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2.1.1 子どもの権利に関する実態・意識調査

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2005年1月19日

コンテンツ番号26306

(1) 子ども、おとな、職員に対するアンケート調査(2002(平成14)年3月)

ア 川崎における子どもの権利意識の状況

子どもの権利の普及

 川崎市における広報等の努力によって、子どもの権利条約、川崎市子どもの権利条例について、内容の認識という点では不十分ながらも、ある程度普及し、知られてきていることである。
 子どもの権利条例の認知度は、2000(平成12)年12月~01年1月の川崎市青少年意識調査時点(2000年12月子どもの権利条例制定、2001年4月1日施行)で市民9.9%、中学生15.6%であったが、今回の調査では子ども、おとなの平均では41.8%になっている。内訳は、子どもの認知度が45.2%、おとなの認知度が31.0%であり、「子どもがいるおとな」に限ってみると約50%となっている。認知の手段としては、条例を知っているおとなの約7割が広報パンフレット等で、子どもの約7割は学校で知ったという。また、子どもが自分の権利を学ぶ機会があると、職員の6割が答えている。こうした点から、学校での権利学習を初めとしたさまざまな取組が一定の効果をあげているといえる。
 なお、小学生年代56.6%、中学生年代43.5%、高校生年代31.6%と年齢があがるにつれ条例認識度が低くなる傾向がある。高校生年代について言えば、市立高校が5校で市立高校生のその年代に占める割合が少ないことも理由の一つであろう。

イ 子どもの権利侵害の実態と課題

4割の子どもが「つらい」体験

 子どもにとって安心してくつろげる場所について、「ある」と回答した子どもの割合は94.5%である。子どもにそのような場があると回答した職員は82.2%、おとなは77.0%である。また、85.9%の子どもは学校生活が楽しいと感じている。その一方で、子どもの権利について深刻な現実がある。
第一には、権利侵害と見られる行為が子どもの身辺に広がっていることである。親による体罰の経験を持つ子どもは37.6%である。「まわりの人から大切にされている」と「思わない」、「あまり思わない」子どもも全体の2割強を占めている。
子どもの39.3%が「つらくてどうしようもないことを人から言われたり、されたりしたこと」があると回答しているが、そのうちの7割は友達からのいじめにあっているという。また、セクハラに関連して、おとなから「体をさわられたり、変なことをさせられたこと」を経験した、あるいは経験している子どもが78人(9.6%)いることは深刻である。

つらくてもがまん、安心できない子どもたち

 第二には、このような権利侵害を受けていても、これを権利侵害とは受けとめられないでがまんしてしまう子どもが目立つことである。親の体罰についても「しかたがない」として肯定する子どもは43.9%、「つらくてどうしようもない」経験をもつ子どものうち、「やめてもらおうとした」子どもは21.5%に過ぎず、「がまんした」子どもは34.9%、「つらいままだった」子どもは21.0%、合計55.9%と、半分を超える子どもは権利侵害に甘んじてしまっている。
 第三には、条例が定めた七つの権利のなかで、「大切だと思うもの」は、子どもの6割が「安心して生きる権利」であり(おとな74.1%、職員73.4%)、いじめや暴力など「つらい思い」をした時に学校等の生活の場に「安心して相談できるところ」がない子どもは24.6%もいる。「わからない」と回答した子どもは36.7%であり、相談できる場を持たない、知らない子どもの割合は全体の61.3%となっている。子どもの権利保障においても、安心がキーワードである。

ウ 子どもとおとなの意識のズレの問題

 以上のような子どもの権利侵害状況のなかで、今後川崎市において子どもの権利の実現を図っていくためには、自分の権利を認識し、行使していく主体でもある子どもたちとおとながどう協力し合っていけるかが実践的な課題となろう。そのためには、子どもとおとなが子どもの権利に関する考え方をできる限り共有していく必要がある。
 そうした視点から、今回の調査のなかで子ども・おとな・職員共通の質問事項を比較検討してみると、いくつかの子どもの権利認識において、子どもとおとな、職員の間に意識のズレがあることを確認することができた。

ありのままの自分でいたい子ども、おとなとは温度差

 第一には、子どもの「大切だと思う」権利と、おとなのそれとの認識のズレである。「ありのままの自分でいる権利」は子ども全体で第2位、34.3%であるのに対して、おとなは第4位、18.4%である。逆に、「自分を守り、守られる権利」は、子どもの場合は6位、16.3%と低いのに対して、おとなは第3位、25.2%と高くなっている。条例の制定過程でも子どもからありのままの存在を尊重してほしいというアピールが出され、自由記述でも子どもから「気持ちをわかってほしい」「意見を聴いてほしい」との声が多く寄せられたが、親に認めてもらえない、おとな社会に否定されているように感じている子どもの姿が垣間見られる。

子どもとおとなのすれ違い

 第二には、生活の場面で「自分で決める」ことを求める項目の差異である。
 例えば、子どもが自分で決めたいと思っている、また、おとなが子どもが決めてもいいと思っている項目を見ると、子どもとおとなでは大きな違いがあることがわかる。子どもの希望が高く、おとなが低い項目では、「テレビゲーム、学校での髪型、家に帰る時間、アルバイト」等があがる。逆に、子どもの希望が低く、おとなが高い項目は、「習いごと、塾、クラブ活動・部活動、趣味活動」等があげられる。子どもは自分の自由にある時間は自分で決めたいと思い、おとなはおとなの目に届くところについては子どもの希望を尊重したいと思っているようであるが、子どもの場合は自分で決めることのできる範囲を狭めているようにみられる。
 第三には、何でも話せる人について、子どもは「友人」が大勢(81.7%)を占めているのに対して、おとなは、「親」のはずという思い(83.6%)があり(子どもにとっては「親」は55.3%)、意識のズレは大きい。また、子どもが何でも話せる人として「兄弟・姉妹」を捉えるおとなは40.1%、職員は45.6%と高いのに対し子どもの回答は26.9%と低い。職員では「学校の教職員」が28.9%と高く、子ども(12.4%)、おとな(8.1%)とのズレがある。

