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第1章 第1期子どもの権利委員会の役割と活動

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2004年11月8日

コンテンツ番号5693

1 子どもの権利委員会の役割と活動

 子どもの権利委員会の役割は主に次の2つである。一つが子どもの権利にかかわる施策の基本的な指針となる行動計画の策定にあたって意見具申を行うことであり、もう一つが市長の諮問に応じて市における子どもの状況や子どもに関する施策について子どもの権利の視点から検証を行うことである。第1期子どもの権利委員会は、子どもの参加について諮問を受けた。行政や市民(子ども、おとな)の意見を聴きながら検証作業を行い、その結果を市長に答申することで、川崎の子どもの権利保障をより推進していこうというものである。
 市の子どもの権利に関する施策の検証は条例第39条に規定された順序に従い行った。
 その前段として、市の子どもが置かれている権利状況や子どもの参加に関する実態や意識を把握するため、子ども(4,500人、内訳11~12歳、13~15歳、16~17歳各1,500人)、おとな(18歳以上、1,500人)、職員(1,086人)に対して無作為抽出によりアンケート調査を行い、またマイノリティの子ども(障がいのある子ども33人、親が外国人の子ども22人、児童養護施設、児童相談所一時保護所の子ども29人)については別途ヒアリング調査等を行った(詳細は「川崎市子どもの権利に関する実態・意識調査報告書」参照のこと)。その結果を踏まえて、子どもの参加に関する調査・評価項目を設定、調査・評価票を作成し、市に記載を依頼した。行政に対して自己評価項目ではなく、調査・評価項目として提示したのは、子どもの参加の実態をまず客観的に把握した上で評価したいという意図があったからである。その後、報告を受けた「子どもの参加に関する施策評価結果」を市民に公表し、意見を求めた。
 各担当部課の職員とその調査・評価結果をもとに対話を行った。さらに子ども、意見を文書で寄せていただいた市民(おとな)との対話、学校現場の教師との対話を続け、あわせて7回の対話を行ってきた。委員会にとっても、対話手法についてなんらかのノウハウがあるわけでもなく、とくに子どもとの対話については試行錯誤の連続であった。市政だよりやちらしなどで広報をしたが、「子どもの権利委員会と子どもの権利施策について対話を」と子どもに呼びかけてもなかなか子どもは集ってはくれない。そこで、2、3回目は子どものいるところへ出かけて直接参加を呼びかけることとなったが、対話の手法自体も改善を図っていかなければならないと痛感している。小、中、高校生と各々人数は少ないにしても得るところの多い有益な話合いとなった。
 子どもの権利委員会は任期3年であるが、そのうち2001年9月に設置されてから約2年間子どもの権利状況調査と「子どもの参加」について検証をしてきた。委員会を月1回ペース、幹事会、調査委員会等を別途月1回以上開催し、その会合の開催回数は延67回にも及ぶ。検証作業自体先例がなく手探りのなかで、各委員が行政職員、市民(子ども、おとな)それぞれの率直な意見に耳を傾けるとともに、それぞれの専門性を生かしながら真剣に審議してきたところである。この委員会が行った子どもの権利の視点から行政施策を検証する活動自体が全国でも画期的なことでもあり、委員会の基本姿勢として施策を実施した成果(効果)を洗い出すことに重点をおいた。また、同時に課題を整理し、行政が取り組みやすいように、子どもの権利保障につながっていくための指針となるものを提示するよう心がけた。

