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4.参加しにくい子どもへの支援に関する提言

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2004年11月8日

コンテンツ番号28309

 何ごとにも受身になりがちな子どもの現状において、参加しにくい状況に置かれている子どもが、能動的な行動、まわりに自発的に働きかける行為全般を権利行使の前提として確保するためには、情報の伝達方法の工夫、意見表明のしやすい環境や手立ての工夫、参加しやすい場づくり等の配慮が求められる。

(1)異文化を背景に持つ子ども

ア 参加のための広報、通訳の派遣、多言語による情報提供を行うこと

 こども文化センター、子育て支援センター、子育て広場、子ども夢パークなどにおいては、外国人の子どもが参加しやすくするための広報等の支援、保育園や幼稚園などでの子どもの参加や親子の参加の支援として、通訳ボランティアの確保や多言語による情報提供が必要である。

イ 学習言語を習得するための支援を行うこと

 帰国・外国人児童生徒教育巡回非常勤講師配置事業を充実するとともに、ボランティアの協力により希望する子どもの誰もが指導を受けられるようにすることが必要である。
 「日本語がわかるようになり、授業内容が理解できたり、自分の意見や考えが周囲に理解してもらえるように表現できるようになったりして、初めて自分の居場所が見つかり、授業や行事など学校生活に参加しているという実感が湧くようになった」という、面接した子どもたちの意見に留意する必要がある。

ウ 異文化理解のための研修、学習機会の提供

 親が外国人の子どもはもちろん、外国での生活が長い帰国児童、二世等異文化を背景にもった子どもが学校や地域のなかで素直に受けとめられ、意見表明ができるように、異文化に対する認識を深めていく必要がある。とくに、学校での取組は重要であり、教職員を対象とした異文化理解のための研修や研修プログラムの研究、子どもへの学習機会の提供を今まで以上に行う必要がある。

(2)障がいのある子ども

ア 子どもの参加機会の拡大を図ること

 障がいのある子どもは家庭や学校で過ごすことが多く、そのほかのさまざまな場、とくに地域活動に参加することは少ないという事実が調査結果(「川崎市子どもの権利に関する実態・意識調査」)で確認されている。本来、障がいがあろうとも子どもが行きたい場所へ行き、やりたいことをやることができるように社会が子どもを支えていくことが求められている。しかし、現実には障がいがあることで子どもが情報から遠い存在になってしまったり、意見表明を行うのに困難な状況にある場合も多い。

 障がいの種類や程度により求められる支援の方法も異なるが、子どもの意見表明・参加の権利の行使を確保する視点から、情報提供や移動の自由を確保するための支援等きめ細かな支援をしていく必要がある。

イ 保護者・教職員等の支え手の支援

 障がいのある子どもが保護者や学校の教職員と触れ合う時間が長く、強い信頼関係が築かれている場合が多い反面、支え手である保護者や教職員に過度に負担がかかりすぎているように見受けられる。
 少数の支え手に負担が偏り過ぎないようにするためにも、(1)地域のなかに障がいのある子どもの居場所をつくる、(2)支え手が孤立化しないようにきめ細かに情報を提供する、(3)地域でともに暮らす仲間として支えあうことができるようボランティアを確保したり、地域の人々が障がいや支え方について学習する機会を提供したりするなどして、支え手を支援していくことが必要である。

ウ 子どもの相互交流の促進

 障がいのある子どもは家庭や学校から離れて過ごす時間が少ない傾向にあり、それゆえ子ども同士の出会いや交流を経験する機会も少ないのが現状である。障がいのある子どももそうでない子どもも多様な出会いを経験し、同年代や異年齢の子ども同士が相互交流を図っていくことは、お互いがより豊かに成長する可能性を高めることであり、子どもたちが共生していく社会を築いていくことにつながっていくものである。
 市として障がいのある子どももそうでない子どもも出会い、集える場をより一層設け、相互交流が図れるように支援をしていくことが必要である。

(3)児童養護施設等で生活する子ども

ア 子どもたちが参加する意欲をもてる生活環境の整備と支援

 児童養護施設で生活する子どもが学校や地域での参加意欲を一般の子どもに比べて十分に持ちえていないことは、「川崎市子どもの権利に関する実態・意識調査」からみてとることができる。その原因の一つとして、これらの子どもたちが置かれてきた家庭での困難な生活環境が考えられる。それがこれら子どもたちの自己評価や自尊感情を高めることの妨げになっており、ひいては参加意欲につながらないとも考えられる。これらの子どもたちの参加を促すには、参加のしくみの構築以前の課題として、子どもたちがまず安全に安心できる生活環境で生活し、その存在を受けとめられるような援助が行われる必要がある。また、市として子どもの参加意欲を高めるような援助技術に関する研修などを行うことが必要である。