エ 川崎の子どもの参加の実態と課題

 今回の調査では、第1期子どもの権利委員会に対する諮問事項である「子どもの参加」については、川崎市における参加支援をどう進めていくか、その実態や課題に関していくつか基礎的なデータを得ることができた。

子どもの参加の「少数固定化」傾向

 川崎市における子どもの参加の実態については、子どもの参加の「少数固定化」傾向を指摘することができる。条例が掲げた「参加する権利」に関する注目度(重視する意識)については、子ども、おとな、職員、どれをとってみても、七つの権利中、最下位である(子ども10.6%、おとな11.0%、職員8.5%)。このようななかで、子どもの中で参加に意欲を示す子どもは少数であるが、条例を知っている子どものうち児童会・生徒会活動に参加したいと思ったことのある子どもが多く(43.5%、知らない子どもでは27.8%)、さらに児童会・生徒会活動に参加したいと思った子どもは地域でも発言を希望する子どもが多い(60.7%、思ったことのない子どもでは24.1%)。参加する子どもが「少数固定化」傾向にあるといえる。

児童会・生徒会における参加の課題

 とくに学校における子どもの参加については、制度改善が図られつつも、なお多くの課題があることがこの調査を通して理解できる。児童会・生徒会の活動について、参加意欲を持っている子どもは34.9%、「ない」と回答した子どもは64.3%である。「学校生活を楽しいと感じている」子どもが85.9%いるにもかかわらず、学校生活のなかで児童会・生徒会活動を「楽しく感じる」子どもは5.1%であった。また、「学校教育推進会議」のような学校の先生、親、地域の人たちとの話し合いへの参加意欲のある子どもは37.8%である。
 なお、「参加しない理由」としては、「めんどうくさい」が圧倒的に多く、子ども全体の56.5%である。2番目には「目立ちたくない」が入っている。なお「参加したい理由」のなかでは、「おもしろそう」が子どもたちの44.9%を占めており、「学校生活をよくしたい」(32.7%)「学校への不満」(8.9%)を上まわっている。「面白ければ参加したい」という子どもの感性を十分に受けとめた参加支援が求められているともいえる。

めんどうくさいの背景にある疲れ

 なお、学校における子どもの参加に関しては、とくに「めんどうくさい」層の壁を越えていくことが重要であるといえる。その際には、「めんどうくさい」という言葉で表現されている子どものさまざまな思いを受け止めていく必要がある。
 今回の調査では、子どもたちの85.9%が、「学校生活は楽しい」と答えているが、その上位は、「友達との交流」(87.0%)、「休み時間」(73.9%)が占めており、また、「学校に行きたくないと思った」子ども(67.1%)のうち6割強は「疲れていた」をあげている。「めんどうくさい」という意識の裏には子どもの「疲れ」があるように思われる。おとなと比較すると、職員で「子どもが休みたいと感じている」との回答が86.7%と高くなっており、その理由として51.8%が「疲れていたから」を揚げているのは教職員がそのことを理解していることを表していると言える。
 今後、学校における子どもの参加を進めていく際には、その条件整備をすること、とくに子どもの生活の見直しや子どもの休息・余暇権の保障などを検討していく必要があるように思われる。

学校の情報の開示 おとなと職員の意識のズレ

 「子どもが内申書などの情報を知ることができる」と思っている職員が43.8%に対し、おとな(8.5%)、子ども(21.2%)とも情報へアクセスできると思っている割合は低く、学校での情報開示に対して職員とおとな、子どもの間に認識のズレがある。子どものなかでも、自分の情報にアクセスできないと思う小学生年代が14.4%に対し中学生年代29.7%、高校生年代は40.6%と年代が上がるにつれ、割合が高くなっている。
 また、おとなは子どもの記録の情報開示が十分だと「思う」(1.7%)、「やや思う」(6.8%)を合わせても1割に満たないのに対し、職員の4割強が「思う」(15.8%)「やや思う」(28.0%)と回答しており、ここでも意識のズレが見られる。

地域における子どもの参加の可能性

 「地域の環境や活動について発言したい」と思う子どもは36.9%、思わない子どもは62.3%である。発言したい理由として「地域を良くしたい」(45.6%)、「他の人と交流したい」(41.9%)、「おもしろそう」(32.7%)が上位で、つづいて「地域の子どもとして活動したい」(25.4%)、「自分の地域に関心がある」(21.2%)、「自分の地域に不満がある」(20.4%)などがあげられる。発言したくない理由としては、「面倒くさい」(49.7%)、「変わりそうもない」(36.8%)、「やり方がわからない」(31.9%)などが上位にきている。
川崎市子ども会議の認知度をみると他の条例項目と比べてかなり高く(子ども43.9%、おとな22.4%)、地域における「子ども会議」などの活動が認められてきていると見ることができる。自由記述をみても地域や子どもの参加を支える環境作りに意見が集まっている。今後、地域における子どもの参加の取組をさらに発展させていくことが一つの大きな課題になっているといってよかろう。

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