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令和8(2026)年度 施政方針

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「成長と成熟の調和による持続可能な最幸のまち かわさき」をめざして

1 令和8年度市政執行の基本的な考え方

(1)市政運営の基本姿勢

 昨今の社会経済においては、人口減少や少子高齢化の進行、自然災害の激甚化に加え、これまでにない物価高騰、AIなどの先端技術の急激な進化、エネルギー転換の急速な進展など、私たちの想像を大きく超えるスピードで変化が起きております。こうしたことから、行政も時代に合わせて変化し続けていかなければならないという、強い意識を持って行政運営を推進してまいります。
 
 昨年を振り返りますと、次の100年に向けた新たな挑戦の始まりの年となりました。
 扇島地区における世界初となる商用規模の液化水素基地の着工や、自動運転バスのレベル4実装に向けた実証実験の開始、太陽光発電設備の設置義務制度の施行、市立看護大学大学院の開学など、さまざまな分野で「あたらしい川崎」の第一歩を踏み出すことができました。
 ここで始まった好循環を、今年はさらに大きな輪へと広げ、市民や企業等の皆様と共創しながら、課題を解決に導くための新たな取組へとつなげてまいります。
 
 我が国の経済に目を向けますと、景気は、米国の通商政策による影響が自動車産業を中心にみられるものの、緩やかな回復が続くことが期待されております。また、県内の景気動向についても、一部に弱めの動きもみられるものの、緩やかに回復しているものとされております。
 一方で、今後の物価動向や米国の通商政策をめぐる動向なども景気を下押しするリスクとなっているだけでなく、金融資本市場の変動等の影響にも引き続き注意する必要があるとされております。
 こうした中、本市では、物価高騰の影響を強く受けている子育て世帯を力強く支援する子育て応援手当の支給を速やかに進めるとともに、国の重点支援地方交付金を活用した物価高騰に対する支援など、市民の生活や市内の事業活動を下支えする取組を進めてまいります。
 また、国におきましては、地方創生に向けたさまざまな施策が進められているところでございますが、子育て施策など全国一律で提供すべきサービスについては、自治体間で過度な競争が生じないよう、国が責任を持って実施するとともに、議論が進められている「年収の壁」の見直しについては、地方税財源に影響が及ぶことのないよう、国に強く働きかけてまいります。
 
 本市の人口は、間もなく156万人を迎えようとしており、都市として成長を続けておりますが、その一方で自然動態は減少に転じ、生産年齢人口のピークも目前に迫っているところでございます。
 本市のさらなる発展に向けましては、施策を計画に沿って着実に進めていくことが基本ではありますが、人口構造の変化や社会経済環境が急速に変化し、先を見通すことが難しい時代において、行政サービスの質を守り抜くためには、官民のつながりの強化や民間同士の連携をより一層推進し、多様な主体と共創しながら、柔軟な発想とスピード感をもって、時代の変化に即応できるような行政運営も必要でございます。
 こうした取組を通じ、川崎が日本をリードし、都市のモデルとなるよう、先進的な施策に果敢に挑戦してまいります。

(2)「最幸のまち かわさき」をめざして

 現在、我が国は、急速な人口減少などの深刻な課題に直面しており、この状況を打破するためには、本市をはじめとする大都市が、市域内だけでなく我が国を牽引する役割を十分に果たすことができるよう、特別市制度の実現が重要であると強く認識しております。そのために、本市は、指定都市市長会とも連携し、各方面を巻き込みながら、積極的な取組を行ってまいりました。
 昨年11月には、私がプロジェクトリーダーを務める、指定都市市長会の「多様な大都市制度実現プロジェクト」において、約4年間に及ぶ議論を報告書としてとりまとめ、12月には、国や各政党に対して要請活動等を行ってきたところでございます。
 先月には、第34次の地方制度調査会が発足しました。これまで本市や指定都市市長会が要望してきたとおり、特別市の法制化を含めた大都市制度のあり方についても調査審議されるものと認識しており、国家戦略として多極分散型社会の構築をめざし、建設的な議論が進められていくことを期待しております。
 そのために、引き続き、特別市制度の必要性や効果等について、さまざまな関係者にご理解いただけるよう、より積極的に各方面へ働きかけ、さらなる議論を喚起してまいります。
 
 団塊の世代が75歳を迎え、高齢化が進行しておりますが、本市においても、まもなく65歳以上の高齢者が21%を超える超高齢社会が到来することが見込まれております。
 地域包括ケアシステムの先進都市として評価されている本市は、第2段階の「システム構築期」の取組を進めており、これからは第3段階である「システム進化期」へと移行してまいります。
 これまでの成果を踏まえ、医療・介護需要の増加などに対応するため、健康づくりや介護予防など、予防的な視点を重視した取組を推進するとともに、地域の多様な主体と連携した包括的な支援体制をさらに発展させてまいります。
 また、子どもを安心して育てられるよう、ライフステージに応じた、子どもと子育て家庭に寄り添った切れ目のない支援を一層充実させてまいります。
 今後も、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続け、地域社会全体で子どもを支えるまちを実現するため、「安心のふるさとづくり」をさらに進化させてまいります。
 
