川崎市の取り組み
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本市のごみ焼却処理施設である処理センターの事業活動に伴う環境負荷の低減を図り、廃棄物処理事業の適正かつ円滑な運用の推進に資するため、環境局施設部環境マネジメントシステムを構築し、運用しています。
環境マネジメントシステムとは
環境マネジメントシステムとは、組織(企業、官公庁、学校等)が、自らの活動が環境に与える影響を管理するために、まず組織の最高責任者が、組織の環境へ対する考え方の声明として環境方針を立て、組織の環境負荷がどの程度あるか現状把握し、環境方針を実現し、環境への負荷を可能な限り低減するような計画を策定し、その計画を実施し、その実施状況、経過及び結果を点検及び是正し、もし不都合があれば計画及び実施方法を見直し、再度計画を立てるような仕事の仕組みです。この環境マネジメントを構築、運用することで、環境負荷を低減し、事故による環境への影響を低減することができます。
ISO14001
ISO14001は、1996年に国際標準化機構(ISO)が制定した「環境マネジメントシステム(EMS:Environmental Management System)」の国際規格です。
ISO14001は、組織がISO14001に適合した環境マネジメントシステムを構築し、運用していることを第3者からの認証を取得(審査登録)するためや、自己適合宣言するために用いられます。
現状把握(Initial Review)
組織の活動が環境へどのような影響を与えているか、詳細に調査します。さらに、その組織の活動に規制がかかる環境関連の法規制も抽出します。
計画(Plan)
「組織が、どのような考え方で環境に対しての取り組みを行うか」の環境方針を組織のトップが作成し公表することにより、組織の方向付けを行います。つぎに、環境方針を実施するために、環境への負荷を低減する取り組みの計画を作成します。
組織の活動には、環境への負荷が大きいものから、小さいものまでさまざまで非常に数多く存在します。そのなかから、どの環境負荷を低減するかターゲットを決めます。通常、このターゲットは、環境への負荷が大きいものから順に選びます。そのターゲットをどの程度低減するかの目標を設定し、目標を達成するためにどのような取り組みを行うかの計画を作成します。
実施(Do)
計画を実施するための役割と責任者を決め、計画を実施するのに必要な教育や訓練を行った後に計画を実施します。
点検(Check)
計画通りに実施しているか、期待した成果が得られているか、目標を達成できたか(達成しつつあるか)点検します。
見直し(Action)
点検した結果から、計画・実施方法を見直すとともに、環境マネジメントシステムそのものも見直します。そして、不都合があれば同じ問題がおきないように、次の計画に反映させて、環境マネジメントシステムを継続的に改善していきます。
これまでの経緯
川崎市では、これまで、ごみ処理施設による環境への負荷を低減するために、排ガス処理設備の改修、運転管理の徹底、ごみ減量化の推進等を行ってきました。
これらの取り組みだけにとどまらず、ISO14001に基づく環境マネジメントシステム(以下、「EMS」という)を平成13年10月から平成16年10月までに浮島・堤根・橘・王禅寺処理センターでそれぞれ認証取得し、EMSを運用することにより、ごみ処理施設から生じる環境への負荷の低減をより一層目指し、さらなる環境保全に取り組んできました。
EMS構築から認証取得に至るまで職員が積極的にその作業を推進し、その成果の一つとして、EMSを運用していくためのノウハウを職員全員が習得できたこと及び職員の環境への意識がさらに高まったことが、ごみ処理施設から生じる環境への負荷の低減に結びついています。
これらの成果から、EMSの水準が高いレベルを維持し、内部監査等に必要となる資格として、外部機関に認定された審査員補や内部監査員の養成・拡充を行うことで、EMSが充実し、自立されたため、平成20年9月に浮島処理センター、平成21年9月に王禅寺処理センター、平成22年9月に堤根・橘処理センターにおいて、自己適合宣言(注)を行いました。
このことにより、より高い水準でのEMSの運用を自立的に行ってきましたが、環境保全の価値観が組織に深く定着し、また運用等に関するノウハウも十分に蓄積されたことから、環境局施設部に適した環境マネジメントを行うため、平成29年度にISO14001の認証を返上し、平成30年度からは、独自のEMSを運用することになりました。
自己適合宣言とは
ISO14001規格では「組織が、ISO14001規格を採用するにあたり、規格の適用方法として、自己決定し、自己宣言する」というシステムの運用方法が定められています。
本市では、この規定を受けEMSの運用について外部の認証機関による審査に頼らず、適合宣言の一般要求事項の規格であるISO17050及び内部監査の規格であるISO19011を使用して内部監査を実施し、その結果を内外に宣言することを決定しました。
取り組みの成果
関係法令等の公害防止基準を遵守しつつ、自主規制値等の目標を設定し、環境負荷低減の取り組みを実施しました。
(主な目的目標)
・有害ガスの発生抑制
・ごみの完全燃焼
・資源物の回収
・水、電気、ガスの使用量の削減 など
運転管理の教育訓練については、新人職員だけでなくベテラン職員も毎年受けられるような体制作りを行いました。
内部監査及びEMS監査を実施し、不適合に関しては是正処置を行い、再発防止に努めました。
各処理センターの環境への取り組み
お問い合わせ先
川崎市環境局施設部処理計画課
住所: 〒210-8577 川崎市川崎区宮本町1番地
電話: 044-200-2590
ファクス: 044-200-3923
メールアドレス: 30syori@city.kawasaki.jp
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