HIV/エイズの基礎知識について
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HIV/エイズ(AIDS)とは
1 HIV感染とエイズの違いについて(HIV感染≠エイズ)
「エイズ(AIDS)」(注1)とは、「HIV」(注2)というウイルスに感染することによっておこる病気の総称ですが、HIV感染=エイズということではありません。
注1 AIDS(Acquired Immune Deficiency Syndrome):後天性免疫不全症候群
注2 HIV(Human Immunodeficiency Virus):ヒト免疫不全ウイルス
HIV感染
体の中にHIVが存在している状態をいいます。自覚症状がほとんどないので、本人が気づくことは非常に難しいです。
エイズ
HIV感染によって体の免疫力が低下すると日和見感染症(注3)などを発症するようになります。特に、「指標疾患」(注4)を発症した場合、エイズと診断されます。
注3 日和見感染症:本来なら自分の免疫力で抑えられるような病原体が原因で発症する感染症
注4 指標疾患:カンジダ症や非ホジキンリンパ腫など厚生労働省が定める23種の指標疾患外部リンク
2 HIV/エイズの経過
HIVに感染してもすぐエイズを発症するわけではありません。
HIVに感染すると、数週間以内にインフルエンザに似た症状(発熱・筋肉痛・頭痛など)が現れる場合があります。
その後、自覚症状のない時期が数年続き、さらに進行すると、病気と闘う免疫力が低下していきます。「指標疾患」を発症した時点で、エイズと診断されます。
現在はさまざまな治療薬が出ており、きちんと服薬することでエイズ発症を予防することが可能になっています。
3 HIV/エイズは増えているの?
昭和56年(1981年)に最初のエイズ症例が報告されて以来、世界中へHIV感染が急激に広がりました。現在は多少ペースが鈍化したもののHIV感染者数・エイズ患者数は増え続けており、令和3年(2021年)末現在、HIVとともに生きている人は世界で3,840万人となっています。また、令和3年(2021年)に新たにHIVに 感染した人は150万人、エイズ関連疾患によって亡くなった人は65万人となっています(国連エイズ合同計画(UNAIDS)より)。
日本では、令和4年(2022年)の新規HIV感染者/エイズ患者報告数は884件となり、令和3年(2021年)よりも減少しており、6年連続での減少となりました。そのうち、HIVに感染していたことを知らずに、エイズを発症して初めて気づいたというケースが、新規HIV感染者・エイズ患者数の約3割を占めています。
川崎市のHIV/エイズの発生動向
令和5年(2023年)、川崎市内の医療機関から報告された新規HIV感染者/エイズ患者報告数は10件でした。報告件数は減少傾向にありますが、診断時にすでにエイズを発症していることも多く、早期発見が重要といえます。
5 感染を防ぐには?
HIVは血液や精液、膣分泌液などに含まれますが、感染力が弱いため、日常生活(握手・入浴・缶などの回し飲みなど)ではうつりません。主に次の3つの感染経路に限られているため、正しい知識を持って予防対策をとることで、HIV感染のリスクを減らすことができます。
6 感染・発症したら治せるの?
今のところ、体の中にあるHIVを完全に取り除くことはできません。ただし、医療の進歩によってさまざまな治療薬が開発されたおかげで、体内にいるHIVの増殖をおさえ、免疫力を維持することが可能になっています。
万一、HIVに感染、またはエイズを発症しても、薬を飲み続けるなど適切な治療を継続することによって、普通の生活を送ることができますし、子どもを安全に出産することも可能です。
なお、エイズ発症後での治療は、発症前と比べて難しくなるため、より高い治療効果を得るためには、HIV感染を早期に発見し、早期治療につなげることが大変重要です。
転載元について
上記の内容は、政府広報オンライン『ストップエイズ!今は「不治の特別な病」ではなく、コントロール可能な病気です。まずは早めにHIV検査を』から一部転載しています。
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