中原市民館で開催されたイベント「なかはらっぱ祭り」のステージプログラムの一つとして、インクルーシブ・ダンス公演「Sunriseand Sunset」を開催しました。
いろいろねいろ初となるダンス公演です。
プロデューサーは、市内で活動するインクルーシブなダンス団体「ダンサンブル外部リンク」の代表で、ダンサー・振付家の藤平真梨外部リンクさん。
そして、5人のプロダンサーの皆さんが出演するほか、公募で集まった障害の有無や年齢やダンスの経験もさまざまな約30人の参加者とともに5回の事前練習を行い、当日の発表を迎えました。

初日の練習では、始まる前から参加者同士の小さな輪ができ、それぞれに交流していたり、子どもたちが自由に走り回ったりして、とても活気のある雰囲気でした。
ワークショップが始まり、藤平さんが「違いを楽しもう」「自分のペースで挑戦しよう」といった言葉をかけながら、みんなで体を動かしていきます。
初めて会った人たちとは思えないほど、活発にやりとりが生まれていました。
その後は、1～2週間に1回のペースで事前練習を行い、場面ごとの練習を行ったり、舞台美術づくりをしたりしながら本番に向けて少しずつ作品を仕上げていきます。

参加する方は、年齢やこれまでの経験、今回参加しようと思った動機もさまざま。
練習では楽しい瞬間もあれば、緊張や不安になる気持ちを覚える時もありますが、そんな様子をダンサーチームは丁寧にキャッチして声かけを行い、各参加者の表現を無理のないペースで引き出すように進めていきました。
例えば、振付を間違えてしまった方には「お客様は正しい振付を知らないから、堂々としていればそれが正解になるよ、自信を持って！」という風にお伝えして、少しの練習時間でも本番がこわくないように工夫していきました。

また、場面ごとに個人の「やってみたい」「こうなりたい」を叶えつつ、全体では「怪我なくみんなで舞台に立とう」という意識を持って、みんなで公演をつくれるように参加を促していきました。
各場面のつくりこみでは、歌詞の内容を出演者全員で読み込んだチームも！
そのような経験を経て、練習の回数を重ねるごとに一体感が増し、みんなでお互いをサポートし合うことが自然に行われる空間が生まれていきました。
全5回の練習が終わる頃には、参加者たちがお互いの違いや個性を認め合い、お互いの表現が重なりあって、まるで一つの家族のような存在になっていました。

そして、いよいよ本番当日。
全部で6つの小作品ができあがりました。いつもの生活の様子から立ち上げたダンス、宇宙人が地球にやってくる物語、即興的な関わりから生まれる動き、グループごとに工夫をこらした様子が伺えます。
合間に藤平さんが参加者に行ったインタビューからは、作品の背景だけでなく、たくさんのコミュニケーションが生まれていたことが感じられました。
終盤、二人ずつ出てくる短く踊るシーンは、一人ひとりのかけがえのない身体を見つけるとともに、お互いの存在を感じ合える時間となっていました。

写真＝金子愛帆

最後は、観客も巻き込んでのパフォーマンス。今回の公演のタイトルである、日の出（Sunrise）と日の入り（Sunset）のように、舞台と客席の垣根も超えて混ざりあう、あっという間の30分で、かわさきパラムーブメントが目指す多様性や共生社会をイメージした素晴らしい公演となりました。

写真＝金子愛帆

会場：中原市民館（本番）、中原区役所（事前練習）
開催日：2025年7月20日（日曜日）15時25分～16時（本番）
事前練習：2025年6月1日（日曜日）、6月7日（土曜日）、6月21日（土曜日）、7月6日（日曜日）、7月19日（土曜日）
参加者：410人（事前練習（全5回）も含めた参加者延べ150人、公演観覧者約260人）

プロデューサー：藤平真梨（ダンサンブル外部リンク代表）

出演：
藤平真梨
ダンサンブル・プロダンサーの皆さん
城俊彦（じょこピ～）
柳田真梨子（まりまり）
くずうさちこ（さち子）
紫藤祐弥（ゆうや）
山田祐奈（ゆうな）

公募参加者27名（小学生以上～大人）

美術：じょこピ～
美術アドバイス：高梨智恵美
音楽：シュウ・ミウラ
パンフレット作成：ピリ助

1　太陽がのぼるぞ～！
構成：さち子 じょこピ～

2　みんなの風景
構成：藤平真梨 紫藤祐弥

3　コノホシチキュウ！？
構成：まりまり

4　nu beaute
構成：山田祐奈

5　オンリーワンな輝きスパーク⭐
構成：藤平真梨

6　フィナーレ・また明日ね
構成：藤平真梨

インクルーシブ・ダンス公演「Sunrise and Sunset」を収録した動画です。
動画は3本あります。