさせていただきます、みずほ証券サステナビリティ推進部の香月と申します。よろしくお願いいたします。

 座談会に入ります前に、現在の日本のグリーンボンドをはじめとした債券市場の現状と、今回の川崎市のグリーンボンドについて、簡単にご報告申し上げます。

 国内SDGs債の発行額の推移ですが、右肩上がりで急拡大している状況です。昨年度2020年度は、合計で2.3兆円となり、今年度も順調に発行額が積み上がっている状況です。

 下表は先月発行された川崎市グリーンボンドの発行条件、及び資金使途などの概要を示しています。国際的な原則に準拠した形で、国内地方自治体としては4団体目となるグリーンボンドですが、発行額を上回る需要を集め、その超過倍率が約14倍という記録的なものとなったと報じられています。また、投資を表明した投資家さんの数も45社とこちらも記録的な件数となりました。

 今回のグリーンボンドは、福田市長のトップダウンで始まったとうかがっております。多くの投資家さんのご理解と、起債準備にあたった財政局の皆さんのご努力の賜物と思いますが、改めてグリーンボンドを発行した経緯、脱炭素・環境保全への想いを市長の方から教えていただけますでしょうか。

 

福田市長

 ありがとうございます。また、本日ご参加いただいております皆さまに心より感謝申し上げます。ただいま、ご紹介ありましたように、本市にとって初めてのグリーンボンドの発行で、非常に高い関心を持っていただいた、また、投資をしていただいた、ということに改めて、心より感謝申し上げたいと思います。

 私の持つ問題意識として、世界中で気候変動の影響が出ておりますけども、私たちの川崎市においても一昨年東日本台風で甚大な被害が起きました。市民にとっても気候変動の影響が、こんなに身近にやってくるものかということを思い知りましたが、これが数十年に一度ということではなく、毎年のようにきているというのが現状です。そうしたなかで衝撃的なデータというのが、2年ほど前だったでしょうか、アメリカの研究団体の「クライメート・セントラル」が出しているものですが、平均気温が2度上昇すると、川崎港周辺がほとんど水没するという衝撃的なものです。水没エリアとなっているところは、まさに川崎の産業が集積しているエンジンのところであって、産業基盤そのものが崩れてしまうということを考えると、私たち川崎市もそうですし、そこに立地している企業の皆さまや市民の皆さま全員が当事者になる、そういった危機感を持って、この環境問題に自分事として取り組んでいかなければならないと感じています。そこで、昨年の2月に、川崎市は国に先駆けて脱炭素宣言を行いまして、その秋11月には「かわさきカーボンゼロチャレンジ2050」を発表させていただきました。

 

 2050年までにCO2排出量を80%削減しようというのが従来目標であったのですが、これを100%まで近づけるためには、もっともっと意欲的な取り組みをしていかなければなりません。2030年までに、今までの計画よりも100万トン削減する、これは大変な数字でありまして、一般家庭に直しますと、川崎市のすべての75万世帯くらいの家庭用電力をすべて削減しないと100万トンに到達しないという非常にチャレンジングな数字であるのですが、それくらいやらないと2050年の目標に結びつかないんだ、という数字であります。

 川崎市内で排出されているCO2の約77~78%が産業由来でありますので、そういった意味では企業の皆さんと同じ問題意識を共有して、一緒に取組んでいただくというのが極めて重要であります。まず私たちでできることをどんどんやっていこうということで、今回のグリーンボンドで、活用させていただく一つの取組みをご紹介します。川崎市には3つの廃棄物処理センターがあり(稼働してい)ます。現在、この3つの処理センターで10億円の売電額を受け取っているのですが、建替中の橘処理センターを、発電の効率を極めて高いものに更新させていただくと、全体の発電量で1.4倍、売電量で1.8倍になります。相当な量を自前でクリーンな電力を生み出すことができる。そして、それを市の施設であり、そういったところに使うことができる。そんな取り組みに今回グリーンボンドを使わせていただきたいと思います。川崎市役所は、事業体として、市内でいうと民生部門の一番の排出者でありますので、ここの公共建築物をみんなLED化すると、電力由来のCO2を10%削減することができる。LED化だけでです。といったことにも、今回のグリーンボンドで調達した資金を使わせていただきたいと思います。このように、今回のグリーンボンドでの調達資金は、極めて効果の高いところに使わせていただくことにご理解をいただきたいと思います。皆さんにグリーンボンドに投資していただくことによって、私たちのまち、あるいは市民の行動、いろんなところが変わっていく。その大きなきっかけになることを期待しています。

