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労働相談Q&A(2024年3月号)

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このページは、広報誌「かわさき労働情報」のインターネット版です。

使用者からの申出による一方的な労働契約の終了を解雇といいますが、解雇は、使用者がいつでも自由に行えるというものではありません。解雇するには、社会の常識に照らして納得できる理由が必要です。関連する相談事例を3例ご紹介します。

質問

やむを得ず労働者を解雇する場合、どのような点に留意すればいいでしょうか。

回答

労働基準法20条では解雇の予告について『労働者を解雇しようとする場合には、少なくとも30日前にその予告をするか、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない』と定めています。この手続きを行うことで労働基準法上の要件は満たすこととなります。一方、解雇理由の合理性については、労働契約法16条で、『解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合には、その権利を濫用したものとして無効とする』と定められています。例えば、勤務態度に問題がある、業務命令に違反する等、労働者に非行があった場合でも、教育指導など使用者側の改善への努力の有無を勘案して妥当性が問われます。妥当でなければ、解雇権の濫用として解雇が無効とされる場合もあります。

質問

当社では、3か月の試用期間を設けていますが、今回採用した社員はいくら指導しても改善されないため本採用しない方針です。このような場合でも、解雇予告は必要なのでしょうか。

回答

労働基準法21条では、解雇予告の適用除外のひとつとして『試の使用期間中の者』を挙げています。しかし、試の使用期間中の者でも、14日を超えて引き続き使用されるに至った場合には、予告が必要となります。会社で定めている試の使用期間の如何にかかわりなく、入社後14日を超えれば解雇予告を要するとされているため、試用期間を終えた時点で、やむを得ず解雇せざるを得ない場合、30日分の予告手当を支払う必要があります。

質問

労働基準監督署長の『解雇予告除外認定』を受けることにより、解雇予告なしで解雇することができると聞きました。どのようなケースが該当するのでしょうか。

回答

『天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能な場合』または、『労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合』、労働基準監督署長の認定を受けることにより、労働基準法20条に定める解雇の予告や解雇予告手当の支払いをしないで解雇することができます。具体的には以下のケースが該当します。

  • 『天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能な場合』とは?
    事業場が火災により焼失した場合、または震災に伴う工場、事業場の倒壊、類焼等により事業の全部又は大部分の継続が不可能になった場合をいいます。
  • 『労働者の責に帰すべき事由』とは?
    (1)極めて軽微なものを除き、事業場内における盗取、横領、傷害等刑法犯に相当する行為のあった場合
    (2)賭博、風紀びん乱により職場規律を乱し、他の労働者に悪影響を及ぼす場合
    (3)他の事業へ転職した場合
    (4)原則として2週間以上正当な理由なく無断欠勤し、出勤の督促に応じない場合
    (5)出勤不良または出欠常ならず、数回にわたって注意を受けても改めない場合

詳しくは、『解雇予告除外認定について(厚生労働省)』外部リンクをご参照ください。

川崎市では労働相談を実施しています。詳しくは川崎市ホームページをご確認ください。

編集後記

あっという間に年度末となりました。昨年5月には新型コロナウイルス感染症が5類に引き下げられ、徐々に日常生活が戻ってきように感じます。個人的には、子供の入学があり、運動会や文化祭等さまざまな学校行事が通常通り実施されて嬉しく思いました。一方、能登半島地震に関連して、子供たちの集団避難というニュースを目にしました。避難する本人はもちろん、送り出す家族に思いを馳せると胸が苦しくなります。被災地に一刻も早く日常生活が戻ることを祈りたいと思います。日々を当たり前に過ごせることに感謝しつつ。