 国際競争力のある産業拠点としての発展をめざし、本市はこれまでも、扇島地区における水素を軸としたカーボンニュートラルの実現に向けた取組や、南渡田地区における世界を変える素材を生み出す拠点形成など、臨海部の大規模土地利用転換を進めてまいりました。
 この度、国において、コンビナート跡地を活用した新たな産業クラスターの創出等を支援する「GX戦略地域」制度が創設されたことを受け、本市は、地域選定に向けて名乗りを上げたところでございます。
 南渡田地区や扇島地区などのエリアを中心とする川崎臨海部は、GXの実現を先導する極めて高い潜在力を有する地域であることから、戦略地域として選定され、大規模土地利用転換を大きく前進できるよう、力を尽くしてまいります。そして、川崎臨海部を、コンビナート再編のモデルケースとして、地域経済のみならず日本の成長を力強く牽引する地域へと進化させるべく、GX産業拠点形成の取組を加速させてまいります。
 また、新川崎・創造のもりにつきましては、量子技術等の「知」と「人材」が集積する世界最高水準の研究開発拠点として、民間事業者のアイデアやノウハウ等を活かした拠点整備と運営管理を行うため、優先交渉権者を決定したところでございます。量子イノベーションパークを中核として、国際競争力を持つ産業都市としてのさらなる発展をめざし、最先端企業と高度人材の集積を推進してまいります。
 さらに、こうした拠点間の連携や世界で活躍する企業の立地誘導を進め、社会課題解決や経済成長につながる新技術や新産業が次々と生み出されるイノベーション・エコシステムを構築するなど、「力強い産業都市づくり」を推進してまいります。
 
 そして、これらの「安心のふるさとづくり」と「力強い産業都市づくり」の取組をバランスよく進めていくことにより、市内外から選ばれ続ける、「最幸のまち かわさき」の実現をめざしてまいります。

2 令和8年度予算の編成

 令和8年度予算といたしまして、歳入のうち、市税収入につきましては、個人市民税が所得の増等により増加するとともに、家屋の新増築などにより固定資産税が増加し、前年度と比べて224億円、5.5%増加するものと見込んでおります。
 歳出においては、「総合計画第4期実施計画」の初年度として、近い将来見込まれる人口減少の影響を緩和し、それに適応しながら、持続可能で、選ばれ続ける都市を実現するため、「子ども・教育」、「健康・福祉」、「地域の魅力・価値」、「社会基盤・生活基盤」、「経済成長・社会課題解決」の5つの分野に重点的に予算を配分いたしました。
 令和8年度の一般会計の予算規模は、保育事業費や障害者(児)介護給付等事業費、等々力緑地再編整備推進事業費及び臨港道路東扇島水江町線整備に係る国直轄工事負担金の増などにより、前年度に比べ、451億円、5.0%の増加となっております。

 一般会計         9,377億円余(対前年度比 5.0%増)
 特別会計(13会計)    5,436億円余(対前年度比 7.3%増)
 企業会計(  5会計)    2,466億円余(対前年度比 4.7%増)
 合計            1兆7,280億円余(対前年度比 5.7%増)

 令和8年度予算につきましては、市税収入が堅調であることなどから、平成26年度以来12年ぶりに、当初予算段階で減債基金からの新規借入を行うことなく、予算を編成いたしました。令和9年度以降は、投資的経費が増加することが見込まれますが、「総合計画第4期実施計画」に掲げる施策の着実な実現に向け、「行財政改革第4期プログラム」の取組を計画的に進めることで、中長期的な視点に立った持続可能な行財政運営に、引き続き緊張感を持って取り組んでまいります。

3 分野別の重点施策

 令和8年度につきましては、めざす都市像の実現に向けて、5つの基本政策に沿って、まちづくりを進めてまいります。

基本政策1「生命を守り生き生きと暮らすことができるまちづくり」

 誰もが、安心して暮らせるよう、災害に強く、しなやかなまちづくりや、市民の身近な安全や生活基盤の確保を進めるとともに、地域包括ケアシステムの構築などに引き続き取り組んでまいります。
 こうした取組を通じて、都市全体の安全性の向上を図り、住み慣れた地域や自らが望む場で、安心して生き生きと暮らせるまちづくりを進めてまいります。
 
