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ヤマユリを育ててみよう(麻生ヤマユリ植栽普及会の例)

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ヤマユリの特徴

形態的特徴

  1. 花は、白い花びらの中央に黄色や赤色の筋と赤い斑点。花の大きさ25cm前後。花弁が外に弧を描きながら広がって、一株に1~10個程度の花を付ける。麻生区での開花時期は6~7月頃。
  2. 球根は、魚のうろこのような鱗片(りんぺん)葉で包まれている。
  3. 種子は、ひとつの朔(さく)の中に、鱗のような形の種子が300~400粒詰まっている。
  4. 背丈は、普通1~1.5m、葉の形は、10~15cm程度の流線型。
  5. 根は、2種類ある。球根から出る根(下根)と茎立ちした茎の下からの根(上根)が出る。
写真:ヤマユリ
写真:ヤマユリ特徴

生育の特性

種から開花まで5年かかります。(下の図)

写真:育成の特性
  • 種を蒔いて1年半経って初めて1葉発芽。
  • それから1、2年経ってようやく茎立ちそれも30センチ程度の茎丈。
  • さらに1、2年経ってようやく一輪の花を付けます。
写真:種まき後1年半(5月中旬)

種まき後1年半(5月中旬)

写真:種まき後2年半(5月中旬)

種まき後2年半(5月中旬)

写真:種まき後3年半(5月中旬)

種まき後3年半(5月中旬)

これら鉢植えは、いずれも5月中旬の生育状況です。5月中旬以降はほとんど生育しませんが、球根は少しずつ大きくなっていきます。秋には枯れて、翌年の芽吹きを待ちます。

生育環境

ヤマユリは、里山で自生する山野草です。その風景を思い起こしていただくと生育環境が理解できるかと思います。木立の縁で育ちます。
 (1)半日陰(木立の下の木漏れ日)の傾斜地。
    長時間日光の射す場所は嫌いますが、雑木が生い茂り日光を遮るようだと休眠し、芽吹きをやめます。
 (2)水はけと風通しの良い場所を好みます。じめじめした場所を嫌います。
 (3)根に共生菌が育つマツ林、ツツジ、フウチソウと混植するとよく育ちます。

夏の草刈り

 下の写真のように雑草を刈り込みすぎると、害虫や暑さによる被害が拡大するとともに、下に落ちた種や発芽子葉を駆除する可能性が高くなります。結果としてヤマユリの自生地をなくしてしまうことになるため、注意が必要です。

写真:夏の草刈りでの注意点

ヤマユリ球根の鉢植えと管理方法

準備

 (1)球根・・・傷が無く、付け根の部分が小さいものが望ましいです(根は無くても良い)。植える前に殺菌処理を施します。
 (2)鉢・・・深鉢(菊鉢)の8号以上で材質は問わないが、鉢底に多数の穴があるものを選びます。
 (3)用土・・・軽石(大粒と中粒)、赤玉土と腐葉土を用意します。

写真:資材の準備
写真:鉢植え図解

用土別使用量と仕立て方

 (1)まず、鉢底に軽石(大粒)を0.8リットル程度平らに敷きます。
 (2)次に混合土「赤玉土(小粒)1と軽石(中粒)1の割合」を1リットル程度入れ、軽く押しながら平らにします。
 (3)続いて、少量の赤玉土を敷き、球根を真ん中に置き、赤玉土を球根が隠れる程度にかけます(3.5リットル)。
 (4)さらに、混合土「赤玉土3と腐葉土2の割合」を約2.5リットル入れ、少し中央を」盛り上げるようにします。
 (5)最後に表土の乾燥を防ぐために、籾殻やバーミキュライトなどの保湿資材を1センチ程度敷いておきます。

球根鉢の通年管理の仕方「植え付け(11月)~開花(7月)まで」

栽培環境

(1)午前中は良く日が当たり、午後は日陰になる場所(半日陰)を選びます。
(2)風通しが良く夏は涼しい場所(冬は北風にさらされない)に置きます。
(3)鉢雨の泥はねのない花台などの上に置きます(水抜けを良くし、アリやダニの侵入を防ぐ)
(4)自生のヤマユリを想像してヤマユリの好みそうな場所に置いてください。

水やり(通年)

表面の土が乾いたら十分に与えます。過剰な水やりに注意しましょう。

主な作業(発芽後)

(1)光の方向に向かって育つので、茎の様子を見ながら鉢を動かします。茎の向きを変えると真っすぐ育ちます。
(2)茎が40~50センチなったら、球根に傷を付けないように、株の元から離して支柱(添え木)を立てます。
(3)雨に直接当てないようにネットやビニールカバーで雨除けをします。
(4)発芽時と蕾の出来始めには殺菌剤と殺虫剤を散布します。

病害虫の種類

<主な害虫>
(1)アブラムシ・・・ウイルスを媒介します。
(2)ナメクジ・・・新芽や葉を食べ、ウイルスも媒介します。
(3)ヨトウ虫・・・蕾の開花期に茎の根元を食し茎を倒します。
<主な病気>
(1)葉枯れ病・・・気温約20℃で、水はけの悪い場所で発生しやすい。
(2)フザリウム菌・・・気温25℃位で球根の茎盤部にこの菌が付くと球根を腐らせます。

病害虫への対策

(1)殺菌剤と殺虫剤の使い分け
薬剤の効能を確認して、病気には殺菌剤、害虫には殺虫剤を使います。両者を混合して使ってもかまいません。
(2)殺菌剤と殺虫剤の混合溶剤の調合方法
殺菌剤(500倍液)+殺虫剤水和剤(1000倍液)+展着剤1、2滴を合わせてよく混ぜ合わせます。
(3)ヤマユリへの直接散布
発芽時と、蕾の出来始めから1週間おきに2,3度散布します。
(4)土壌に散布(土植えの場合)
粒状の殺虫剤を球根に直接触れないように散布します。
また、蕾の出来始めにも、根元に散布します。

写真:球根鉢の開花まで

その他育成に関すること

広報紙「ヤマユリ通信」に、鉢植え球根の植替え方法や種による増殖方法等についてを掲載しています。

詳しくは麻生ヤマユリ植栽普及会活動内容のページの活動内容6「ヤマユリ通信」をご覧ください。

このページは、麻生ヤマユリ植栽普及会の経験と実績に基づいて作成しています。

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