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自治基本条例検討委員会 報告書

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2004年11月8日

コンテンツ番号6403

 川崎市自治基本条例検討委員会では、平成15年10月に、第1回委員会を開催して以来、市民委員が主体的に委員会の企画・運営を担いながら、合計で60回に及ぶ会を開催し、川崎市における自治基本条例のあり方について検討を行いました。この間、平成16年4月24日、25日には中間報告会(市民討議)を、7月24日には報告書(案)市民討論会をそれぞれ開催し、委員会における検討内容を示し、委員会の中にとどまることなく、多くの市民の方々の意見を伺いました。
 こうした過程を経て報告書を作成しました。報告書は以下からダウンロードできます。

自治基本条例検討委員会報告書の概要

報告書の体系

 自治基本条例検討委員会では、実際の自治基本条例にできるだけ近いかたちの報告書とするため、報告書の体系を次のように考えました。

報告書の体系

報告書の体系

報告書の概要

1 総則的部分

1 条例名称について
仮称)川崎市自治基本条例とします。

2 前文について
 私たちのまち川崎市は、多摩川に沿って東京湾から西北に伸びる地域に、緑豊かな多摩丘陵の恵みと我が国の産業を今も支える拠点を擁した多様な顔をもつ都市として、また、公害や急増する人口への対応など、成長する大都市が抱えた課題の克服に全市民の英知を結集した歴史と教訓を今に生かしながら、活力とうるおいに満ちた都市への歩みを進めてきました。
少子高齢社会の到来や国際化、高度情報化の進展、産業構造の変化、地球規模での環境重視型社会への移行などにより、市民の生活様式や価値観も多様化し、私たちを取り巻く環境は大きく変化して克服すべきさまざまな課題に直面しています。
 私たちのまちを、より暮らしやすく、より心豊かに感じられるまちにするためには、市民が互いに協力しあって、こうした課題の克服と変化への的確な対応を図ることが必要です。
課題克服に向けての取組は、まちづくりそのものであり、これからのまちづくりには、市民が主体となり、市政情報を行政・議会と共有しながら、市政に積極的に参加するとともに、互いに協力して活動する協働が重要です。
 また、私たちは、真摯なまちづくり活動が持続可能な社会を後の世代に引き継ぐものと確信するとともに、平和な環境のもとでこそ、その目的が果たされることを深く認識し、恒久平和が世界に広く築かれていくことを強く希求します。
 「自分たちが住むまちのことは自分たちが主体で決め、自分たちで行っていく。」という市民自治の原点を踏まえ、誰もが川崎市民としての誇りを持ち、一人ひとりの人権が尊重され、活力に満ち、互いの心が響き合う「自治のまち・川崎市」の実現を目指し、ここに「川崎市自治基本条例」を制定します。

3 条例の位置付け
 この条例は、川崎市の自治の基本について定める最高規範であり、他の条例、規則等の制定改廃及び運用に当たっては、この条例の趣旨及び目的との整合性を保たなくてはなりません。

4 定義
 この条例において、次に掲げる用語の意義は、それぞれに定めるところによります。
1)市民 市内に住所を有する人、市内で働き又は学ぶ人並びに市内で活動する人及び団体をいいます。
2)参加 市民が、暮らしやすい地域社会をつくるためのまちづくりに主体的にかかわり、行動することをいいます。
3)協働 市民と議会又は市の執行機関が共通の目的を実現するために、それぞれの役割と責任のもとで、お互いを尊重し、対等な関係に立って協力することをいいます。

5 市民自治の基本理念
1)私たちは、地域社会の課題を自ら解決していくことを基本に、主権者である市民の総意によって川崎市を設立し、市民社会における自治運営の一部を信託しています。
2)私たちは、信託した市政に主体的にかかわることにより、個人の尊厳と自由が尊重され、市民の福祉が実現されるまちの創造を目指します。
3)また、市は国・県との対等・協力関係に基づいた自律的運営を図り、自治体としての自立を確保します。

6 自治運営の基本原則
 (情報共有の原則)
 市民、議会及び市の執行機関は、市のまちづくり(以下「市政」という。)に関する情報を共有し、自治を推進します。

 (参加の原則)
1)市政は、市民の参加のもとで行われることを基本とします。
2)参加は、市民の自由意思に基づくものであり、議会及び市の執行機関は、参加しないことによって市民が不利益を受けないよう配慮しなければなりません。