 災害に強いまちをつくる取組として、地域防災力の向上につきましては、近年、大規模地震の発生が危惧されるとともに、気候変動の影響により風水害も激甚化・頻発化している中で、さらなる災害対応力の強化を図り、市民の生命と暮らしを守るため、新たに地震被害想定調査を実施し、その結果を踏まえ、自助・共助・公助の取組・連携のさらなる強化や、防災意識の向上による地域防災力の強化に取り組んでまいります。
 また、過去の大規模災害で得られた教訓や課題を受け、避難所における生活環境などの改善を図るため、災害時のトイレ対策として、指定避難所へのマンホールトイレの整備や携帯トイレの備蓄などにより、災害時の衛生的なトイレ環境の確保に向けた取組を進めてまいります。
 さらに、震災直後における、避難行動要支援者などの安否確認や救命・救護等を円滑に行うため、平時から地域や企業等との情報共有や連携強化を図ってまいります。
 まちの耐震化・不燃化の推進につきましては、建築物の耐震化を促進するため、木造住宅の耐震改修等に係る助成対象を拡充するなど、耐震診断や耐震改修に係る助成制度を見直すとともに、耐震化の重要性に係る普及啓発を実施してまいります。
 また、火災延焼リスクの低減に向けた地域住民主体の防災まちづくりを進めていくとともに、不燃化重点対策地区の小田周辺地区及び幸町周辺地区における、燃え広がりにくいまちづくりに向けて、老朽化した建物の建替えに係る補助対象を拡充するなど、効果的で利用しやすい制度への見直しを図ってまいります。
 さらに、小田周辺戦略エリアでは、小田栄駅前交差点の改良による道路機能の強化のほか、南部防災センター跡地周辺利活用計画の検討を進め、地域活性化等に向けた取組を推進してまいります。
 消防力の強化につきましては、迅速かつ的確な消防活動を遂行するため、子母口出張所の改築を、令和9年度の工事完了に向けて進めるとともに、消防職員と消防団員が連携した訓練等を実施するなど、地域防災力の充実強化を図ってまいります。
 河川施設の整備につきましては、水害から市民の生命と財産を守るため、準用河川五反田川について、時間雨量50ミリ降雨対応の河川改修を実施するとともに、台風や豪雨による浸水被害を未然に防ぐため、平瀬川の多摩川合流部における堤防整備を推進してまいります。
 また、これまで随時対応してきた環境整備を計画的に実施することにより、水辺を楽しむことができる良好な環境を市民の皆様に提供してまいります。
 
 安全に暮らせるまちをつくる取組として、防犯対策の推進につきましては、警察と連携して戦略的に配置してきた川崎駅周辺の防犯カメラにより、刑法犯認知件数の増加率が抑制されるなど、効果が着実に表れてきているところでございます。
 令和8年度は、新たな地域に重点地区を展開して集中的に防犯カメラを設置するとともに、引き続き、地域の防犯関連団体や警察等と連携した活動を推進するなど、さらなる安全・安心のまちづくりに向けた取組を進めてまいります。
 
 水の安定した供給・循環を支える取組として、持続可能な上下水道機能の確保につきましては、首都直下地震をはじめとする大規模災害の発生に備え、消防署や警察署などの重要な施設等への供給ルート、災害時に機能確保が求められる重要な下水管きょなど、水道・下水道施設の耐震化を着実に進めるとともに、都市インフラの安全性と信頼性を確保するため、進行する老朽化への対策を計画的に実施してまいります。
 また、持続可能な運営と安定的なサービス提供を引き続き確保していくため、昭和40年代の高度経済成長期から続いてきた水道料金及び下水道使用料の制度等について、第三者委員会からの答申を踏まえ、必要な見直しを図ってまいります。
 
 安心して暮らせる地域のしくみをつくる取組として、地域包括ケアシステムの推進につきましては、高齢者のみの世帯の増加が見込まれる中で、社会的孤立等を防ぐため、これまで行政や地域が保有してきた多様な情報を分析し、掛け合わせることで、見守りを必要とする高齢者一人ひとりをしっかりと把握してまいります。
 その結果を活かして、町内会・自治会をはじめとした小地域での見守り活動や通いの場を創出し、つながる機会や異変に気づく機会を増やすことで、必要な方へのきめ細やかな個別支援につなげ、すべての高齢者を取り残すことのない地域づくりを進めてまいります。
 高齢者や障害者の地域共生の推進につきましては、高齢者や障害者への日常生活用具に係る給付について、価格上昇による影響を踏まえ、一部の品目の給付限度額を引き上げることにより、本人の在宅生活の支援や家族等の負担軽減を図ってまいります。
 住宅・居住環境の整備につきましては、地域包括ケアシステムとの連携による高齢者等の多様な居住ニーズへの対応や、民間賃貸住宅を活用した住宅確保要配慮者に対する居住支援などに引き続き取り組むとともに、新たな支援のしくみを検討してまいります。
 また、子育て世代の市内定住・転入促進に向け、若年層や子育て世代、高齢者等が、居住ニーズやライフステージの変化に応じて円滑に住み替えることができるよう、空き家をはじめとする既存住宅ストックを活用して子育て世代向けに提供するなど、官民連携によるモデル事業を開始してまいります。
 健康づくりの推進につきましては、市民が心身ともに健康な生活を送り、健康寿命を延ばすことができるよう、国が整備を進めている全国医療情報プラットフォームから得られる、健康診断データや医療ビッグデータの活用方策を検討するなど、医療DXによる健康増進活動や疾病予防を推進してまいります。
 