 ぜひ、今日の座談会の機会を通じて、脱炭素社会の実現に向けて、率直な意見交換をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

香月氏

 グリーンボンドのインパクトについて非常にわかりやすいご紹介いただきましてありがとうございました。続きまして、投資家の皆さまより、自己紹介をいただきたいと思います。

 

 

堤理事長

 改めてご紹介をさせていただきますと、川崎信用金庫は当地、川崎市に本店を置く信用金庫で、営業エリアは川崎を中心に東京都大田区、横浜市にまたがり、店舗数は56店舗になります。当金庫は1923年7月に創立し、地域の皆さまに支えられ、おかげさまで2年後にはめでたく100周年を迎えます。

 昨年、当金庫は「かわさきカーボンゼロチャレンジ2050」に賛同し、また、市がアンバサダーをつとめられているRE Actionにも、金融機関として初めて、川崎市内企業としても初めて、参加をいたしました。今年に入り、かわさきSDGsパートナー制度の発足とともに、当金庫もゴールドパートナーの認証を受け、また、市と当金庫が運営を担う「川崎市SDGsプラットフォーム」がスタートするなど、カーボンゼロ、SDGsについての取組を積極的に進めております。これらは第一歩を踏み出した段階ですが、今後、地域の持続可能な未来のために、カーボンゼロ、SDGsの取組をいっそう加速させていきたいと考えております。本日はどうぞよろしくお願いします。

 

 

小辻󠄀理事長

 本日は、このような座談会に参加させていただきまして誠にありがとうございます。環境再生保全機構は平成16年から川崎のミューザに本部を置いております。事業内容は公害による健康被害を受けられた方々への補償と、公害による健康被害の発生を予防するための事業の推進、開発途上地域や国内外のNGO、NPOへの助成、人材育成、情報提供などを行っております。更に、中皮腫等のアスベストによる健康被害を受けられた方々への医療費等の給付、そして、競争的資金の配分を通じて、環境政策に貢献する研究・技術開発等を実施する環境研究費業務等、多岐にわたる業務を行っております。当機構はその業務内容、及び取組全般が、環境の保全、それを目的といたしております。

 昨年10月の菅総理による、2050年カーボンニュートラル宣言以降、脱炭素社会の構築が今後の政策のメインストリームになって参りました。今後、さまざまな施策が講じられると思いますけども、環境省の重点施策をみましても、基盤インフラ整備支援であるとか、地域資源の重視、活性化、自然保護等、地域レベルで取り組みに焦点があたっていると言えます。当機構としましては、国のSDGs未来都市に選定された川崎市さんの地域脱炭素政策に積極的に貢献して参りたい、というふうに考えております。よろしくお願いいたします。

 

 

大久保CFO

 公益財団法人 自動車リサイクル促進センターの大久保でございます。今日はよろしくお願い申し上げます。通称、JARC(ジャルク)と呼ばれているので、ご記憶いただけるとありがたいかなと思っております。

 まずは、本日はこういう場にお声かけいただきまして、福田市長様はじめ川崎市の皆さま、そして、みずほ証券の皆さまに、感謝を申し上げます。

 簡単に、当財団のご紹介をさせていただきたいと思います。設立は2000年でございます。当時、自動車リサイクルのさまざまな課題に対応するために設立されました。その後、2005年1月に施行されました自動車リサイクル法に基づきまして、自動車リサイクル制度がスタートいたしましたけども、当財団は自動車ユーザーの皆さまからお預かりしたリサイクル料金の管理、運用をはじめ、自動車リサイクルの促進に関する調査、研究、普及、啓発、こういった取組をしてきてございます。また、自動車リサイクルの促進を通じまして、CO2の排出抑制、あるいは気候変動、資源の枯渇、ごみ問題など、さまざまなSDGs課題に取り組んで参りました。さらに、ゼロカーボン社会の実現に向けた取組といたしましても、そもそもリサイクル料金の目的というのが、自動車リサイクルにともなう環境保全のためにお預かりしている資金ということでございますので、脱炭素、あるいは環境保全に貢献したいという思いから2018年にESG投資を開始いたしました。