 (協働の原則)
1)市民と議会又は市の執行機関は、暮らしやすい地域社会の実現のために、市民自治の推進を目的として、協働することを基本とします。
2)協働は、市民の自由意思に基づくものであり、議会及び市の執行機関は、協働しないことによって市民が不利益を受けないよう配慮しなければなりません。

2 自治の主体 それぞれの役割と責任

1 市民
(1)市民の権利
 (包括的な権利)
 市民は、すべて個人として尊重され、平和で良好な環境の中で自己実現を図り、生命、自由及び幸福追求に対する権利を持ちます。

 (知る権利)
 市民は、市政に関する情報を知る権利を持ちます。

 (参加する権利)
 市民は、市の政策形成や計画の決定過程、事業の実施及び評価など市政の各段階で参加する権利を持ちます。

 (意見を表明し、提案する権利)
 市民は、市政に対する意見を表明し、また提案する権利を持ちます。

 (行政サービスを享受する権利)
 市民は、条例等の定めるところにより、行政サービスをひとしく受ける権利を持ちます。

(2)市民の責務
1)市民は、ともに社会の一員であることを自覚し、互いの自由と人格を尊重しあう責務を持ちます。
2)市民は、自らの暮らしや活動が、世代を超えて、地球環境に影響を及ぼすことを自覚し、持続可能な地域社会を保全する責務を持ちます。
3)市民は、参加及び協働に当たっては、自らの発言と行動に責任を持たなければなりません。
4)市民は、市政運営に伴う負担を分担する責務を持ちます。

(3)事業者の社会的責任 事業者は、地域社会を構成する一員として、その社会的責任を自覚し、地域社会との調和を図り、誰もが安心して暮らせるまちづくりに寄与するよう努めなければなりません。

(4)コミュニティ
 (地域におけるコミュニティの尊重)
1)市民は、暮らしやすい地域社会を築くことを目指して、多様なつながりによって形成されるコミュニティを、それぞれの自由意思に基づいてつくることができます。
2)市民及び市は、まちづくりの重要な担い手である地域におけるコミュニティの役割を尊重します。

 (市とコミュニティの関係)
 市は、コミュニティの自主性・自立性を尊重しながら、それにかかわる施策を推進します。

2 議会
 (議会の設置及び議員の宣誓)
1)市に、住民の直接選挙によって選ばれた議員で構成される議事機関として、議会を設置します。
2)議員は、その就任に当たり、憲法、この条例その他の法令を遵守し、主権者としての市民の信託に基づく市政を担う者として、誠実かつ公正に職務を遂行することを宣誓するものとします。

 (議会の権限と責務)
1)議会は、市の重要な意思決定及び行政運営の監視を行い、議会としての意見を国会又は関係行政庁に提出すること等の権限を行使します。
2)議会は、前項の権限を行使するに当たり、市民の意思が反映されるように十分な議論を行うとともに、市民にわかりやすく、開かれた議会運営に努めなければなりません。
3)議会は、議会活動に関する情報を市民に説明する等、市民との情報共有を図るとともに、市民からの提案等に対して応答するよう努めなければなりません。

3 市長・行政
(1)市長その他の執行機関
 (市長の設置)
 市に、住民の直接選挙によって選ばれた市の代表である市長を設置します。

 (市長その他の執行機関の権限、責務等)
1)市長は、あらゆる施策を通じて市民生活と自治を守り、発展させるため、市の代表として、市政運営の方針を定め、市政全体の総合的な調整その他の権限を行使します。
2)執行機関(市長を除く。)は、その所管する職務において市民生活と自治を守り、発展させるため、市長の総合的な調整の下、その権限を行使します。
3)市長その他の執行機関は、行政運営の項に定める事項に従い、誠実かつ公正にその職務を管理し、及び執行しなければなりません。
4)市の機関に属する職員は、市民とともに自治を担う者としての認識に立ち、憲法、この条例その他の法令を遵守し、職務を誠実かつ公正に執行しなければなりません。

 (市長等の宣誓)
 市長、助役、収入役、執行機関の委員及び任命に当たり議会の同意を必要とする附属機関の委員は、その就任に当たり、憲法、自治基本条例その他の法令を遵守し、主権者としての市民の信託に基づく市政を担う者として誠実かつ公正に職務を遂行することを宣誓するものとします。

