個人情報保護制度の概要
現代における情報通信技術の発展は、大量の個人情報の収集、保有及び利用を可能にし、社会、経済、文化等にわたる広範な領域において市民生活に便利さと豊かさをもたらしています。
しかし一方では、個人情報が不適正に取り扱われた場合には、個人の権利利益を侵害するおそれがあります。
川崎市では、個人情報を保護することが個人の尊厳の維持を図るために必要であることから、川崎市個人情報保護条例(以下「条例」といいます。)を昭和60年に制定し、個人情報の適正な取扱いに関して必要な事項を定め、川崎市が保有する個人情報の開示等の権利を保障することにより、公正で民主的な市政の実現と市民生活の向上を目指しています。
川崎市が保有する個人情報の取扱いについて
定義
1 「個人情報」とは(条例第2条第2号)
個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの、個人識別符号が含まれるものをいいます。
また、ひとつひとつの情報では特定の個人が識別できなくても、他の情報と照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものも個人情報になります。
2 「個人識別符号」とは(条例第2条第3号)
個人識別符号とは、その情報単独で特定の個人が識別されるものであり、(1)身体の特徴をデータ化したもの(DNAデータ、静脈データ、指紋・掌紋データ等)、(2)特定の個人に割り当てられた番号(旅券番号、運転免許証番号、マイナンバー等)の2種類があり、対象となる情報は川崎市個人情報保護条例施行規則で定められています。
3 「要配慮個人情報」とは(条例第2条第4号)
要配慮個人情報とは、不当な差別や偏見その他の不利益が生じないように、その取扱いに特に配慮を要する個人情報です。
本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして規則で定める記述等(障害、健康診断結果等、医師の指導等、本人を被疑者等とする刑事事件、少年事件に係る手続き等)が含まれる個人情報を、要配慮個人情報と定義しています。
4 「保有個人情報」とは(条例第2条第5号)
川崎市の職員が職務上作成し、又は取得した個人情報であって、職員が組織的に利用するものとして、川崎市が保有しているものをいいます。公文書(川崎市が管理する文書、図画及び電磁的記録をいいます。)に記載されている個人情報が、保有個人情報となります。
川崎市、事業者、市民の責務
1 川崎市の責務(条例第3条)
個人情報を保有するときは、個人情報に係る基本的人権の侵害を防止するための措置を講ずるとともに、あらゆる施策を通じて個人情報の保護に努めなければなりません。
2 事業者の責務(条例第4条)
法人、その他の団体及び事業を営む個人は、事業活動に関連して個人情報を保有するときは、個人情報の保護の重要性を認識して、個人情報に係る基本的人権の侵害を防止するための措置を講ずるとともに、個人情報の保護に関する川崎市の施策について協力しなければなりません。
事業者の保有する個人情報は、個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)で取扱い等が定められていますが、条例で川崎市の施策への協力も定められています。
3 市民の責務(条例第5条)
市民は、相互に個人情報の重要性を認識し、この条例により保障された開示請求等の権利を正当に行使するとともに、個人情報の保護に関する川崎市の施策について協力しなければなりません。
川崎市の保有する個人情報の取扱いについて
1 個人情報は事務遂行に必要な範囲で保有します(条例第7条)
川崎市は、その所掌する事務を行うために必要な場合、利用目的をできる限り特定し、その利用目的達成に必要な範囲の個人情報を保有します。
条例第2条第4号に定める要配慮個人情報については、原則として保有しません。ただし、次の場合は、これらの情報を保有することがあります。
- 法令の定めがあるとき。
- 実施機関が情報公開条例第33条に規定する川崎市情報公開運営審議会の意見を聴いて正当な行政執行に関連しその権限の範囲内において行われると認めたとき。。
2 個人情報ファイル目録を公表します(条例第9条)
