菅の船頭小屋
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菅の船頭小屋 1棟
附
道標 2基
建築年代
昭和4年(1929)
規模
桁行1.8m、梁間1.8m
構造形式
招き屋根、杉皮葺
所有者
川崎市
所在地
多摩区枡形7-1-1
川崎市立日本民家園内
指定
市重要歴史記念物 平成7年(1995)1月24日
解説
この船頭小屋は、もと多摩川の「菅の渡し場」にあり、船頭が客を待ち、川の見張りをしたり休憩するのに用いていた。菅の渡しは、多摩川右岸の菅と対岸の調布を結ぶ渡し場であり、商品作物の輸送、肥料や日用品の仕入れ、親戚や寺への往来など、生活圏を共通する流域の人々が、その交流のために設けたものである。
船頭小屋は1間四方の小規模な建物で、軸部は玉石の上に土台を井桁に組み、杉の角柱を四隅に立てて貫で固めている。屋根は正面に腕木を出して小庇を造り、背面を片流れとした招き造りにして、杉皮葺である。正面に腰高障子2枚を建て、ほかは堅羽目の上に化粧の目板を打った板壁とし、その前の土間に石組の囲炉裏を切り、両側の壁際に取り付けた板に腰掛けて暖をとった。なお、柱の外側に取り付けてある鉄の輪は、出水の際に、そこに丸太を通して小屋を担ぎ、移動させるためのものである。
船頭小屋は昭和初期の建物であるが、川崎市内における、かつての渡し場の様子を伝える唯一の遺構として重要である。
なお、道標は出水の際に度々移されたことから、当所の位置を定めるための傍示的な意味もあり、併せて、銘文からも菅の渡船場の存在を窺わせる関連資料として重要である。
菅の船頭小屋梁間断面図
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