(2)行政運営
 市長その他の執行機関は、次のことを踏まえ、行政運営を行わなければなりません。

1)市民との情報共有を図り、行政活動に関する情報を市民に説明するとともに、市民からの提案等に対して応答に努めること。
2)行政活動の各段階において市民参加を推進し、市民の意思が市政に適切に反映されるようにすること。
3)市民の自主的な活動を尊重し、市民との協働による市政を進めること。
4)効果的、効率的かつ総合的に実施されること。
5)公正・公平の確保と透明性の向上を図ること。
6)法令の解釈は、この条例の趣旨にのっとり行われること。
7)行政の組織、制度及び運用について不断の見直しを図ること。

(3)計画的な行政運営
 市政は、総合計画(長期的な展望に立って、市の政策の基本的方向を総合的に示す計画をいいます。以下同じ。)及び部門別の基本計画等の基本的方向に沿って、相互に整合性を図りながら、運営されなければなりません。

(4)行政組織のあり方
1)市の組織は、次のことに留意して整備され、運営されなければなりません。
 ア 簡素で、効率的、機能的かつ総合的であること。
 イ 社会経済情勢の変化及び市民ニーズ等の変化に、柔軟かつ弾力的に対応できること。
2)市長は、前項の趣旨に従って、市の出資法人の設置及び運営がなされるよう、指導及び調整に努めなければなりません。

(5)財政運営等
1)市の財政は、これが市民の税金その他の貴重な財源によって支えられていることを踏まえ、中長期的な視野に立ち、自主的かつ健全に運営されなければなりません。
2)市長は、予算の編成及び執行に当たっては、総合計画及び評価の結果を踏まえ、効率的かつ効果的に財源を活用しなければなりません。
3)市長は、予算の編成及び執行に当たっては、市民との情報の共有を図り、市政の透明性を高めるため、その過程を分かりやすく公表するよう努めなければなりません。
4)市長その他執行機関は、市の所有する財産の適正な管理及び効率的な運用に努めるとともに、その状況について、市民にわかりやすいものとして公表しなければなりません。

(6)苦情、不服等に対する措置
1)市民は、市政に関する苦情、不服等について、市に対して、簡易迅速にその処理、救済等を求めることができます。
2)市は、前項の市民の求めに応ずる制度を設け、この条例による自治の基本原則と市民の権利保障に努める責務に基づいてその運用を図ります。
3)市は前項に定めるもののほか、市民の権利利益の保護に必要な措置を講じなければなりません。

4 区
 (区及び区役所)
1)「地域のことは地域で決めて実行する」ことを基本に、参加と協働を原則とし、地域のまちづくりを進めるとともに、区民(それぞれの区内に住所を有する人、区内で働き又は学ぶ人並びに区内で活動する人及び団体をいいます。以下同じ。)に身近なサービスを総合的に実施するため、市域を分けて区を設けます。
2)前項の目的を達成するため、区に区役所を置きます。

 (区役所の役割と責務)
1)区役所は、参加と協働を原則として、区におけるまちづくりに関する課題の解決を総合的に推進します。
2)区役所は、区民の生活に身近なサービスを総合的に提供する拠点として、利便性の高いサービスが、効果的・効率的に提供されるよう努めなければなりません。
3)区役所は、区民との協働を推進するため、市民活動についての支援施策を講じるものとします。

 (区に関する市長の責務)
1)市長は、区民の意見を的確に受け止め、市政に反映するよう努めなければなりません。
2)市長は、区役所が、区民との協働の拠点として、また、区民の生活に最も身近な行政機関としての役割を的確に果たすことができるよう、親しみやすく、開かれ、かつ分かりやすい組織運営に努めなければなりません。

 (区における自治の推進)
1)区民による地域のまちづくりを進めるため、区に関する重要課題を審議し、区長及び市長に意見を述べる区民会議を設置します。
2)区長及び市長並びに区選出議員は、区民会議の審議結果を尊重し、その意見をそれぞれの職務の遂行に際して反映するよう努めなければなりません。

 (区の予算の確保)
 市長は、区における課題の解決を図るため、必要な予算の確保に努めなければなりません。

3 自治拡充推進のための制度等

1 情報共有による自治の営み
(1)情報提供
 市は、総合計画その他重要な計画及び主要な事業に関する情報その他の市民生活にかかわる情報について、市民に積極的に提供しなければなりません。また、情報の提供は、わかりやすく、かつ適時に行われなければなりません。

(2)情報公開
 市民は、その知る権利に基づき、市が保有する情報について、開示を求めることができます。市は、市民からの開示の請求に対しては、その説明責務を果たすため、正当な理由がない限り、これに応じなければなりません。