 公益法人としては先駆け的な取り組みであったと思ってございます。また、ポートフォリオ全体で、約9,000億円ございますので、まだESGの占める比率は限定的ではございます。今後、引き続きゼロカーボン等の課題に取り組んで参りたいと思ってございます。

 

 

荒井執行役員

 横浜銀行の荒井と申します。本日は貴重な機会を頂きまして、誠にありがとうございます。感謝申し上げます。横浜銀行は、先ほど川崎信金様からもありましたけども、一足早く昨年、100周年を皆さまのおかげをもちまして無事に迎えることができました。ただし、昨今の新型コロナ感染症や地球温暖化による自然災害が頻発する中で、やはり持続可能な社会ですとか脱炭素、こうしたことへの関心が大変高まっていると考えております。サステナビリティへの取り組みを非常に重要な取り組みと考えており、次の100年を地域の皆さまと一緒に歩んで、持続的な地域の発展に貢献できるようにやっていきたいと思います。どうぞ本日はよろしくお願いいたします。

             

 

香月氏

 これより先は、ご参加の皆さま方のご意見を拝聴して参りたいと思います。私の方から順にお尋ねいたします。

 まず、川崎信金様は、先ほどお話しされていましたように、まさにお膝元を代表する金融機関でいらっしゃいます。かわさきSDGsゴールドパートナーでもあり、今回のグリーンボンドへの参加も自然な流れかもしれませんが、今回の参加の背景や、取組み、そして、ご地元代表として、いま福田市長もいらっしゃいますので、川崎市さんに期待することでお話をいただければと思います。よろしくお願いいたします。

 

 

堤理事長

 はじめに、今回、川崎グリーンボンドに参加表明した経緯についてでございますが、地域と共にある当庫にとっては、ただいまご案内いただきましたとおり、まさに自然な、当然な流れでございました。冒頭、福田市長からもお話のございましたとおり、昨今、川崎も台風などの自然災害によって大きな被害を受けるケースが多発するようになりました。気候変動の影響が他人事ではなく、川崎が今後住みやすい、そして事業活動を継続することができるまちであるために、カーボンゼロをはじめとした環境への取り組みは“待ったなし”。今すぐ、取り組まねばならないことでございます。地元川崎市が発行するグリーンボンドの投資金が、川崎の環境保全、自然災害対策の一助になればと考え、投資表明することとしたものでございます。

 今回の投資に関連した取組として、先ほどご案内の通り、当金庫はカーボンゼロに向けたさまざまな施策を行っております。今年3月に建替えました百合丘支店は省エネによるCO2削減を追求いたしまして、「ZEB Ready」認証及び建物省エネルギー性能表示制度「BELS」の最高ランクを取得しました。使用する電力は再生可能エネルギー100%のプランを利用し、ロビーの一部には国産木材を使用するなど、環境に配慮した、今後のモデル店舗となっております。

 また、9月に事務センターの屋上に太陽光発電設備を設置し、自家発電を始めます。これは再生可能エネルギーを生み出す取組でございまして、この太陽光発電によって事務センターの使用電力の約9%を賄い、その分のCO2を削減することができます。今後は、建物設備の省エネ化、及び太陽光発電等により再エネを生み出す創エネ、そして、購入する電気は再エネに切り替えるという3つの施策によってCO2を削減して参ります。

 そして、このような自社努力をスピード感をもって進めていくことは勿論のことですが、それ以上に地域金融機関として重要な役割は、こうした取り組みを地域のお住まいの方、事業者の皆さまに広く紹介することと考えております。

 当金庫では、カーボンゼロ普及啓発のため「かわしんと一緒にカーボンゼロ始めてみませんか?」というポップを各支店の店頭に掲示し、地域の皆さまがカーボンゼロに向けた第一歩を踏み出されるようにご案内しております。また、「かわしんカーボンゼロアシスト定期預金」や事業者向け融資商品「かわしんカーボンゼロアシスト2050」等、各種商品をカーボンゼロ商品としてラインナップし、カーボンゼロに向けた取組を進められる地域の皆さまを金融の側面から応援しています。

