根岸古墳群
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第4号墳

地図

解説
小田急線向ケ丘遊園駅の西方約700m、多摩川の沖積低地に臨む細長い丘陵の上に、この古墳群があります。標高は約56mで、山林の中を通る小道から見ると、こんもりと盛り上がった5基の古墳を見つけることができます。この古墳群は所在地の字名をとって、根岸古墳群と呼ばれています。
5基の古墳のうち、東端に位置する第1号墳は、直径11.5m・高さ1.6mの円墳で、丘陵先端部の斜面に築かれています。第2号墳は第1号墳のすぐ西側にあり、直径11.3m・高さ1.6mを測る円墳です。これら2基の古墳から約35mほど離れた丘陵の南斜面に、第3・4・5号墳がまとまっています。第3号墳は、東西径約14m・南北約14.8mで、高さが1.8mの楕円形をした円墳です。この古墳は急な斜面の上に築かれており、自然の地形を巧みに利用して、実際よりも大きく見せる効果をねらっているようです。第4号墳は、第3号墳のすぐ北側に接するように築かれています。
東西径約18.5m・南北約19m、高さ2.2mを測る円墳で、5基の古墳の中では最大のものです。第4号墳の西側に隣接して、第5号墳が築造されています。直径10mで高さ1.1mほどの小規模な円墳です。これらの古墳には、葺石(ふきいし)や埴輪(はにわ)などの外部施設はまったくなく、周溝(しゅうこう)もめぐらされていなかったようです。
また、昭和26年(1951)、県道拡張工事に伴って、2基の古墳が発掘調査されました。木棺(もっかん)を納めた古墳の内部主体は礫槨(れきかく)で、副葬品として須恵器(すえき)・直刀の破片・玉類などがあったようです。
この古墳群は、先の調査で出土した遺物の年代や、小円墳が多くまとまる群集墳という形態をとっていることから考えると、7世紀後半から8世紀頃にかけて築かれた古墳時代終末期の古墳群であろうと思われます。
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