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「オープンエアメーカー養成講座動画『オープンエアメーカー』になろう!」 テキスト情報

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「オープンエアメーカー養成講座動画『オープンエアメーカー』になろう!~心地よい空間のつくり方~」 テキスト情報

 

 

 

「オープンエアメーカーになろう!」

皆さんは「オープンエアメーカー」という言葉を聞いたことがありますか?

言い換えると 「誰にとっても心地よい状態を作れる人」のことです。

 

まだまだ知らないという方も多いかもしれませんが、

この言葉には、私たちがさまざまな人たちと一緒に生きていく上での、

大切な考え方が含まれています。

 

この動画ではオープンエアメーカーとは一体どういうものなのか、

その意味や考え方などを解説していきます。

オープンエアメーカーを知るきっかけとしてご覧ください。

 

 

 

動画は目次にあるように5つの章で構成されています。

順を追ってみていきましょう。

( 1,はじめに

 2,個人を尊重する考え方

 3,「オープンエア」とは

 4,オープンエアスポーツのつくり方

 5,まとめ)

 

 

 

第一章 はじめに

 

 

 

(子供たちが思い思いに遊んでいるイラスト)

さて質問です。 今映っているこの絵の中に、障害のある人はいるでしょうか?

ジャンプをしている緑のシャツの男の子は、眼鏡をかけています。

視力が弱いという障害をがあるのでしょうか?

 

棒を持った赤いシャツの男の子は、ボール遊びをしていますが固い表情をしています。 もしかしたら何か障害があるのでしょうか?

 

質問の答えは「わからない」です。

 

障害には、車いすに乗っている、というように

見た目でわかる障害もあれば、

言葉が話せない、音が聞こえないというような

見た目だけではわからない障害もあります。

 

また、眼鏡を例にとると、近年は視力の良し悪しにかかわらず

お洒落で眼鏡をかける人もいます。

 

つまり、この絵の中だけでなく、

社会の中で障害のあるなしは、外見だけではわからないこともあるのです。

 

 

 

(眼鏡をかけた子供のイラスト)

障害を別の観点から考えてみましょう。

視力が弱い人は、物が見えづらいという障害がありますが

視力を補助する「眼鏡」や「コンタクトレンズ」を使うことで

視力に関する障害は小さくなります。

 

障害は、道具や、環境の変化で解消されることもあります。

また逆に、突然の事故や病気、環境の変化で

障害がある状態になることもあり得ます。

 

つまり私たちは、障害がある状態、と、障害がない状態、の、

この二つのグラデーションの間で生きているといえるでしょう。

 

障害を、他人事ではなく身近に感じること。

それがオープンエアを理解する第一歩となります。

 

 

 

第2章 個人を尊重する考え方

 

 

 

障害とはどんな状態のことを指すのでしょう?

 

体の一部が動かない、視覚や聴覚に不自由があるということのほかにも

記憶することができない、言葉がでてこない、

普通の人以上に音が大きく聞こえる、

いろいろなことを考えすぎて怖くなってしまうことなども障害と言います。

 

このように、生活することを難しくさせる状態や状況のことを障害と言います。

 

 

 

(障害の種類と外見からの分かりやすさを表した分布図を表示。例として、外見からわかりやすい障害には肢体不自由や視覚障害等、外見からわかりにくい障害には精神障害や内部障害等を挙げています。)

図をご覧ください。

一部ですが障害の種類と、外見からのわかりやすさを分布図で示しています。

 

左にいくほど、外見からわかりやすい障害で、

例えば肢体不自由や、視覚障害などが あります。

 

逆に 右にいくほど外見からわかりにくい障害、

精神障害や内部障害などに区分されています。

 

これを見ると、障害にはさまざまな種類があり、

見た目からは分かりづらいものもあることがわかります。

 

また「平成30年版障害者白書」によると、

国民のおよそ7.4%が図のような障害を有しているというデータも示されています。

30人クラスで例えると2、3人はクラスに障害者がいる計算になります。

 

思い返してみてください。

あなたのまわりに障害のある人はいるでしょうか?

いると答えた方はその人の障害がどのような症状で、

どのような対応が求められるのかご存じでしょうか。

 

また、いないと答えた方は、

もしかしたら、身近な人に障害があることを知らないだけかもしれません。

 

 

 

障害者基本法では、障害者について次のように記載されています。

 

身体の一部が動かない、言葉が出てこない、

いろいろなことが気になってしまう、

理解が難しいことに対する不安で周りと調和できないなどの理由により

 

「障害及び社会的障壁により継続的に日常生活

又は社会生活に相当な制限を受ける状態にある方のことを障害者と言います。

 

事故や病気、高齢化などの理由によって

身体の一部が動かなくなったり記憶することが難しくなるなど

誰もが人生の途中からでも障害者になることがありえます。

 