 最後の川崎市に期待することについてでございますが、カーボンゼロ、SDGsに取り組むにあたって、これまで以上に市のリーダーシップをお願い申し上げたいということでございます。先ほど、お膝元を代表する金融機関と過分なご紹介をいただきましたが、私共、金融機関の力だけでは、カーボンゼロ、SDGsの目標は達成できません。また、行政、地域事業者、各支援機関等がバラバラの方向を向いていては、やはり難しいことと存じます。

 「川崎市SDGsプラットフォーム」がスタートし、カーボンゼロの分野でもこのプラットフォームが推進エンジンの役割を担うものと考えております。市のリーダーシップのもと、多様な主体のパートナーシップ、そして川崎モデルをより高いステージに引き上げ、「かわさきカーボンゼロチャレンジ2050」の目標に近づく具体的な取り組みが次々と生まれてくることを期待しています。その際の協力はなんなりとおっしゃっていただければ、川崎信用金庫は一緒に取り組んでいきたいと思います。以上です。

 

 

香月氏

 続きまして、環境再生保全機構様は、環境分野の政策実施機関であるとともに、川崎市地元の投資家としての顔もお持ちでいらっしゃいます。川崎市様が2006年に初めて“環境配慮型”ミニ公募債を発行されたときにも参加表明を出されました。今、投資表明は普通に行われるようになりましたが、まさに御機構が投資表明の先駆けだったと思います。今回、川崎市が政令市として初めてグリーンボンド発行されたわけですが、昔から見ていらっしゃるお立場から、それに対する思いでありますとか、川崎市に期待することなどお伺いできればと存じます。

 

 

小辻󠄀理事長

 先ほど、福田市長からもお話がありましたけども、川崎市さんの温室効果ガスの排出削減、本当に大変積極的に取り組んでおられると思っております。政令市初となる今回のグリーンボンドにつきましても、当機構の経営理念に照らしまして、環境・社会課題にかかる、わたくしども、債券取得基準というものがございますけども、それを満たしているということで、その趣旨に十分賛同できるということから購入に至ったということでございます。なお、今回の購入資金でございますが、わたくしども機構の公害健康被害予防基金というものがございまして、その運用益でもって予防事業を行っておりますけれども、その大気汚染の影響による健康被害の予防に寄与するための喘息等の発症を予防ですとか、機能回復のための各種事業というのは川崎市さんとも一緒に行っているものです。

 環境債に注目が大変集まっておりますが、川崎市さんのスピード、あるいは積極果敢なチャレンジ精神、また、揺ぎない行動力というのは、私ども大いに見習うべきものと思っております。本日のお集りの皆さまと同様に、川崎市さんとの絆をさらに深めることで地域の活性化に貢献する、これはSDGsにも通じるものかと考えております。昨年11月には、川崎市さんが他の政令市に先駆けて策定されました脱炭素戦略である「かわさきカーボンゼロチャレンジ2050」に川崎市にゆかりのある304の事業者団体とともに私共も参加をさせていただきました。また、川崎市さんが主催をされる「川崎国際環境技術展」の実行メンバーとして、川崎市における地球温暖化防止対策に向けての取組にも参加させていただいております。今年は11月に開催される第14回の川崎国際環境技術展の一環として、市内の小学校2校で環境問題についての課題解決であるとか、SDGsについて一緒に考える、環境出前授業を行うことになっております。これは未来を担う子どもたちにツケを回さないんだ、という意気込みで取り組んでいるところでございます。政府と地方自治体で策定された地域脱炭素ロードマップには、地方から始まる次の時代への移行戦略というキーメッセージがついていますけども、地域脱炭素は地域課題を解決して、地域の魅力と質を向上させる、地方創生にも貢献するものと考えます。

 今後も川崎市さんとエンゲージメントを高めて、信頼性の構築と脱炭素に向けて、開かれた対話を中長期的に、サステナブルに継続していくことで、川崎市と環境再生保全機構の相乗効果を生み出して、未来を切り開く日本を前にすすめ、より良い地球環境と世界の実現をめざしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

香月氏

 JARCさんと言えば、債券市場では、グリーンボンドの投資家としてかなり早い段階から存在感をお持ちだったわけですが、この度、グリーンボンドへ投資した経緯、川崎市との繋がりや、川崎市に期待することなど、ご紹介いただけますでしょうか。