 生命と健康を守る取組として、保健医療の推進につきましては、地域医療提供体制を支える看護職員を確保するため、新卒看護職員の市内就職を促進することを目的として、市内医療機関等への勤務を条件とした修学資金貸与者数の拡充を図ってまいります。
 また、川崎市ナーシングセンターの就労相談に対する支援を拡充し、市内医療機関への就労促進と離職防止につないでまいります。
 さらに、市民の生命を守る救急活動においては、救急隊の現場到着時間を維持・短縮するため、令和9年度の救急隊の増隊に向けた取組を進めるとともに、救急情報共有システムの導入による救急業務のデジタル化を推進してまいります。
 市立病院の運営につきましては、きわめて厳しい経営環境においても、持続可能な地域医療提供体制を確保するため、さらなる経営健全化に向けて取り組むことはもとより、国に対して、物価高騰や人件費上昇等を踏まえた適切な対応を引き続き求めてまいります。
 そうした中、川崎病院につきましては、令和8年度に救命救急センター棟の運営を開始するなど、医療機能の強化・拡充に向けた医療機能再編整備を推進してまいります。

基本政策2「子どもを安心して育てることのできるふるさとづくり」

 子どもや子育て家庭に寄り添った切れ目のない支援を進め、地域全体で子育てを支える環境をつくるとともに、未来を担う子どもたちが、個人や社会の多様性を尊重し、共に支え、高め合いながら成長し、若者として社会に力強く羽ばたいていける地域社会を構築してまいります。
 こうした取組を通じて、子どもを安心して育てられる、子育て世代に選ばれるまちづくりを進めてまいります。
 
 安心して子育てできる環境をつくる取組として、子ども・子育て支援の推進につきましては、親子が気軽に立ち寄り、保護者同士が子育ての不安や悩みを気軽に相談ができる身近な場である、地域子育て支援センター等の相談機能を充実させるとともに、ふれあい子育てサポート事業をリニューアルし、地域全体で子育て家庭を支援する体制づくりを進めてまいります。
 また、小児医療費助成につきましては、経済的な負担がなく、安心して医療機関を受診できる環境を整えるため、令和8年9月からの対象年齢の18歳までの拡大と一部負担金の廃止に向けて、着実に取組を進めてまいります。
 さらに、子育てアプリにつきましては、子どもを産み育てるすべての家庭にとって日常使いできるツールとなるよう、子育てに関する届出や申請、イベントの申込等をスマートフォンで容易に行えるようにするなど、「かわさき子育てアプリ すくすく」として、1月に大幅にリニューアルしたところでございます。
 今後も、さらに便利で魅力的なアプリとなるように、利用者の目線に立ち、継続して改修・改善を行うなど、妊娠期から子育て期の家庭への支援の充実に取り組んでまいります。
 子どもが安心できる環境づくりにつきましては、子どもの居場所づくりについて、自分らしく、すこやかな成長につながるよう、成長段階に応じて、学童期の居場所である、わくわくプラザの充実や、思春期における地域と連携した居場所づくりに取り組んでまいります。
 また、孤立や困難を抱える児童を対象に、安全・安心な居場所を提供し、学習支援や進路相談などを通じて、児童の健全な育成と家庭環境の改善を図る、児童育成支援拠点事業を新たに実施いたします。
 
 未来を担う人材を育成する取組として、子ども主体の学びの推進につきましては、子どもたちの社会参画に向けた資質や能力を育成するため、本市独自の探究学習を5校のモデル校において実践し、学校が地域と連携して、子ども主体の探究的な学びを推進してまいります。
 また、児童生徒が自分自身の学習や生活を振り返り、教職員がエビデンスに基づいて適切な指導・支援を行うことができるよう、小・中学校においてGIGA端末と教育データを活用し、「個別最適な学び」と「協働的な学び」による「わかる」授業を推進することで、全国学力・学習状況調査において政令市トップをめざしてまいります。
 さらに、次代の産業を担う高度な人材を育成する、高等専門学校につきましては、設立に向けてすでに複数の企業や大学との対話を進めているところであり、引き続き、早期設立をめざして取組を進めてまいります。
 豊かな心とすこやかな体の育成につきましては、安全・安心で栄養バランスのとれた美味しい学校給食について、長期休暇明けなど、提供がない期間をなるべく短くしてほしいという保護者からの声に応えるべく、令和8年度から、小・中学校における給食提供回数を拡充してまいります。
 また、物価高騰の影響を受けている学校給食費につきましては、保護者の経済的負担の軽減を図るため、令和8年度は、小学校における国基準との差額及び中学校等における値上げ分に対し、国の重点支援交付金を充てる予算としたところでございます。
 一人ひとりの教育的ニーズへの対応につきましては、不登校児童生徒及びその保護者への支援を総合的に推進するため、令和8年度から、(仮称)校内教育支援センターを全小・中学校に段階的に整備するとともに、保護者同士がつながることで安心感を得られるピアサポートの導入を推進してまいります。
 学びを支える教育環境の充実につきましては、教育環境を向上するため、バリアフリー化や普通教室・特別教室の空調設備の更新を進めるとともに、避難所としても活用される学校体育館の空調設備については、気候変動の影響を踏まえた暑熱対策を早急に進めるため、令和11年度末までの全校設置に向けて取り組んでまいります。
 また、教員の長時間労働の改善と、子どもたちに向き合う時間の確保を図るため、学校徴収金事務の効率化による負担軽減や、さらなる業務改善に取り組むことにより、教職員が働きやすい環境づくりを進めてまいります。
 地域と学校の連携・協働につきましては、地域ぐるみで子どもたちの学習や体験をサポートし、多世代で学ぶことができる「地域の寺子屋」においては、引き続き全小・中学校への設置に向けた取組を進めるとともに、持続的な運営に向けて、寺子屋先生やコーディネーターの継続的な確保に取り組んでまいります。
 また、保護者の安心と子どもの安全を守るため、地域の多様な人材を活かし、小学校の始業前から児童を受け入れる、朝の居場所づくりにつきましては、令和8年度に各区1校から開始し、順次拡大してまいります。

