災害時にアスベストから身を守るために
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アスベスト(石綿)は、繊維状けい酸塩鉱物の総称です。
その繊維は極めて細かいため、吸入すると肺の奥深くまで入り、また、代謝を受けにくいことから長期間にわたり体内に留まります。
その結果、約15年から40年の潜伏期間を経た後に、肺がんや中皮腫などの病気を引き起こす恐れがあると言われています。
一方で、耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性、絶縁性等の特性に優れているため、その有害性が認識されるまでは、建築材料(断熱材、保温材、耐火被覆材等)として多くの建築物に使用されてきました。
災害の発生により建築物の損壊等が起こると、アスベストが外部に露出し、飛散する恐れがあります。災害時にアスベストから身を守るため、日頃から準備しておきましょう。

災害時に備えて準備しておくこと

1 アスベストの外観や飛散性を知る
アスベスト含有建材は、「吹き付けアスベスト」「アスベスト含有断熱材・保温材・耐火被覆板」「アスベスト含有成形板」の3つに区分できます。
それぞれの外観や飛散性(飛散性が高いほど吸入のリスクが高まります)を知ることが、災害時にアスベストから身を守ることに繋がります。

吹き付けアスベスト




アスベスト含有断熱材・保温材・耐火被覆板




アスベスト含有成形板



<出展:目で見るアスベスト建材(平成20年3月 国土交通省)外部リンク>
【飛散性】比較的低い。ただし、破砕や切断をした場合は飛散する可能性がある。
【使用箇所】屋根材、内壁材、外壁材、耐火間仕切り、床材、天井材 など

2 防じんマスクを用意する
アスベストを吸入しないよう、防じんマスクを用意し 、着用方法を確認しておきましょう。(参考:正しく防じんマスクを装着しましょう(環境省ページ)外部リンク)
損壊した建物にはむやみに近づかないこと、アスベストの可能性があるものには触れないことが基本です。
やむを得ず損壊した建物に近づく場合には、必ず防じんマスクを着用しましょう。

ビルの所有者又は管理者の皆様へ
災害の発生により所有又は管理しているビルが損壊した際、当該ビルからのアスベスト飛散等を防ぐため、日頃から次のとおり準備しておきましょう。

アスベストの使用箇所を把握しておく
ビルのどこに、どのようなアスベストが使われているかを、設計図書や目視等により把握しておきましょう。
これにより、災害時に迅速な対応をとることができます。

シートを用意しておく
応急措置として、ビルの損壊箇所やアスベスト露出箇所をシートで覆うことで、アスベストが周辺に飛散するのを抑制できます。

ロープを用意しておく
飛散防止のための応急措置が行えない場合には、アスベストへの曝露を減らすため、ビルの周囲をロープ等によって区切り、立入禁止としましょう。
その際、周辺住民等への情報提供のため、アスベストの露出がある旨などの掲示を併せて行いましょう。
なお、損壊したビル付近で作業をする際は、必ず防じんマスク等保護具を着用するとともに、アスベストには直接触れないように十分注意しましょう。
関連記事
- 目で見るアスベスト建材(国土交通省ページ)外部リンク
アスベストの使用例や外観などが掲載されています。
- 正しく防じんマスクを装着しましょう(環境省ページ)外部リンク
防じんマスクの装着方法が記載されています。
お問い合わせ先
川崎市環境局環境対策部環境対策推進課
住所: 〒210-8577 川崎市川崎区宮本町1番地
電話: 044-200-2526
ファクス: 044-200-3921
メールアドレス: 30suisin@city.kawasaki.jp
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