 

 

大久保CFO

 過分なご評価ありがとうございます。まず、今回の川崎市グリーンボンドへ投資した経緯でございますが、事前に川崎市さんの方へリサーチもさせていただいております。そのうえで、ポイントとしては2つございます。1点目は、川崎市様が長期的なビジョンを示されたうえで、明確な資金使途を定められて、発行されているという点でございます。資金使途に関しましては、特に水害リスクに対する地域防災の向上という点に注目しております。近年ご紹介の通り、世界的に気象変動リスクが高まっておりまして、国内でもさまざまな災害が発生しておりますけども、当財団の業務に関係するところでも水害が頻発して、自動車が被害にあうというようなことが起きてございます。そういった意味も含めて、気候変動の問題は喫緊の問題であるということに共感させていただいているところでございます。こういった点が1点目でございます。そして2点目は、今回発行されたグリーンボンドがICMAのグリーンボンド原則、並びに環境省のグリーンボンドガイドライン、その両方に適合されているということに加えて、環境改善効果に関するインパクトレポーティング、これが十分に期待できる、といったところを考えて、判断させていただいたというところでございます。

 また、政令市で初めて発行されたということですけども、先ほど市長からもご紹介がございましたように、いろいろご苦労があった中で、先陣を切って取り組まれたというところにも強く共感させていただきました。川崎市さんの取組、あるいはESG債券市場の活性化に微力ながら貢献できればと考えて、判断させていただいたということでございます。

 続きまして、川崎市様と当財団の事業との繋がりというところでございますけども、手前どもの使命である自動車のリサイクルを適正にオペレーションしていくためには、やはりいろいろな関係の皆さまと連携が必要となります。そのなかでも、やはり自治体のご協力なくしては、うまく進まないという事情がございます。例えば、公道に放置されている自動車を処理する場合、自治体のご協力が欠かせません。川崎市様におかれましても、自動車リサイクルを推進していくにあたってですね、ホームページで自動車リサイクルに関するさまざまな情報を掲載していただいていたり、手前どものホームページをリンクで貼っていただいたり、非常にお世話になっておりますので、この場をお借りして、感謝を申し上げたいと思います。

 最後に川崎市様に期待することですけども、まず、環境の分野におきましては、当財団に関連する自動車で申し上げますと、川崎市様の方で廃棄物発電を活用したEVのごみ収集車をはじめて導入されたと伺っております。ソーシャルの分野でも、食品ロスの削減にもお取組しておられ、フードドライブといった取組をしておられると聞いてますけども、今後、各自治体の模範となる、リーダーとなるといったところで、取組の期待をしているところでございます。

 また、今回、かわさきカーボンゼロチャレンジ2050を掲げられてらっしゃいますけども、そのなかでも中間目標地点として2030年マイルストーンを設定されていると伺っておりますので、2030年時点での削減効果がどういった形で公表されるのか、これについては大変注目して、見させていただきたいなといったところでございます。以上でございます。

 

 

香月氏

 それでは最後に横浜銀行様にお願いしたいと思います。御行は言うまでもなく日本を代表する地方銀行でいらっしゃって、グループとしてCSRやSDGsへの積極的な取り組みを表明されていらっしゃいますが、同じように、今回川崎市グリーンボンドへの参加の経緯、御行の取組、そして期待といったことをお伺いできればと思います。よろしくお願いいたします。

 

 

荒井執行役員

 今回のグリーンボンドにつきましては、かわさきカーボンゼロチャレンジ2050の取組の一環ということでありまして、2050年のCO2の排出実質ゼロを目指していく、というお取組である、ということは、後ほど申し上げますけども、私共の長期の目標とも合致するところでございまして、地元金融機関として、この目的等も含めて、高く評価をして投資させていただいたという経緯でございます。特に今回驚いたのは、政令指定都市では初というところでしたけども、14倍という非常に高い需要が集まったということで、やはり投資家がこういった取組に対して、非常に高い関心を持っていることだったと考えております。