個人情報ファイルは、保有個人情報を含む情報の集合物で次のものをいいます。
- 一定の事務の目的を達成するために特定の保有個人情報を電子計算機を用いて検索できるように体系的に構成したもの(コンピュータ処理をするもの)
- 一定の事務の目的を達成するために氏名、生年月日その他の記述等により特定の保有個人情報を容易に検索することができるよう体系的に構成したもの(紙で保管するもの)
3 個人情報は利用目的を明示して、直接本人から収集します(条例第10条)
個人情報を収集する場合は、業務の名称及び法令の根拠、利用目的、個人情報の記録の内容、保有個人情報の管理責任者等を明らかにして原則として直接本人から個人情報を収集します。ただし、次の場合は、本人以外から収集することがあります。
- 本人以外のものからの収集について法令の定めがあるとき。
- あらかじめ本人の同意があるとき。
- 出版物等によって既に公にされている資料から誰でも知ることができる情報であるとき。
- 時間的余裕がなく緊急やむを得ない理由があるとき。
- 所在不明、精神上の障害による事理を弁識する能力の欠如等の理由により、本人から収集することが困難であるとき。
- 公益上必要があると情報公開運営審議会の意見を聴いて認めたとき。
4 利用目的の範囲を超えた利用、提供をしません(条例第11条)
利用目的の範囲を超えて保有個人情報の利用及び川崎市以外への提供を行いません。ただし、次の場合はこれらの情報を利用、提供することがあります。
- 法令の定めがあるとき。
- 正当な行政執行に関連があるとき。
- 出版物等によって既に公にされている情報であるとき。
- 本人の生命、身体又は財産を保護するために特に必要があると認められるとき。
- あらかじめ本人の同意を得ているとき。
- 情報公開運営審議会の意見を聴いて認めたとき。
目的の範囲を超えて川崎市以外へ保有個人情報を提供する場合、提供先においての提供目的以外の利用の禁止や漏えいの防止、適切な管理のために必要な措置を講ずることを求めます。
5 川崎市以外のものと通信回線による接続をして保有個人情報を処理するときの措置(条例第12条)
原則として川崎市以外のものとの間において通信回線による電子計算機の接続をして保有個人情報の処理を行いません。ただし、次の場合には保有個人情報の処理を行います。
- 法令の定めがあるとき。
- 情報公開運営審議会の意見を聴いて認めたとき。
川崎市以外のものと通信回線による接続をして保有個人情報の処理を行う場合は、接続先において十分な個人情報の保護対策が図られていることを確認し、接続先において漏えいの防止、適切な管理のために必要な措置を講ずることを求めます。
6 保有個人情報管理責任者を定め、適正な維持管理を行います(条例第13条)
保有個人情報の保護を図るため、保有個人情報管理責任者を定め、利用目的の達成に必要な範囲内で正確かつ最新なもので保有し、漏えい、改ざん、滅失、き損、その他事故を防止するために必要な措置を講じます。
川崎市は、保有個人情報の保有が必要でなくなったときは、速やかにその保有個人情報を廃棄又は消去します。
7 保有個人情報を取り扱う業務の委託等に伴う措置(条例第14条)
川崎市から個人情報を取り扱う業務の委託を受けた受託者及び指定管理者は、川崎市に準じた個人情報の取扱いを行うものとします。
受託者及び指定管理者に対して、個人情報の保護を図るために、受託業務等に関し、個人情報の適正な維持管理等のために必要な措置を講じさせます。
8 個人情報を取り扱う職員及び受託業務等従事者の義務(条例第15条)
個人情報を取り扱う川崎市の職員(退職した職員を含む。)及び受託業務等に従事している者(従事していた者を含む。)は、その業務に関して知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせません。また、不当な目的に利用しません。
保有個人情報の開示請求等の権利
- どなたでも、川崎市が保有する自己を本人とする個人情報について、開示請求をすることができます(条例第16条)。
- どなたでも、川崎市が保有する自己を本人とする個人情報の内容に事実の誤りがあるときは訂正請求をすることができます(条例第21条)。
