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サンキューコールかわさき

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1 基本的な考え方

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(1)これまでの取組や施策の成果をふまえ、着実に進展させる

 委員会は、子どもの参加の検証過程において、無作為抽出(子ども4500人、おとな1500人、学校などの施設の職員1086人)によるアンケート調査、及び多様な文化的背景をもつ子ども、障がいのある子ども、児童養護施設等で生活している子どもへのヒヤリング調査等を実施し、「川崎市子どもの権利に関する実態・意識調査」としてまとめた。また、子ども施策における子ども参加の現状については、行政の自己評価報告を基にした職員との対話、市民や子どもとの対話、さらに教職員や子どもたちからのヒヤリングなどを実施し課題を把握した。このような調査を基に審議し「子どもの参加」について課題を整理し提言を行った。この提言に対して市は、措置を検討し公表した。今回の行動計画についての答申は、公表された措置がより効果的で着実に推進されることを求めるものである。

(2)子どもの権利を基本として進める

 子どもの権利推進にあたっては、子どもの意見表明・参加を、単なる方法論ではなく、条約や条例が求めているように、子どもの権利としてとらえ、保障していくことが重要である。このことは子どもに関する取組や施策全体を進めるうえで基本となるものである。
 子どもを権利の主体として、子どもの権利を基本に取組や施策を進めることは国際的な動向に合致するとともに、国際的な要請でもある。例えば、国連・子どもの権利委員会が条約の日本報告審査後に出した「総括所見」(2004(平成16)年1月)においては、立法、計画策定、あるいは広報や教育等において「子どもの権利基盤型アプローチ」(注1)の必要性が強調され、具体的な施策が求められている。さらに、ユニセフが進める国際戦略「子どもに優しいまち」においても、条約の一般原則(差別の禁止、子どもの最善の利益の確保、生命・生存・発達の権利、子どもの意見の尊重)を基本にして、子どもの参加をまちづくりの中心的な要素として位置づけている。

(注1) 子どもの権利に関する条約の趣旨や規定、特に一般原則に準拠した考え方や取組

(3)市民とともに策定し実施する

 「子どもの参加」の検証や本答申にあたって、市民や子どもの意見をできるかぎり丁寧に聴き取ってきた。
 「はじめに」でも指摘したように、また、3や「おわりに」でも提言するように、市が行動計画を策定するにあたっても、子どもをはじめとした市民とともに考え行動することを基本とすることが重要である。そして、一人ひとりの子どもが遊び、学び、さまざまな体験をする生活の場で、権利が保障されるには、子どもや子どもの支え手であるおとな(市民、市民グループ等、職員)が、権利保障を図る主体であるという自覚をもち行動することが必要である。

(4)条例の総合的かつ計画的な実施のなかで取り組む

 条例施行により、条例で定められた施策・事業が推進され、子どもの権利の視点が市のさまざまな施策・事業のなかに広がりをみせはじめている。
 そうした状況をより一層進めるとともに、川崎の子どもの置かれている状況、子どもの思い・願いを総合的に勘案すると、子どもの権利保障を推進するためには、(1)子どもの意見表明・参加の促進、(2)子どもの居場所の充実、(3)子どもの権利侵害についての相談・救済、(4)子どもの権利に関する意識の向上、(5)個別の必要に応じた支援の充実、(6)推進体制の充実などを目標として掲げ、総合的かつ計画的に施策を推進していくことが重要である。
 今回の「子どもの意見表明・参加」を中心とした行動計画も、このような総合的かつ計画的な施策という視点と体制のもとで進めていくことが必要である。