または、人生の途中だけ障害のある人になる場合もあります。

例えば、サッカーの練習で骨折し、

車椅子生活をすることになった場合、

その期間だけ障害のある人、とも言うことができるでしょう。

 

このように障害は人生の途中で現れたり、

解消したりするケースもあり、 誰もが障害者となる可能性を持っています。

 

 

 

(円の中で困った顔をしている女の子のイラスト)

次に、障害のある人と関わりが少ない、

あるいは少なかった人の立場から考えてみま しょう。

 

障害には、見た目ではわかりづらいものもあるので、

身近な人に障害があることを知らない、という状況も考えられます。

 

また、多種多様な障害の存在やその対応を知らないケースも考えられます。

 

これらのことは、障害のある人が抱える

身体的要因の障害とは別に、社会的要因の障害となり

「リスク」や「障壁」を作っている可能性もあります。

 

「知らない」ということは、一つの障害と言えるのではないでしょうか。

「知らない」ことを知る、意識することは、障害を理解する第一歩なのです。

 

 

 

(問の内容と車椅子の男の子のイラスト)

ここで質問です。

体育祭で、車いすの生徒が徒競走に参加するかどうかを検討しています。

AさんBさんCさんDさんの意見を聞いて、あなたはどう思いますが?

 

「Aさんの意見

「車いすの人だけ別にするのは、かわいそうだから、参加したほうがいい」

 

Bさんの意見

「車いすの人を一緒に走らせるのは、車いすの人が大変でかわいそうだから、参加しないほうがいい」

 

Cさんの意見

「車いすの人と他の人がぶつかったら危ないから、参加しないほうがいい」

 

Dさんの意見

「車いすの人も他の人も少し離れてやれば安全だから、参加したほうがいい」」

 

さあ、あなたはどう思いますか?

 

 

 

Aさん~Dさんまでの意見は全て、

車椅子の生徒のことを考えた上での意見ですが、大事なものが抜けています。

それは、障害のある人本人の意思です。

 

国連障害者権利条約の国際スローガンは次のように提唱しています。

 「Nothing About Us Without Us」 私たちのことを、私たち抜きに決めないで

 

このように、障害の状態に着目しすぎたり、

過度な保護性により、 「本人の意向が反映されづらいという障害」もあります。

本人、そして周囲にいる人との対話を心掛けることが大切です。

 

 

 

障害者とは、障害があるが故に

さまざまな支援を必要とする人ではありますが 別の側面からみてみましょう。

 

「社会に潜む障壁や課題を明確に教えてくれる人」と捉えてみると、

例えば、 道路にある段差は車椅子の方にとっては

通行を妨げる障壁となるかもしれません。

 

その段差という障壁を発見し、一緒になって解決することで、

お年寄りや小さな子供の転倒を未然に防ぐことができます。

 

障害者は、こういった社会の課題を発見する…社会課題発見者であり

障害者ではない人は、一緒にその課題を解決する…共同課題解決者

と言うことができると思います。

 

互いに協力しあえる社会、そして、よりよい社会を創造するために、

お互い必要な存在なのです。

 

 

 

(第3章から後半動画になります。)

第3章、オープンエアとは

 

 

 

(問の内容と腕を組む男の子のイラスト)

質問です。

1日仕事のあと、あなたは電車の優先席に座っています。

自分の前にお年寄りの方が立ちました。

この時、あなたなら、どうしますか?

 

例としてAさんBさんCさんDさんがとった行動について考えてみましょう。

Aさんの場合 席を譲ったら感謝された。

Bさんの場合、席を譲ろうとしたら、感謝されつつも相手に辞退された。

 

この二人は自ら勇気を出して声掛けを行っています。

結果は分かれましたが、どちらもお互いにとって

心地よい空間が生まれたと想像できます。

 

次にCさんの場合、席を代われと、相手または周囲の人に怒られた。

Dさんの場合、自分も疲れていたので寝たふりをした。

 

こちらの二人は、AさんBさんとは逆に

心地よいとは言えない雰囲気になったことが想像できると思います。

あなたなら、どうしますか?

 

 

 

(微笑む女の子のイラスト)

私たちが生きている社会には、さまざまな状況があり、

それに対してのさまざまな選択が存在しています。

 

考えてみてください。

あなた自身にとって「心地よい選択」はどれでしょうか?

 

相手にとって「心地よい選択」はどれでしょうか?

