3.1 アンケート調査等実態把握
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子どもの権利委員会の自己評価
子どもの権利委員会による施策の検証制度は、再三述べているように、子どもに関する施策について子どもの権利の視点から検証するものであり、しかも単なる第三者評価ではなく、委員会・行政・市民によるパートナーシップに基づいて検証するという全国で初めての取組でもある。第1期権利委員会としては、その視点や手法を丁寧に検討し、その検証の全体像をつくりあげていくことができた。
この検証の過程は、川崎の現状を踏まえた上での条例についての理解、実施のあり方等についての委員間、行政間、委員会と行政・市民間の意識の共有化の過程でもあった。
ここでは、第2期権利委員会への「引き継ぎ」、及び行政職員、市民のみなさんによる委員会活動の評価のための素材提供も視野に入れ、第1期権利委員会の活動についての自己評価を行う。なお、全国初の取組ということもあり、課題が多いのは当然のことなので、ここではあえて「成果」を強調している。

アンケート調査等実態把握

成果

子ども、おとな、職員対象のアンケートの内容と方法
- 子ども、おとな、職員のアンケート調査は、権利条例策定後の市民の意識を知る上で、貴重であった。アンケート調査を通して、子ども、おとな、職員の意識のずれ、関心度や理解度などを把握できた。また、調査自体が条例の啓発にもつながった。
- アンケート項目は、3年ごとの実態・意識調査事項と第1期のテーマの調査事項という2部構成にして、比較と委員会の検証の両方に役立つようにした。
- アンケート方法として、とくに子どもは無作為抽出の郵送方式にしたことにより、自由記述も多く、子どもの声を知ることができた。
- 臨時委員の配置については、アンケート調査での権利委員会の分析作業がはかどるなど効果的であった。

マイノリティに対するヒヤリング
- マイノリティの子ども、とくに外国人の子どもへの個別面談は、日ごろの活動を通して把握している実態と類似し、人数は少なかったが、かなり正確な情報をつかむことができた。
- 児童養護施設や一時保護所の子どもから施設内での子どもの生活や参加の権利について直接話を聞き、実態をかなり把握することができ、その後の評価の参考になった。

調査の分析等
- アンケート結果は、施策の検証時に基礎データとして活用できた。
- 子どもの権利について、川崎の子どもの現状が把握でき、かつ調査結果については普及啓発に役立つデータが得られた。子ども参加に関して、その特徴や意義、障がいとなる問題などが浮き彫りにされて貴重なデータとなった。

課題

アンケートの内容と方法
- アンケート項目に関しては、子どもが回答できる分量、とくに子ども対象の調査票の言葉遣い、誘導にならないようにする設問の仕方など、引き続き検討が必要である。
- アンケート項目の「参加」の部分では、学校での子どもの参加と地域など学校以外での子どもの参加とでは条件整備や支援のあり方には違いがあるがその比較の視点が弱かった。
- 子どもが調査の受け手のみという発想は今後見直していく必要がある。少なくとも、調査の質問項目の作成過程、分析作業、ヒヤリング過程などにおいて、今後は子ども自身が何らかの形で参加することを検討する。
- 臨時委員の役割と作業範囲等について、アンケート実施前に十分に検討しておく必要がある。
- 臨時委員を含め調査作業に伴う人材確保を計画的に行う必要がある。

マイノリティについての調査
- 多様な文化的な背景を持つ子どもについては、国別、地域別、年齢別に継続調査することが望まれる。また、親の調査ができれば、問題把握も深まるのであろう。
- 障がいのある子どもに関しては、さまざまなケースがあるため、それに応じてより丁寧な調査が必要である。
- 児童養護施設や一時保護所の子どものアンケート項目に基づくヒヤリング調査は、その数が少ないため、統計的な評価が難しいところがあるので、その実態把握については、子どもたちの状況に応じた別の方法を検討する必要がある。
- 参加しにくい子どもへのヒヤリング調査の範囲について、今回のように、親が外国人の子ども、障がいのある子ども、児童養護施設等に入所している子どもだけでいいのか、さらに検討が必要である。

調査の活用
- 調査結果の最終報告までに調査後1年以上かかったことから、調査結果の公表及び調査結果から求められる対応を早期に行うことが望まれる。
お問い合わせ先
川崎市こども未来局青少年支援室
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