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獅子舞(小向の獅子舞)

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獅子舞(小向獅子舞)

小向の獅子舞

保存団体

小向獅子舞保存委員会

指定

県指定無形民俗文化財

平成13年2月13日指定

解説

 一人立獅子舞。ここの獅子舞は享保年間(1716~36年)に、この地の旧家高橋七兵衛宅から出た僧が伝えたという。その僧は顕妙院日義上人といった。

 9月18日、19日の八幡大神(幸区小向)の例祭に舞われたが、最近は8月第1日曜日に舞われている。宵宮の時、練り込みといって町内をめぐる。練り込みは子供たちが台車を引き、その台車が行列の先頭にたつ。台車には太鼓をのせる。台車につづいてささらを摺る少女が続く。ささらに続き、榊を持ち三宝を持った長老・弓張提灯が続く。途中、氏子の人々が三宝に賽銭を入れたりする。先導者は賽銭を出した人々を祓う。次に仲立2人がつづき、大獅子・女獅子・中獅子が従う。獅子につづいて、笛数名が従い、最後に弓張提灯の2人がつづく。

 練り込みの時には道行の曲を奏する。囃子は大太鼓・笛・ささらで、獅子は羯鼓を打つ。道行曲の外に「入端の吹っかけ」「岡崎の吹っかけ」などを奏する。

 八幡大神の祭り以外に神社・寺院の落成式などにも舞われる。大獅子は初山の剣獅子にあたり、中獅子が巻獅子、女獅子が玉獅子にあたる。仲立ちが天狗役である。ささらを摺る少女は初山・菅にはでないが、関東各地の一人立獅子舞には花笠をつけた女装のささらがでる。

 小向の獅子舞は肘をはり、体を左右に動かし、手を振るように回し、中腰で浮き沈みし、飛び跳ねて舞うところが多い。初山の獅子舞は地を這うような所作が多く、菅の獅子舞は頭を振る所作が多いように思う。それぞれ特色を意識して、こうした違いが生まれたのであろうか。これらの特色はそれぞれ獅子舞の特色を強調した表現といえよう。菅・初山・小向の獅子舞はともによく似ているが、所作にそれぞれ相違が見られ、歌にも少しずつ出入があり、或いはそれぞれの舞にない歌があったりしている。長い間に、途中で他の風流歌をとり入れたりすることがあったのであろう。3ケ所が全く同じというよりも、相違点があったりする方が、その芸能の歴史を知ることが出来て興味深い。