基本政策3「市民生活を豊かにする環境づくり」

 地球温暖化がますます深刻化する中で、市民や事業者の皆様と協働しながら、環境先進都市として本市がこれまでに培った技術を活かし、脱炭素社会の実現に向けて、持続可能なまちづくりを進めてまいります。また、さまざまな主体と力を合わせて、市民の皆様の貴重な財産である緑や水などの自然環境を守り、次世代へ継承してまいります。
 こうした取組を通じて、人と自然が共生する豊かな社会をつくりだしてまいります。
 
 環境に配慮したしくみをつくる取組として、脱炭素化の推進につきましては、再生可能エネルギーの利用をさらに加速していくため、脱炭素先行地域における太陽光発電設備の設置拡大や、川崎未来エナジー株式会社等と連携した、家庭や学校で生じた太陽光発電の余剰電力の地産地消などに取り組んでまいります。
 また、太陽光発電設備等の導入促進について、市内住戸の多くを占める共同住宅への設置を促すため、太陽光発電設備や蓄電池の補助制度の対象に共同住宅を追加するとともに、EV用充電インフラの整備に対する補助を拡充いたします。
 さらに、脱炭素モデル地区「脱炭素アクションみぞのくち」のブランド化を図るとともに、市民や事業者等のさらなる行動変容を促していくため、脱炭素情報特化型のデジタルサイネージ等を溝の口駅前のキラリデッキに設置いたします。
 資源循環の推進につきましては、市内で排出されるすべてのプラスチック資源を、市内でリサイクルできる「100%プラリサイクル都市」の実現に向けて、段階的に進めてきたプラスチック資源の一括回収を全市に拡大してまいります。
 
 豊かな自然環境をつくる取組として、協働・共創によるみどりのまちづくりにつきましては、みどりの将来像である「人と自然が共生する幸福な社会」の実現に向けて、みどりを活かしたまちづくりの好循環を生み出し、自然と都市が成長し続ける川崎をめざしてまいります。
 この成長と好循環を持続させるため、市民、市内企業の皆様などと緑の価値と目標を共有しながら、ここで生まれたつながりをさらに広げ、みどりが持つポテンシャルを最大限に引き出し、生活の質や地域価値の向上、地域や地球環境におけるさまざまな課題解決に取り組んでまいります。
 また、横浜市で開催される国際園芸博覧会では、人と産業と自然が高度に調和した川崎臨海部の未来の姿を体感できる展示など、国内外から訪れる多くの方々に、本市の魅力や価値を知っていただくための取組を展開してまいります。
 さらに、これまでの公園は、遊具や樹木の配置が画一的で、利用ルールや運用についても制約が多いイメージがある中で、地域の皆様が公園をより魅力的に、もっと自由に活用できるよう、複数の公園をグループ化し、地域の方々と話し合いながら、公園ごとに役割や魅力が異なる、特色ある公園づくりを各区で進めてまいります。
 公園緑地等の整備につきましては、等々力緑地が日常的に賑わう空間となるよう、新たな陸上競技場の整備など、事業者と連携しながら、安全・安心で魅力あふれる公園の実現に向けた取組を着実に推進してまいります。
 また、地域の皆様から愛されている夢見ヶ崎動物公園は、開園から70年以上が経過し、施設の老朽化やニーズの変化等への対応が必要であることから、人と人がつながり、緑、生きものが出会える環境をつくり、いのちを感じられる動物公園となるよう、再整備に向けた設計に着手いたします。
 さらに、子どもたちが天候や気温に左右されず、雨の日も暑い日も、木のぬくもりあふれる空間で、のびのびと遊ぶことができるよう、全天候型あそび場の整備に向けて、整備の基本的な考え方の検討や整備箇所の選定等に着手いたします。
 加えて、多摩川河川敷の環境改善や利用者の満足度の向上に向けて、令和11年度までに、誰もが快適に使える多摩川河川敷のトイレの整備を進めてまいります。

基本政策4「活力と魅力あふれる力強い都市づくり」

 魅力ある都市拠点や、これらを結ぶ交通環境の整備を総合的に推進するとともに、イノベーション創出の支援や中小企業の競争力強化など、本市の強みを活かした、我が国の成長を力強く牽引する産業都市づくりを進めてまいります。
 また、スポーツや文化芸術の振興を図るなど、市民が愛着と誇りを持つことのできる、活力と魅力にあふれるまちづくりに取り組んでまいります。
 こうした取組を通じて、便利で快適に暮らせる、人も企業も元気で活気にあふれるまちづくりを推進してまいります。
 