(3)個人情報保護
 市は、その保有する個人情報について、適切な保護を図らなければなりません。市民は、その自己情報をコントロールする権利に基づき、その開示、削除、訂正又は目的外利用等の中止を求めることができます。市は、市民からの開示等の請求に対しては、正当な理由がない限り、これに応じなければなりません。

2 参加、協働による自治の営み
(1)総合計画等への参加 総合計画及び部門別の基本計画等の策定に当たっては、市民の参加の機会を保障するものとします。

(2)審議会等への参加
1) 市の事務事業について、市民の意見、学識者の専門的意見等の反映又は公正の確保を図るために設置された審議会等の市民委員は、公募によることを原則とします。
2) 前項の審議会等の会議は、正当な理由のない限り、市民に公開されるものとします。

(3)パブリック・コメント制度
1)市は、市民の参加する権利及び意見を表明し、提案する権利を保障するとともに、市政の過程の公正の確保と市政の透明性の向上を図るため、市民生活に大きな影響を及ぼす事案の策定に当たっては、市民から当該事案に係る意見を求める手続(以下「パブリック・コメント制度」という。)をとらなければなりません。
2)市長その他の執行機関の長は、パブリック・コメント制度により提出された市民の意見を十分考慮して事案の策定に対する意思決定を行うとともに、その意見に対する考え方をとりまとめて公表しなければなりません。
3)その他パブリック・コメント制度に必要な事項は、別に定めます。

(4)評価
1)市は、効率的かつ効果的な市政運営を推進し、総合計画の着実な実行と進行管理を行うとともに、施策、事業等の成果を市民に明らかにするため、施策、事業等について、評価を実施するものとします。
2)とってわかりやすいものでなければなりません。
3)市は、評価結果を公表するとともに、施策、事業等に適切に反映させなければなりません。
4)評価制度の運営に当たっては、市民の参加による委員会を設けます。

(5)住民投票制度
1)市は、市政に係る重要事項について、直接、住民の意思を確認し、その結果を市政運営に反映させるため、住民投票を実施することができます。
2)住民、議会又は市長は、市政に係る重要事項について住民投票を発議することができます。
3)市長は、住民投票を実施するに当たっては、住民投票の対象とされた事項について、その争点に関する情報の周知を図るとともに、住民の間で十分な討議が行えるよう努めなければなりません。
4)市長及び議会は、住民投票の結果を尊重しなければなりません。
5)その他住民投票を実施する上で必要な事項は、別に条例で定めます。

(6)協働のための施策整備等
1)市民は、暮らしやすい地域社会の実現のために、市民自治の推進をともに担うことを目的として、市と協働して公共的な課題の解決に当たります。
2)前項の目的を達成するため、市は、市民と協働し、公共的な課題を解決するための施策を整備し、その推進を図らなければなりません。

4 国や他の自治体との関係について

1)市は、国及び県と対等・協力の関係にあることを踏まえ、市全体の利益のためにその権限を行使しなければなりません。
2)市は、積極的に他の自治体と連携を図り、共通する課題の解決に努めなければなりません。

5 (仮称)川崎市自治推進委員会

1)この条例に基づく、自治の取組の状況について審議するため、(仮称)川崎市自治推進委員会(以下「委員会」といいます。)を設置します。
2)委員会は、市長から諮問を受けて審議を行い、市長に答申します。
3)委員会は審議結果に基づき、答申に併せて自治の推進について提言することができます。
4)前各項に定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、別に定めます。

自治基本条例検討委員会のこれまでの検討経過

 自治基本条例検討委員会では、平成15年10月の発足以来、地方分権の時代にふさわしい市民と自治体の関係を構築する自治の基本理念や基本原則、そしてこれらを実現するための基本的な仕組み等について、合計60回に及ぶ検討を重ねてきました。
 また、平成15年4月に開催した中間報告会と7月に開催した報告書(案)市民討論会では多くの市民の皆さんからご意見をうかがい、それらを踏まえたかたちで報告書の取りまとめ作業を進めました。

自治基本条例検討委員会の検討経過

検討経過について

報告書提出後のスケジュール

 この報告書を受けて、川崎市は、条例素案の策定作業を進め、条例素案に関するタウンミーティングやパブリック・コメントを実施し、平成16年度中に条例を制定する予定になっています。

今後のスケジュール

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川崎市 市民文化局コミュニティ推進部協働・連携推進課

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