2 第1期委員会の検証の目的と留意点

 本委員会は、この子どもの参加の検証を通じて次の二つを獲得することを目的とした。一つは子どもの参加の権利に対する職員、市民(子ども、おとな)の関心と理解を得、子どもの参加の権利の認知度を高めることである。
 子どもの権利に関する実態・意識調査では、子どもの参加の権利に対する認識は他の条例上の権利に比較して子ども、おとな、職員とも最も低く(子ども10.6%、おとな11.0%、職員8.5%)、検証過程で行う調査・評価、対話等を通じて子どもの参加の権利についての意識を喚起することを期待した。子どもの参加の権利について理解が進むことは子どもの権利に対する認識が深まり、子どもを権利の主体ととらえる子ども観が浸透するということでもある。
 子どもの参加の権利として、表現の自由、意見表明権、集会・結社の自由、適切な支援を受ける権利がある。子どもは意見表明・参加を通して権利主体として自らを作り上げ、また、おとなから庇護されるだけの子どもとしての関係から、おとなから支援を受けながらもおとなとパートナーとしての関係性を築いていくことができるのである。さらに、新たに子どもが参加することにより、施策や事業がより質の高いものに転換していく可能性が広がっていくのである。
 この検証過程を通して獲得したい目標の二つ目は、この検証が子どもの参加の権利保障の視点を施策全般に導入する契機となり、かわさきのまちづくりの新たな展望へとつながっていくことにある。おとなのパートナーとしての子どもの最善の利益が地域において優先的に図られ、その意見が尊重されなければならない。子どもが生活する場、地域で子どもの意見表明・参加が推進されることで、ユニセフも提唱している「子どもに優しいまちづくり」へと質的転換が図られることになる。
 子どもの参加という視点から施策を検証するにあたって、具体的には次の三点に留意した。一点は、子どもの参加を促進するための条件整備等の課題を明確にすることである。子どもの参加は、参加システムをつくることだけで終わらないし、単にシステムをつくっただけでは機能しない。子どもが参加しやすくなるためのさまざまな条件を整備し、子どもが意見表明できるようさまざまな工夫や配慮をするなど子どもの主体的な参加を支えていくことがおとな側に求められる。ただ、行政ができる限界もあり、その守備範囲を踏まえたうえで行政課題として考えられる点を明らかにする。
 二点目は、子どもの参加の行政手法の改善・発展につながる具体的な方策を現場から掘り起こすという点である。子どもの参加のための手法については、学際的研究が進み、理論的蓄積がなされているとは言いがたい状況にあり、行政のなかでも始まったばかりで、まだまだ試行錯誤の段階である。条例事業で行われている子どもの参加の支援策を具体的に検証するなかで、現場で子どもの参加をさらに促進するために求められる視点や手法等を提示することである。
 三点目には子どもの参加によって得られた成果・効果を把握し、確認することである。子どもが参加し、意見表明をすることで、子ども自身が力をつけていったり、おとな、職員が子どもの見方・捉え方を変えたり、また事業そのものが質の高いものに向上しているというような効果(子ども、おとな、職員のエンパワーメント、事業執行上の効果)を点検することで、子どもの参加の有用性を確認し、あらゆる施策・事業への子どもの参加の可能性を拓いていくことにある。

3 検証の方法

 子どもの参加の視点から施策を検証するにあたり、まず対象となりうる事業を、(1)条例事業、(2)施設の運営に関わる事業(育ち・学ぶ施設、子どもが利用する施設)、(3)子どもの権利保障を目的とした事業及び主に子どもを対象とした事業、(4)子どもが生活する場、地域のことなどについて子ども自身の意見を取り入れることが可能な事業の4区分にわけ、(3)及び(4)の事業については行政に該当する事業の洗い出しから始めてもらった。
 条例事業として、子どもの権利の日事業、権利学習資料作成、権利学習講師派遣事業、子どもの権利についての広報、市子ども会議、子ども夢パーク、学校教育推進会議について調査審議を行い、また、施設の運営に関わる事業を検証するにあたっては、学校、児童養護施設については現場に出向きヒアリング調査等も実施したうえで審議を重ねた。委員会では、(1)条例事業、(2)学校・幼稚園、保育園、児童養護施設、(3)こども文化センター及び主に子どもが利用することが想定されている施設、(4)共通事業((1)(2)(3)以外で子どもが参加している事業)について調査・評価項目(個別の事業の実態把握項目、参加支援・条件整備、子どもの参加の「効果」、今後の課題・方向性)について具体的質問項目を入れ込んだ様式を作成して市に提示したが、この様式は検証のための具体的な視点を書面にしたものである。
 この検証過程で、担当課職員、とりわけ子どもの権利施策推進部会(注1)の職員の方には子どもの権利委員会に毎回出席を願い、意見を聴いてもらい、またその幹事会にも毎回出席してもらって、個別事業の制度と運用の実態をめぐり踏み込んだ議論を行ってきた。委員会が考える方策が制度及び運用面で実現可能なのかどうかを確認する意味でも大変有益であった。

*注1「子どもの権利施策推進部会」
 川崎市人権・男女共同参画推進連絡会議要綱第6条第6項に基づき、川崎市人権・男女共同参画推進連絡会議幹事会の下に、5局13課の職員により構成されている。[1]子どもの権利に関する行動計画の策定 [2]子どもの権利委員会による施策の検証等 [3]子どもの権利の日にかかわる事業、などについて協議等を行っている。

4 本答申の基本的な姿勢

 この答申は、次の点を基本にして作成している。第一点は、検証結果(アンケート調査等も含む)から見えてきた課題に対する提言を主な内容としている。第二点として、子どもの参加の成果・進展部分をきちんと評価しつつ、子どもの権利条例に基づき各行政部署でさらには市全体で取り組み始めた子どもの参加に関する施策・事業を促進するよう提言している。そして、第三点として、検証結果をふまえつつ、子どもの権利条例の趣旨をいかし、子どもの参加をさらに推進するためのしくみづくりなどについても提言をしている。また、この提言は、中・長期的な課題に関する提言、個別の施策・事業に関する提言及び参加しにくい子どもへの支援に関する提言から構成されている。中・長期的な課題に関する提言については、今後、市の内部で提言内容に沿った方向で検討されることを期待するものであり、個別施策・事業に関する提言については、基本的には現実的な実行可能と思われる方向性を掲げたつもりである。

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