 地域経済を活性化する取組として、イノベーション創出の推進につきましては、新しい産業の創出は、地域経済の発展にとどまらず、日本経済全体を牽引する大きな原動力になることから、先端技術を有する企業が集積する産業都市である本市は、イノベーション創出を推進し、その成果を波及させていく責務を果たしていかなければなりません。
 量子分野においては、量子イノベーションパークの形成に向け、企業・大学等と連携して、量子・AI分野などの次代の産業を担う人材の育成や研究開発、市内をフィールドとした社会実装を支援することにより、量子技術の産業化等を推進するとともに、新川崎・創造のもりの機能更新を、立地誘導・投資促進制度を活用しながら、令和11年度の供用開始に向けて計画的に進めてまいります。
 また、成長に時間と資金を要するディープテック・スタートアップを支え、成長を促していくため、海外からの資金調達が円滑に行われるよう、スタートアップのグローバル基準へのステップアップに向けた育成を実施してまいります。
 中小企業の競争力強化につきましては、地域経済の発展や雇用の創出を支える中小企業の経営基盤を強化するため、生産性向上や販路開拓、事業承継等に向けた支援を引き続き実施するとともに、立地ニーズに応じた事業用地のマッチング、貸工場や研究開発施設の開発誘導等により、産業集積を促進してまいります。
 観光の振興と商業の活性化につきましては、観光客が何度でも訪れたくなる魅力ある都市をめざして、本市の多面的な魅力を最大限に活用し、時間帯やエリアなどによって異なる川崎らしい多様な観光体験を、「ヒルカワ・ヨルカワ」というテーマで提供することにより、国内外からの誘客と交流を促進してまいります。
 市民への生鮮食料品等の安定供給に資する重要な社会インフラである卸売市場につきましては、卸売市場特別会計の健全化を図りながら、施設老朽化への対応と市場機能の強化に向けて、北部市場は機能更新の取組を着実に進めるとともに、南部市場は今後の施設運営や整備等に関する基本構想の策定を進めてまいります。
 都市農業の振興につきましては、本市の農業の担い手の育成に向け、認定農業者のほか、農業経営の改善をめざす販売農家や新規就農者への支援等を通じて、農業者のネットワークを構築するとともに、意欲ある農業者の育成を通じた持続可能な都市農業を推進してまいります。
 
 臨海部を活性化する取組として、臨海部の産業集積と基盤整備につきましては、国の「GX戦略地域」の取組と連動しながら、大規模土地利用転換を進めてまいります。
 南渡田地区においては、令和9年度の北地区北側におけるまちびらきに向けて、インフラ整備を進めるとともに、北地区南側以降の整備ステップや土地利用の方向性等をまとめ、引き続き戦略的な企業誘致等の取組を加速させてまいります。
 また、扇島地区においては、先導エリアでの令和10年度の一部土地利用開始に向け、水素供給拠点や高度物流拠点の形成を進めるとともに、アクセス道路の一部供用開始に向けた取組を進めてまいります。
 川崎港の競争力の強化につきましては、国際戦略港湾である京浜港の一翼を担う川崎港について、取扱貨物量の増加に向けたインフラ整備やポートセールスなどに取り組むとともに、物流機能強化に資する港湾関連用地等の拡大に向けて、東扇島及び浮島における土地造成を着実に推進してまいります。
 川崎港の脱炭素化につきましては、企業の連携促進や脱炭素化への支援等を通じて、2050年の温室効果ガス排出量実質ゼロの達成に向けた取組を進めてまいります。
 
 魅力ある都市拠点を整備する取組として、都市づくりの推進につきましては、川崎駅周辺では、本市の玄関口にふさわしい多様な魅力と活力にあふれるまちをめざして、民間開発の誘導やアリーナシティ・プロジェクトとの連携などにより、多様な都市機能の集積を進めるとともに、さらなる公共空間の利活用による賑わいの創出や回遊性の向上、市民や企業などと連携した取組を進めてまいります。
 武蔵小杉駅周辺では、小杉駅北口駅前まちづくり方針の実現に向け、「(仮称)小杉町一丁目計画」における既存建物の解体工事を進めるなど、引き続き、民間開発の適切な誘導と支援を行い、商業・業務・都市型住宅等がコンパクトに集積した、個性と魅力にあふれる拠点形成を推進してまいります。
 新百合ヶ丘駅周辺では、魅力あふれるまちづくりに取り組んでいくとともに、この度策定する北側地区まちづくりの基本的考え方に基づき、高経年化した区役所等の公共施設を含めた一体的な整備により、市民意見等で寄せられた、交通環境の改善や公共施設のあり方などの課題解決に向けた取組を推進してまいります。
 鷺沼駅周辺では、宮前区全体の活性化を促す核としての地域生活拠点の形成をめざして、交通結節機能の強化と官民連携による多様な都市機能の集積に向け、周辺環境への配慮を行いながら安全に工事を進めるとともに、新宮前市民館・図書館の実施設計を引き続き実施してまいります。
 登戸・向ヶ丘遊園駅周辺では、まちづくりビジョンに基づき、多摩川や生田緑地の玄関口として、豊かな自然や文化に包まれた、活気とつながりのある心が弾むまちをめざし、登戸駅前地区において市街地再開発事業の工事着手に向けた取組を進めるとともに、向ヶ丘遊園駅南口側まちづくり方針の策定に向けた取組を推進してまいります。
 
