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政策課題14年度海外A

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重工業地帯の再生と創造~もうひとつの「都市再生」~

研究目的

報告書

 日本の高度経済成長を支えてきた京浜臨海部には、石油、鉄鋼、電気、自動車などのさまざまな企業が集積し、世界最先端レベルの研究開発機能も集積していますが、近年、世界規模で進む産業構造の転換の影響をうけ、200haを越える土地の遊休地化が進むなど産業の空洞化が懸念されています。
 一方、臨海部の活性化を阻害していた工場等制限法が廃止され、都市再生特別措置法や構造改革特別特区等の諸制度の導入など、民間活力の導入により地域再編整備をめざすう誤記も活発になってきています。
 そこで、本研究では、臨海部の現状と課題を踏まえた上で、海外(イギリス・ドイツ)の事例調査を通じて、本市の諸施策の一助となるべく提言を行うものです。

研究内容

 かつて繁栄を支えていた産業の衰退により荒廃した地域を再生させたイギリス・ロンドンのドックランド再開発計画及びドイツ・ノルトラインヴェストファーレン州(ルール工業地帯)のIBAエムシャーパーク計画について調査を行いました。両計画とも、資金面、人事面で政府(ドイツは州政府)との結びつきをもつ独立した組織が、限られた期間・職員でプロジェクトを実現させています。
 イギリス・ロンドンのドックランド再開発計画の組織(LDDC)では、中心となる職員は数十名に抑え、必要に応じて民間から専門職を雇用するフレキシブルな組織体制を採り、また、ドイツ・エムシャーパーク計画の組織(エムシャーパーク社)では、800平方kmの地域の100近いプロジェクトに対して30名ほどのスタッフで対応し、組織内部のコミュニケーションと意思決定のスピードを重視した組織体制を採っています。両計画ともマスタープランが存在せず、ガイドラインをプロジェクトの指針として作成し、社会情勢の変化にフレキシブルに対応できるようになっています。
 日本で現在行われている緊急整備地域や構造改革特区に類似する制度であるイギリスのエンタープライズ・ゾーンは、当初は注目されず民間投資の誘導が難航したものの、交通インフラの整備とともに民間投資のインセンティブとして次第に機能するようになりました。反面、地価の高騰を生むなど制度本来の効果を得るのに難しい面もあったようです。
 さらに、「もうひとつの『都市再生』」として取り上げたエムシャーパーク計画では、国際建築博覧会(IBA)方式を取り入れ、国際的な注目を向けさせるとともに、自然環境の保全と回復に取り組み、職場環境・住環境を整備することで、新たな産業の誘致を行い、さらに地域のシンボル的存在の産業遺産についても、単に保存するだけでなく活用することにより、住民の社会文化活動の活性化が図られるなど、地域全体の盛り上がりに結び付けています。

提言

 臨海部の再活性化をめざして、現在、緊急整備地域や構造改革特区などによる民間活力の誘導、産学官一体となった活性化に向けた検討などが行われていますが、本研究では効率的でスピーディな対応をめざすために次の5つの提言を行います。

  1. 先を見据えた投資、フレキシブルな計画と中間評価
  2. コンパクトな組織による柔軟かつスピーディな運営
  3. 「持続可能な発展」
  4. 市民に開かれた臨海部をめざして
  5. 土壌汚染対策のための組織づくり

お問い合わせ先

川崎市 総務企画局都市政策部広域行政・地方分権担当
〒210-8577 川崎市川崎区宮本町1番地
電話:044-200-0386
ファックス:044-200-3798
メールアドレス:17tihobu@city.kawasaki.jp

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