- どなたでも、川崎市の保有する自己を本人とする個人情報が、適法に取得されたものでないとき、利用目的の範囲を超えて保有されているとき、条例の規定に違反して目的の範囲を超えて利用されているときは、利用の停止請求、消去請求をすることができます(条例第23条)。
- どなたでも、川崎市の保有する自己を本人とした個人情報が、条例の規定に違反して目的の範囲を超えて川崎市以外のものに提供されているときは、提供の停止請求をすることができます(条例第23条)。
請求の内容を確認し、開示請求については請求があった日から15日以内に、その他の請求については請求があった日から30日以内に諾否の決定を行います(条例第27条)。
保有個人情報の開示等の諾否の決定に不服がある場合は、行政不服審査法による不服申立てをすることができます(条例第33条)。
苦情相談
個人情報の保護や個人情報の取扱いに関する苦情は、個人情報保護委員が対応します(条例第36条)
川崎市、事業者等の個人情報の保護及び個人情報の取扱いについて苦情があるときは、保護委員による個人情報保護相談を御利用ください。
相談・面談時間は、原則、第1・第3水曜日の午後2時から午後4時になります。事前に下記の電話番号へ予約してください。
電話番号 044-200-2107
不正な利用を行った者への罰則
次のような行為を行った場合には、懲役や罰金などの罰則が適用されます。
- 川崎市の職員(退職した職員を含む。)又は受託業務等に従事している者(従事していた者を含む。)が、正当な理由がないのに、個人の秘密に属する事項が記録されたコンピュータ処理による個人情報ファイルを提供したとき(条例第45条)。
- 川崎市の職員(退職した職員を含む。)又は受託業務等に従事している者(従事していた者を含む。)が、その業務に関して知り得た保有個人情報を自己や第三者の不正な利益を図る目的で提供・盗用したとき(条例第46条)。
- 川崎市の職員が職権を濫用して、職務とは無関係に個人の秘密に属する事項が記録された文書、図画又は電磁的記録を収集したとき(条例第47条)。
- 偽りや不正な手段により、本人以外の者が保有個人情報の開示を受けたとき(条例第49条)。
情報公開運営審議会、情報公開・個人情報保護審査会
公文書公開制度、個人情報保護制度、会議公開制度などの統合的情報公開制度の適正・円滑な運営を推進するために、市長の附属機関として、川崎市情報公開運営審議会を設置しています。市民委員、学識経験者など15人以内の委員で構成され、個人情報の適正な取扱いについても審議を行います。
また、公文書開示請求、保有個人情報の開示請求等の決定に対する不服申立てについて調査審議するため、市長の附属機関として、川崎市情報公開・個人情報保護審査会を設置しています。学識経験者8人以内の委員で構成され、川崎市の諮問を受け第三者の視点で調査を行います。
事業者、地域の団体における個人情報の取扱いについて
平成29年5月30日に個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)の改正法が施行されました。
改正個人情報保護法では、保有している個人情報の件数に関わらず、個人情報をデータベース化してその事業活動に利用している事業者等(自治会、商店街、PTAなどの団体を含みます。)は個人情報取扱事業者となり、個人情報保護法の義務規定の対象となります。
個人情報の保護に関する市民、事業者の意識は非常に高まっていますが、中には法の定め以上に個人情報の利用や提供を控えてしまう、いわゆる過剰反応ともいえる状況がおきています。
個人情報は、保護と利用のバランスが大切です。
個人情報保護制度を正しく理解し、個人情報を適切に管理しつつ、上手に活用していきましょう。
事業者、地域の団体における個人情報の取扱いについては、個人情報保護委員会のホームページをごらんください。
国の行政機関、独立行政法人等の個人情報の取扱いについて
国の行政機関、独立行政法人等の個人情報の取扱いについては、総務省神奈川行政評価事務所のホームページをごらんください。
お問い合わせ先
川崎市 総務企画局情報管理部行政情報課 情報公開担当
〒210-8577 川崎市川崎区宮本町1番地
電話:044-200-2107
ファクス:044-200-3751
メールアドレス:17gyozyo1@city.kawasaki.jp