 総合的な交通体系を構築する取組として、道路・鉄道網の整備につきましては、連続立体交差事業である京浜急行大師線の東門前駅から鈴木町駅にかかる1期(2)区間の工事に着手するとともに、JR南武線の矢向駅から武蔵小杉駅間では、令和11年度からの工事着手に向けて、用地取得を順次進めるなど、引き続き、踏切での事故や渋滞を解消し、安全・安心で暮らしやすいまちづくりを推進してまいります。
 また、広域的な交通網を整備するため、横浜市高速鉄道3号線延伸に向けて、引き続き横浜市と連携し、国や鉄道事業者等との協議調整を進めてまいります。
 身近な交通環境の整備につきましては、運転手不足に伴う減便など、路線バスの持続可能性が危惧される中、市民の暮らしやすさを向上し、都市の利便性を確保するためには、社会環境の変化に適応した地域公共交通ネットワークを形成していく必要がございます。
 バス路線の効率化を進めるとともに、令和9年度の自動運転バスのレベル4の実装に向けて、羽田連絡線と川崎病院線における実証実験を進め、市内の他地域への導入展開を推進してまいります。
 また、デマンド交通やタクシーを活用したコミュニティ交通の維持・導入に向けた支援を拡充するとともに、交通手段の乗換の円滑化と地域の賑わい創出に寄与し、身近な生活拠点となるモビリティステーションの形成については、現在行っている実証実験を踏まえ、新たに3箇所で取組を展開してまいります。
 市バス事業の運営につきましては、運転手や整備士の人材不足が加速している中で、市民生活を支える公共交通機関として、市バスネットワークを維持するため、安全性とサービスの向上に向けた研修や、市バス路線への自動運転バスの導入に向けた取組などにより、安全で快適な輸送サービスの持続的な提供に努めてまいります。
 また、2050年度までのCO2排出量実質ゼロの達成に向けて、引き続き電気バスの導入などによる脱炭素化の取組を推進してまいります。
 
 スポーツ・文化芸術を振興する取組として、スポーツのまちづくりにつきましては、現在開催されている冬季オリンピックに続き、冬季パラリンピック、WBC、FIFAワールドカップなど、今年は世界を元気づけてくれるスポーツイベントが目白押しとなっております。
 こうしたスポーツへの機運の高まりを意識しながら、本市においても、スポーツパートナー等と連携し、各チームの広報活動やスポーツを通じた選手等との交流を促進することにより、さらにスポーツを楽しむ機会の創出につなげるとともに、本市の魅力・活力を高めるまちづくりを進めてまいります。
 また、若い人たちが集い、自らの可能性を広げ、挑戦できる環境づくりをめざし、スケートボードやBMXが日常的に体験できる施設を多摩川河川敷に整備するほか、国内外の大会の誘致や支援、継続的に実施するイベントや体験会といった取組を通じて、本市の若者文化の魅力を、市内に留まらず国内外にも発信してまいります。
 文化芸術のまちづくりにつきましては、アートを介したコミュニティ形成や社会課題解決を推進するため、誰もが文化芸術に触れ、参加できる環境として、「アート・フォー・オール」の実現をめざし、多様な主体と交わりながらアートによる共創を起こすプロジェクト「アート・フォー・オールプラットフォーム」の本格稼働に向けた取組を推進してまいります。
 また、市民ミュージアムにつきましては、生田緑地ばら苑及び周辺区域再整備エリアでの新たなミュージアムの開設に向けて、事業計画等を示す管理運営計画を策定し、生田緑地全体の魅力向上につながる一体的な整備を進めてまいります。
 さらに、市民の文化振興や交流の機会創出に寄与してきた市民プラザにつきましては、令和9年3月に現施設の利用を終了するとともに、時代に即した社会課題に柔軟に対応できる新たな施設になるよう、ワークショップ等により市民意見を聴取し、役割や機能を整理するなど、基本構想のとりまとめに向けた取組を進めてまいります。
 
 デジタル技術を活用する取組として、デジタル行政サービスの推進につきましては、市民がいつでも、どこでも、便利に、オンラインで行政手続ができる市役所をめざし、オンライン申請の利用促進を図るため、積極的な広報や操作性・視認性の向上に取り組んでまいります。
 また、より多くの市民がデジタル化によるメリットを享受することができるよう、デジタル機器に不慣れな方のためのスマートフォン講座や地域のデジタル人材等と連携した取組などを引き続き実施いたします。
 さらに、市民生活の利便性の向上に向けて、必要とする市政情報を誰もが容易に入手できるよう、利用者のニーズに応じた情報配信を実施するとともに、市民からの問い合わせにお答えするAIチャットボットへの生成AI等の活用を検討してまいります。
 
