旧船越の舞台

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2006年8月30日

旧船越の舞台

旧船越の舞台 1棟

建築年代

江戸時代〔安政4年(1857)〕

規模

(舞台及び背面 楽屋)
 桁行 11.8m
 梁行 10.8m
(側面楽屋)
 桁行 5.3m
 梁行 7.3m
(左右出語り)
 桁行 1.8m
 梁行 1.8m

構造形式

(舞台)
 正面 入母屋造、背面切妻造、桟瓦葺(一部本瓦葺)
(側面楽屋)
 切妻造、桟瓦葺
(出語り)
 片流れ、桟瓦葺

所有者

川崎市

所在地

多摩区枡形7-1-1(日本民家園)

指定

重要有形民俗文化財 昭和51年8月23日指定

解説

 船越の舞台は、三重県の英虞郡船越村(現志摩郡大王町船越)の船越神社境内に建てられた歌舞伎舞台である。船越村は志摩半島の南端、複雑な海岸線を持つ英虞湾の奥に天然の良港を抱く、典型的な漁村である。地芝居や買芝居を演じるためのこうした舞台は幕末期から明治にかけて多く造られ、現在でも各地に存在するが、その多くは農村のものであって、船越のような漁村の舞台は珍しい。
 船越神社の祭礼は毎年旧の6月14日で、その前後の13日から15日にかけて、氏神様に芝居を奉納するのが慣例となっていた。そのために用意されたのがこの舞台で、現在のものは安政4年(1857)の建立である。
 船越の舞台はこの種の建築としてはかなり規模が大きく、設備も整っている。舞台は間口6間、奥行5間とかなり広く、中央には直径5.4mの回り舞台を備える。そして舞台下の奈落には舞台回しのための装置が設けられている。回り舞台の構造は当初の形式の詳細が不明なので、移築前の状態を踏襲している。舞台の上方にはブドウ棚、ワタリなどの舞台機構も設けられている。
 正面からみると舞台の右手(上手)と左手(下手)に1坪ほどの出語りが張り出している。
 これは上下2段になっていて、右手は下部が囃場で上部が太夫座、左手は下部が小道具入れで上部が花座(勧進元の座)である。楽屋は舞台の左手と舞台の背面の庇部分、及び舞台の後半2間分の上部に造られた中2階がこれにあてられた。
 舞台は妻を正面に見せた入母屋造で、大棟の端部には鰭に籠彫様の菊水の文様をあしらった見事な鬼瓦を乗せる。「若」と刻んだ胴の部分は当初のものが失われていたので、移築にあたって愛知県犬山市今井の石作神社の舞台(安政2年)のものにならって新調された。出語りは、右手の太夫座は唐破風、左手の花座はそれより簡素なむくり破風の切妻屋根を付け、ともに細かい出格子窓を設ける。この出語りの存在が舞台に華やいだ雰囲気を添えるのに大いに役立っている。花道は当初のものは失われて旧状が不明なので、移築前の状態にならっている。
 以上のように、船越の舞台は村方の歌舞伎舞台としては規模・内容ともに充実しており、またその由緒等も明らかな貴重な民俗文化財である。

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