政策課題13年度国内B
- 公開日:
- 更新日:

水循環型の都市づくりのための新たな施策について

研究目的
「川崎市新時代2010プラン」の中で地球環境にやさしい循環型まちづくりとして、水循環の保全を配慮した水循環型都市づくりをうたっています。川崎市が抱える水循環の問題と今後の課題を検討し、水循環型都市づくりのための新たな施策について研究しました。
政策課題研究報告書13年度国内B

川崎市の現状・水環境の問題 水循環型都市づくりの課題
川崎市は水と関わり大きく発展してきました。そして人口の増加にともない都市化が進み農地や緑地が減少しました。水循環の視点から見ると川崎市に流入・流出する水収支は30年前と比べてその内容は大きく変わりました。それは水循環型都市を進めるうえで多くの課題を含んでいます。
人口増加による宅地の拡大が農地や緑地を減少させ、地表面は宅地や道路などによりコンクリート等で覆われました。そのために雨水が地下に浸透しなくなってしまいました。また、多くの雨水を下水管で集積して河川へ放流しています。そのため、
- 河川水量の減少
- 河川の汚染
- 降雨時の短時間での増水
- 低地浸水
- 親水空間がない
- 大雨による水質悪化
- 水辺の生物にとっての生育環境の悪化
などの現象が発生し、問題となっています。
水は地球規模で循環しています。しかし、都市化により水の循環のシステムが健全であるとは言えなくなってきています。降った雨水は、地中を通り清浄な水となり河川を流れ海へと注ぎ生物を育みます。このような健全な水循環を取り戻すためには、降った雨を地中に戻さなければなりません。「降った雨を地中に戻す」。この事が川崎市が水循環型都市としての課題といえます。

現状の対策
川崎市では雨水流出抑制事業として、建設局の土木建設部河川課と下水道建設部が対応しています。雨水貯留管や雨水貯留池、雨水浸透設備、親水性河川改修などを行っています。
しかし、根本的な問題である「雨水が地下に浸透しないこと」の対策があまり積極的に行われていません。
そこで私たちは「雨水を地下に浸透させること」を川崎市の水循環型都市づくりの課題とし、具体的な施策を提言することとしました。

新たな施策としての「個人住宅内の雨水浸透桝設置事業」
「個人住宅内の雨水浸透桝設置事業」の成功例として東京都小金井市に視察にいき、調査した結果、この事業の導入による雨水流量抑制の効果を川崎市でも期待できると考えました。現在、事業面積1,000平方メートル以下の専用住宅、戸建住宅には雨水浸透事業はありません。
私たちはそれらの新築時に雨水浸透桝設置の事業を行うべきだと考えました。そして雨水浸透の要綱と技術指針を策定し、市民や施工業者の協力を得るための広報活動や説明会などの提案を行いました。
小金井市では既設の住宅においてのみ助成金制度があります。
しかし、川崎市での導入時においては、助成制度を入れずに市民の協力を得ながら、今後この事業が市民に浸透し既設住宅にも設置の要望が増えたときに助成事業を検討することがよいと考えました。
この事業を推進するうえで、川崎市の公共施設への導入を徹底し、市民が水環境を学習できる場所や活動する場所を作り出すことも併せて大事だと考えています。
お問い合わせ先
川崎市 総務企画局都市政策部広域行政・地方分権担当
〒210-8577 川崎市川崎区宮本町1番地
電話:044-200-0386
ファックス:044-200-3798
メールアドレス:17tihobu@city.kawasaki.jp
コンテンツ番号10036