 都市の魅力を発信する取組として、戦略的なシティプロモーションにつきましては、さらなるシビックプライドの醸成と都市イメージの向上を図るため、時期や状況に応じた各種メディアの効果的活用により戦略的に情報発信を行うなど、本市の多彩な魅力や地域資源を活かしたプロモーションを実施いたします。
 また、川崎の魅力や価値を市内外の皆様に広く知っていただくため、川崎の無限の可能性と見返りを求めないギブ&ギブのやさしさをコンセプトとした、2026年のブランドメッセージポスター「100+2歳のまち」を効果的に活用するとともに、新たに開設したシティプロモーションサイト「Colors,」による情報発信に取り組んでまいります。
 さらに、官民連携でまちの賑わいの創出や川崎の更なるブランディングを図るため、「川崎最大の秋の祭典」の実現に向けて、昨年、川崎駅周辺において同時開催した5大イベントをさらに発展させ、まちづくりとも連携した、多様な分野の融合による大規模イベントへと展開してまいります。

基本政策5「誰もが生きがいを持てる市民自治の地域づくり」

 市民と行政の「情報共有」「参加」「協働」を基本としながら、地域課題の解決を促進するとともに、多様な人々が、生涯にわたって学び、共に認め合い、支え合いながら個性と能力を発揮することができる地域社会づくりを進めてまいります。
 こうした取組を通じて、市民の心がつながり、「自分たちのまちは自分たちでつくる」取組が広がるまちづくりを進めてまいります。
 
 参加と協働により市民自治を推進する取組として、協働・連携による地域づくりにつきましては、引き続き、市民活動団体等の多様な主体と連携した取組を進めるとともに、地域の居場所である「まちのひろば」や各区の「ソーシャルデザインセンター」など、これまでのコミュニティ施策の取組を振り返りながら、今年度の検証結果を踏まえ、より効果的に施策を展開し、持続可能な暮らしやすい地域づくりを進めてまいります。
 また、まちづくりの大切なパートナーである町内会・自治会について、活動応援補助金の運用や、加入促進に向けた多面的な広報など、引き続き活性化に向けた支援を推進してまいります。
 区役所サービスの充実につきましては、窓口混雑の緩和や来庁者の負担軽減などの課題解決を図るため、今年度策定する区役所改革の基本方針に基づき、業務フローの見直しや、原則オンラインで手続等ができる「行かなくてよい」窓口の取組を進めるとともに、手書きが不要な「書かない」窓口を拡大してまいります。
 また、市民一人ひとりに寄り添ったサービスを提供するため、ライフイベントに関連する手続をまとめて対応する総合窓口化の検討を進め、区役所サービスの向上を図ってまいります。
 
 人権を尊重し共に生きる社会をつくる取組として、人権・平和・多様性のまちづくりにつきましては、「差別のない人権尊重のまちづくり条例」に基づき、すべての市民が不当な差別を受けることなく暮らすことができるまちづくりに向けた取組を着実に進めてまいります。
 平和社会の実現に向けた施策として、戦争体験者が少なくなってきている中、戦争の悲惨さと平和の尊さを将来世代へ語り継いでいくため、「核兵器廃絶平和都市宣言」を行っている本市として、引き続き、平和館での「平和を語る市民のつどい」の開催など、平和に対する理解を深める取組を推進してまいります。
 また、拉致被害者支援の取組として、未来を担う世代を含めた市民に、拉致問題への理解を深めてもらうための啓発を進めるとともに、被害者家族への支援を実施してまいります。
 さらに、外国人市民に向けた施策として、多文化共生プラザにおける多言語相談や行政情報の提供などを実施するとともに、地域日本語教育の総合的な体制づくりを引き続き推進してまいります。

4 政策・施策の着実な推進に向けて

 本市を取り巻く環境が目まぐるしく変化する中でも、市民の安全・安心な暮らしを守り、必要なサービスを確実に提供することが行政の責務でございます。
 これからも加速度的に移り変わっていく時代においても、ニーズを的確に捉え、本市の強みやポテンシャルを最大限に活用しながら、課題解決に向けて迅速に取り組んでいくことが必要となります。
 この度改定する、今後の市政運営の指針となる「川崎市総合計画」に基づく施策や、「行財政改革第4期プログラム」に基づく経営資源の最適化等を着実に進めながらも、時代の先を見据え、状況に応じた柔軟かつ機動的な行政運営を進めてまいります。

5 おわりに

 身近な基礎自治体として市民に寄り添った行政を着実に運営していくとともに、我が国を牽引していく大都市としての使命を果たすため、先駆的な挑戦を通じて全国の都市のロールモデルとなる持続可能な未来都市をめざし、直面する課題に対して全力でチャレンジしてまいります。
 引き続き、「対話と現場主義」を基本姿勢としながら、「最幸のまち かわさき」の実現に向けて全力を尽くしてまいりますので、議員、市民の皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。