実施中の共同研究について
令和4年度実施中の共同研究
令和4年度は以下の共同研究を実施しています。
公募型
国立研究開発法人 物質・材料研究機構
オフィスの空調の省エネに貢献する調光ガラス開発
近年、オフィスや商業施設などの大型化により、開放的で大型の窓が使用されていますが、そのほとんどは日差しを防ぐためにブラインド等を設置しています。そのため、開放的な景色と遮光の両立が課題となっています。
この研究では、既存の窓枠に設置可能で遮光部分と透明部分の割合を自由に変えることができる調光ガラスの開発や性能の検証等を行っています。

タテ10cmヨコ10cmのガラスを木枠にはめ込み、環境総合研究所のガラスに設置。今後、ガラスの大型化を目指して、研究開発を進めます。
ガラスの遮光量を計測する実験を環境総合研究所にて実施。
学校法人 東京理科大学
マイクロプラスチック排出量評価技術の開発
マイクロプラスチックは近年、大きな社会問題となり、生態系への影響等が懸念されています。
この研究では、市内河川におけるマイクロプラスチック排出量の実態把握を行い、観測結果等を用いたマイクロプラスチック排出量評価手法の確立を目指しています。

高温や紫外線等で劣化し小さな破片になったものや元々5mm未満のプラスチックを総称してマイクロプラスチックと呼びます
マイクロプラスチック採取の様子
J&T環境株式会社
複合発酵を利用した廃プラスチック減容化技術の開発
近年、中国・東南アジアでの廃プラスチック輸入禁止措置を受けて、国内に滞留する廃プラスチックの適正処理が求められています。
本研究では、処理する廃プラスチックをプラスチック分解菌を用いて分解処理し、全体の減容化・易燃化を目指すものです。
プラスチック分解菌が潜んでいる可能性がある廃プラスチックを浮島処理センターで採取

採取したサンプルから菌を培養し、プラスチック分解菌を見つけ出します
株式会社富士通ゼネラル
暑熱環境下の現場労働者の生体反応の解明とウェアラブルエアコンの暑さ対策と省エネ効果の検証
気候変動による問題は年々深刻化しており、過酷な労働現場における熱中症対策や脱炭素化に係る取組への対応が急務となっています。
この研究では、「ウェアラブルエアコン」を実際の現場労働者に装着してもらい、作業時の生体反応データや暑さの主観評価などを総合的に分析することで、効果的な暑さ対策の検討や既存のエアコンの代替手段としての「ウェアラブルエアコン」活用による電力削減効果の検証などを行います。

「ウェアラブルエアコン」首に装着して頸動脈を冷やす身に着けるエアコン

作業時の生体反応測定と暑熱環境調査
株式会社サンオータス
再エネ×IoTを利用したクリーンモビリティによるCO2削減に関する研究
市内の運輸部門における脱炭素を推し進めるため、次世代自動車等の導入促進や各インフラにおける拠点整備等が急務となっています。
この研究では、再生可能エネルギーを由来とする電力を活用したEVカーシェア拠点を市内各地に設置し、「CO2排出量の少ない交通手段の提供」と「次世代自動車の導入・活用」を推し進めます。さらに、本実証を通じて削減されたCO2の見える化を図ります。

設置したE-Cube

試乗会の様子
連携型
SOMPOデジタルベンチャーズ株式会社
SaaSシステムを利用した災害時被害予測に関する共同研究
気候変動によるさまざまな影響が顕在化しており、近年の風水害は市民生活や事業活動に多大な影響を及ぼしています。
今後も発生するであろう風水害に適応するためには、都市インフラや河川データ等を組み込んだAIを活用した洪水被害予測システムを構築活用していくことが必要となってくることが想定されます。
環境総合研究所と共同研究者は互いの技術と情報を持ち寄り、上記システムを活用した共同研究を行います。
信号器材株式会社(令和2年8月で共同研究終了)
溶融噴射式遮熱塗料の効果検証
独自の溶融噴射式カラー舗装の技術をベースに遮熱顔料を組み合わせたアスファルト路面用の塗装剤を開発しました。
塗料を施工することによる遮熱効果等を検証しました。
この遮熱塗料は現在もかわさきエコ暮らし未来館駐車場に設置しております。

かわさきエコ暮らし未来館に設置した遮熱塗料
各共同研究のパンフレット
国立研究開発法人 物質・材料研究機構(PDF形式, 1.76MB)
概要パンフレット
学校法人 東京理科大学(PDF形式, 2.40MB)
概要パンフレット
J&T環境株式会社(PDF形式, 1.81MB)
概要パンフレット
株式会社富士通ゼネラル(PDF形式, 2.27MB)
概要パンフレット
株式会社サンオータス(PDF形式, 1.68MB)
概要パンフレット
お問い合わせ先
川崎市 環境局環境総合研究所
電話:044-276-8964