イ 子どもの意見表明に対する説明

 施設で生活する子どもの参加意欲の低さの原因には、「自分たちの意見がきちんと受け止められていない」との認識もある。「どうせ言っても受け入れてもらえない」という子どもたちの言葉からは、意見を表明し、参加することの空しさがうかがえる。さまざまな理由から、子どもたちの意見を受け入れることができないときには、その理由を子どもたちにわかりやすく説明することで、子どもたちの意見表明に応える必要がある。それによって、子どもたちがさらに学び、成長することを期待することができる。さらに、子どもたちは、かりに自分たちの意見が実現されなくても、意見を述べることの意味やその手応えを感じることができ、それが次の参加につながることになる。

(4)不登校の子ども

ア 安心、ありのままの自分でいることへの支援

 不登校の子どもは「学校に行かない」ことについて罪悪感を抱いたり、自己否定的な考えに陥りやすく、他者と関係を築くことに消極的になる傾向がある。学校に行けない自分を責めるのではなく、まず、安心して、ありのままの自分でいることを肯定的に捉え、自己尊重の感情を抱くことが、子どもが参加意欲をもつための前提条件として欠かすことができない。不登校の子ども一人ひとりが抱えている問題は多種多様であり、子どもや子どもを支える保護者を学校の教職員等はきめ細かく支援していくことが求められている。そのことを踏まえ、教育委員会は学校に、より一層の「指導例」等の情報提供をはじめとする支援を行うことが必要である。

イ 情報提供などの支援

 不登校の子どもは、学校情報をはじめとしてさまざまな情報が得にくい状況に置かれている場合が多い。登校する気持ちにならないが社会参加等のためのさまざまな情報がほしいという子どもが適切な情報を得ることができるように支援をする必要がある。不登校の子どもができるだけアクセスしやすい場所にパソコンを計画的に配置するなど、情報面から不登校の子どもの参加を支援するよう求められている。

ウ 民間のフリースペース・フリースクールなどとの連携強化

 不登校の子どもが抱える問題の性質、困難度が一人ひとり異なるため、支え手の「支え方」についても一人ひとり異なる対応が求められる。中学校にカウンセラーや心の相談員が配置され、通学している中学生の相談の場は一応確保されたが、子どもによっては、家庭や学校と異なる場が必要となる場合もある。
 不登校の子どもが家庭や学校以外の場にいることを認め、受容する地域をつくっていくための取組を検討していくことが大切である。その意味からも不登校の子どもを支えている民間のフリースペース、フリースクールなどと連携を強化し、その支援の方法等について相互交流を図っていくことが必要である。

(5)乳幼児の意見表明・参加の支援

ア 保護者への権利学習機会の提供

 乳幼児の意見表明・参加はその意見・意向を受けとめ、代弁してくれる保護者の役割が決定的に重要であることはいうまでもない。そこで、保健福祉センター(保健所)で実施している両親学級等に、子どもの権利についての理解を深めるためのプログラムを織り込むなど、乳幼児をもつ母親、父親に学習機会を提供する必要がある。とくに、日頃仕事等で忙しく、子育てに参加できない親に、子どもの権利条約・条例がうたう子ども観、子どもの権利、参加の権利についてどのように伝えていくのかについて検討していくことも大切である。

イ 乳幼児の意見表明を汲み取る保護者等の力量の向上を図ること

 「よい」子どもに育てたい親の「願い」が子どもによかれという先走り行動になって親が子どもの「道」を敷いてしまうという場合も多く、子どもをよく育てたい保護者が必ずしも子どもの力を十分に育てているとは言いがたい。一人ひとりの子どもの育ちを保障するには、保護者や周りにいるおとなが乳幼児の表情などから欲求や言いたいことを的確に汲み取る力が要求され、その力量の向上がはかれるような支援がより一層求められる。
 また、保護者が乳幼児の意見・意向を代弁することを放棄している場合もあり、専門家でなくともまわりのおとなや子どもが乳幼児の権利について敏感であることが求められ、そのためにも、より一層子どもの権利についての啓発活動が必要である。

ウ 乳幼児にかかわる職員等に対する啓発・研修など

 乳幼児にかかわる保育士、医師、保健師等の人々が乳幼児の意見・意向を受け止めることができるよう、また保護者の力量形成に対する支援ができるように、より一層広報啓発や研修などを行うことが必要である。

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