 私共の取組を少しご紹介させていただこうと思います。先ほど、申し上げた通り、サステナビリティへの取組というのは、まさに足元で非常に重要となっている中で、私共は本業の金融機能を通じて社会課題を解決していくということと、地域の一員として地域貢献活動に取り組むことで、社会の持続的な発展に貢献していく、こういったことを掲げたSDGs方針というのを定めております。そのなかで、具体的に目標を定めました、サステナビリティ長期KPIというものを策定しておりまして、このKPIというのが、例えば、2030年度までに、サステナブルファイナンス、これは投融資になりますけども、この実行額を2兆円、それからCO2の排出量を50%削減、再エネの利用比率を60%、金融教育を受講いただく人数を10万人ということを具体的に掲げ取り組んでおります。そして、さらには2050年までにはカーボンニュートラルの実現を掲げて取り組んでおります。

 また、本業を通じた社会課題の解決に向けた取組では、地域の企業が取り組む、ESG目標の達成度合いに応じて金利を引き下げるローンですとか、資金の使い道を環境の改善であるとか社会課題の解決にお使いになるローン、こういったことを今年度から取り扱いを始めております。それと、川崎市様の環境局の方で作成をしていると聞いておりますけども、中小企業の方々が脱炭素に取組めるようなガイドブック、こちらの方も、私共のグループである浜銀総合研究所が微力ながらご支援させていただいているといった経緯もございます。

 さらに、今年の2月でございますが、横浜銀行川崎支店である横浜銀行川崎ビルを開設しております。もし、お近くを通った際にご覧いただければと思うんですけど、建物の南側に縦型のシャフトがありまして、そこから取り込んだ太陽光、これでビルを温めて、建物全体を自然換気するような、環境配慮型の建物を開業しております。このような中で、川崎市様とは2018年に地域経済の持続的な発展を図るといった目的から、産業振興に関する連携協定といったものも締結させていただいており、今後とも、これまでもそうですけども、持続的な地域の成長に資する取組を行って参りたいと思います。こうしたなかで、今回のグリーンボンドの発行をはじめ、総合計画、それからSDGs推進方針のもと、非常に積極的な取り組みを展開されている川崎市様に対してましては、やはり今後とも先進的な取り組みを非常に期待したいと考えております。

 また、そうした取り組みの中で、私共も地元金融機関として微力ではございますけどもサポートさせていただきながら、地域の持続的な発展に貢献していきたいと考えております。以上でございます。

 

香月氏

 ありがとうございます。最後に市長からコメントをお願いしてもよろしいでしょうか。

 

 

福田市長

 皆さま、それぞれコメントいただきまして、本当にありがとうございました。皆さまの脱炭素に向けたお考え、お取組みに、改めて刺激を受けさせていただきました。また、大変期待をされている、先進的な取り組みを川崎市に期待されているということに改めて、身の引き締まる思いがいたしました。本当にありがとうございます。

 そして、その気持ちに応えるような取組み、計画、そして実行というものを確実にやっていきたいと思っています。また、需要倍率が14倍という非常に高倍率になった、あるいは、先ほどご紹介あったように、SDGs債、グリーンボンドを含めた発行が、これだけ急速に伸びているというのは、やはり金融に世の中を変える力があることを改めて強く感じています。また、今回のグリーンボンド発行を通じ、すごい期待もあるんだなということも感じましたし、その結果をしっかり出していきたいと思っています。

 これからさらにグリーンボンドを発行していきますが、その発行規模ですとか、年限だということには、さまざまご意見いただいておりますので、もっと柔軟に考えていきたいと思っております。

 そしてもう一つ大事なことは、やはり財政の健全性というのは、投資家の皆さま大変関心の高いものだと思いますので、私どもの財政の健全性と脱炭素への取組み、環境の維持というもの、持続可能な社会というものを両方、財政も環境も、両方持続可能でなければいけない、と思っていますので、そういったところの取組はしっかり行っていきたいと思っております。いずれにしてもさまざまなご意見をいただいて、大変参考になりましたし、次に活かして参りたいと思っております。本当に、貴重な意見をいただきましたことに心から感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。

 

 (閉会)

お問い合わせ先

川崎市財政局財政部資金課

住所: 〒210-8577 川崎市川崎区宮本町1番地

電話: 044-200-2173

ファクス: 044-200-3904

メールアドレス: 23sikin@city.kawasaki.jp

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