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1.提言にあたって

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2004年11月8日

コンテンツ番号5633

(1)意識変革・向上が鍵

 子どもの意見表明・参加を促進するためには、子どもの権利とくに意見表明・参加の権利をめぐる意識の変革・向上が鍵になる。
 子どもの参加は、子どもにはその力量がない、あるいは子どもが意見を持てるようになってからだというような問題ではなく、子どもの権利であり、おとなはその権利行使を保障し、支援していくことが要請されている。子どもの権利条約は意見表明権を規定しており、国連・子どもの権利委員会(注5)は、意見表明権を子どもの「意見の尊重」と理解し、一般原則に位置づけるとともに、条約上の権利として子どもの参加の権利を導き出している。このことも背景にして、川崎市子どもの権利条例においても、参加を権利として規定しているのである。学校においては、教育方法としての子どもの意見表明・参加は以前から理論としても実践としても存在している。また、地域の活動においても、行政ではその手法としても、子どもの参加を促進しつつある。しかし、子どもの意見表明・参加を方法や手法のレベルで終わらせずに、子どもの権利としてとらえることが重要である。そのためにも、子どもの意見表明・参加の権利についての広報や教育・学習・研修などが一層重要であり、意識の変革・向上のための総合的な戦略が必要である。

*注5 「国連・子どもの権利委員会」
子どもの権利条約の実施を監視・促進している条約設置の委員会で、1998年に日本に対して第1回目の勧告を行っている。

(2)しくみ・制度づくりに欠かせない子どもの権利主体の形成の視点

 子どもの意見表明・参加の権利保障を推進するためにはしくみ・制度をつくっていくことも重要である。子どもの権利保障の観点から忘れてはならないのはそのしくみ・制度を子どもが利用して権利主体として自らをつくりあげていくという視点がとくに求められているという点である。単に、しくみ・制度をつくれば子どもの意見表明・参加が図られるというものではない。実践を通して権利は身につくものであり、何事にも「めんどうくさい」と消極的傾向のみられる子どもが意見表明・参加していくことができるように、その条件整備を図っていくことが求められる。

(3)子どもの自主的・主体的活動のための条件整備

 また、子どもの参加活動の根本的な部分は、子ども自身の自主的・主体的な活動にある。また、そのような子どもの自主的・主体的な参加活動は、広範な市民、NPO、サポーター等による自主的・主体的な支援活動に支えられるべきものである。中・長期的には、子どもの参加活動への行政の役割は、これら子どもや市民の自主的・主体的活動の展開を前提として、その活動に遂行に必要な諸条件の整備・確立にあるということができる。

(4)提言について

 第1期の子どもの権利委員会は、先述したように、子どもの参加についての検証を通じて子どもの参加をめぐる行政手法の改善にも貢献しようとした。とくに、子どもの参加に関する行政は多様で重層的であるので、子どもの参加場面や参加対象等に応じたよりよい参加のための行政手法の改善・発展をめざすこと、そして子どもが参加することにより当該事業等にどのような成果や効果があったのか、子どもあるいは関係職員等が力をつけたのかなどについて検証してきた。このような検証過程を貫くものは子どもの権利保障を推進するという視点と方法である。
 第3章においては、第2章の検証結果を踏まえて、(1)中・長期的な課題に関する提言 (2)個別施策・事業における課題に関する提言 (3)参加しにくい子どもへの支援に関する提言という3つに分けて構成している。中・長期的な課題に関する提言については、提言に沿って実施していくための課題や条件などを検討する必要がある。個別施策・事業における課題に関する提言は、速やかに実施に移していくとともに行政の現状において実施にあたり最も効果的であることが重要である。

(5)今後の課題

 子どもにかかわる政策・施策・事業の策定にあたっては、子どもの権利を基本に位置づけ、その政策・施策・事業評価の効果として予算や人の削減、事業の改善などのみならず、子どもの権利保障にどこまで貢献したかという視点を位置づけることが不可欠である。このようなしくみは、子ども施策の計画・実施・評価の総合化の方法の一つでもあり、施策評価への子どもをはじめとする市民参加をすすめるものである。
 今回の検証の視点や方法をめぐる委員会自身の検討なども踏まえ、市においては子どもの参加をめぐる行政手法の改善に向けて、当該事業に対する子どもの参加の成果や効果、子どもやおとな・職員等が力をつけたかどうかなどについて自己評価するしくみや方法を一層検討する必要があろう。
 また、参加しにくい子どもへの支援に関する提言については別途項目立てを行い、提言している。今回の提言は、親が外国人の子ども、障がいのある子ども、児童養護施設に入所している子どもについてアンケート調査やヒアリング等を行い、その検討結果を踏まえたものである。しかし、参加しにくい子どもについての調査方法や検証方法も含めて今後の検討課題と考えている。しかし、参加しにくい子どもが参加するために求めているニーズは大変強いものがあり、ここに掲げた提言については、市としてできる最も効果的な方法を検討されたい。なお、子どもの意見表明・参加は、子どもの救済活動においても必要な視点であり、実践課題である。子どもの権利侵害や救済の特質からして、対決型・告発型の対応では問題は解決しない。子どもの救済や回復においては、子どもの権利を侵害している者・状態から子どもを引き離すだけではなく、子どもの最善の利益を確保し、子どもが成長していくための新たな人間関係や環境づくりをしていくことが必要である。そこでは、子どもが単なる救済の対象になるのではなく、子ども自身が解決の主体になり、自尊感情を回復していくことが重要になっていることも付言しておきたい。

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