できれば、お互いに「心地よい」状態になれるとよいのではないでしょうか。

 

 

 

言葉の整理をしてみましょう。

 

オープンエアな状態とは、自分も周りも、「心地よい」状態のことを言います。

 

オープンエアポイントとは、自分も周りも、「気持ちよくなる」「笑顔になる」

「嬉しくなる」という心地よくなるポイントのこと。

 

オープンエアメイクとは、自分も周りも、「心地よくなる」ポイントを探して見つけて実施することです。」

 

つまり、オープンエアメーカーとは

自分も周りも「心地よくなる」活動環境をつくったり、

「心地よい」状態に導くことができる人のことを意味しているのです。

 

 

 

(3人の子どもたちが考えているイラスト)

私たちを取り巻く環境を見渡してみてください。

今、この瞬間にも障害があるために困っている人が多くいます。

 

将来、科学の進歩によって福祉器具や医療技術が発達し、

障害や困りごとが 解消されるかもしれません。

 

でも、そういった時代が来るのはいつになるのでしょうか。

 

障害者と寄り添い合える社会を築くために、

私たちができることはないのでしょ うか。

 

まさに今、オープンエアメーカーが必要とされているのではないでしょうか。

 

 

 

困っている人を助けてあげたいという「思いやり」の心を持つ

困っている人に声をかけるなど「勇気」を持って行動する。

 

その「思いやり」と「勇気」がオープンエアメーカーの大切な力になります。

その力を身に着け、相手も自分も一緒に心地よくなる方法を知っている人が

オープンエアメーカーなのです。

 

 

 

第4章 オープンエア・スポーツのつくり方

 

 

 

オープンエアの考え方がスポーツ現場で、どう活用できるのか、

どう活用されているのかを見ていきましょう。

 

3つの考え方があります。

対称性・・・反対を発見すること

循環性・・・つづけるを発見すること

相似性・・・似ているを発見すること

 

この3つの考え方は、スポーツ現場、あるいはそれ以外でも、

だれにでも開かれていて、

一緒に楽しめることを目的としたプログラム作りをする上で基本的な考え方です。

 

例えば、スポーツ現場で障害のある人と一緒に活動することになった場合、

選択肢として、障害者スポーツを行うことが考えられます。

 

しかし実際は、場所・道具、時間などの関係で難しいという状況もよくある話です。

そんな時、既存のスポーツにこの3つの考え方を少し加えてみると、

みんなで楽しむことができるようになるかもしれません。

 

 

 

それでは一つずつみてみましょう。

1、「はんたい」を発見する

 

大きい、の反対は、小さい まえむき、の反対は、うしろむき

ひとつのことに対して、反対を想像し工夫をしてみる。

 

バドミントンを工夫した例を見てみましょう。

バドミントンは、相手のコートにシャトルを落とし点を取り合う、競い合うスポーツです。これを反対にしてみます。

 

シャトルを落とさないように、協力しながらラリーを続けるスポーツに

変換してみると楽しめる人も多いのではないでしょうか。

 

このラリーを続けるバドミントンは大変好評で

実際にスポーツ現場で取り入れられている事例が多く存在しています。

 

 

2、にているを発見する

なげる、と、転がす しかく、と、まる

似ているところを見つけて工夫をしてみる。

 

例としてダンスをみてみましょう。

みんなで同じ振り付けで踊ることはダンスの楽しみ方のひとつです。

 

ですが、人によって難しい場合 音楽に合わせて、

自由に表現したダンスを踊ることも みんなが楽しめる一つの工夫かもしれません。

 

 

 

3、つづけるを発見する

ひとりずつ から みんなで。 1回、から、なんかいも。

つづけることには循環性があります。

 

代表的な例として、リレーがあります。

例えば第一走者は障害がない人、第二走者は車いすの人、

第三走者は子ども のように、

それぞれの人がバトンを繋げて、続けて、 みんなで走ることができます。

 

また、楽しみを共有することも発見できると思います。

 

 

 

もうひとつ、応援というスポーツもあります。

障害のある人も、 観る・応援するという手段でスポーツを体験することができます。

 

例えば、ものや体、言葉を使って応援する。

例えば、自分で作った旗を振って自分のチームを「応援」する。

 

その旗がそのまま、自分のチームの旗になる…

というような関わり方もできるかもしれません。

 

その応援によって誰かは力がでる。それによってミッションがクリアされる。

この双方向の関係がコミュニティを広げ、仲間をつくることに繋がっていく。

それも一つのスポーツです。

 

 

 

第5章 まとめ

 

 

 

「障害の程度」に向き合うのではなく、

「その人のやりたいこと」を一緒に創意工夫する。

 

障害や取り組む種目ではなく、その人自身に着目しましょう。

一人ひとりの思いに向き合い、

既存のルールが難しいのあれば、一緒に取り組める方法を考えていきましょう。

 

 

 

「失ったものを数えるな。残された機能を最大限に活かせ」

パラリンピックの父・ルードヴィッヒ・グットマン博士の言葉です。

 

短所を補修するというよりも、長所や個性を伸ばす方法論です。

できないから、と諦めてしまうのではなく、

できることに向き合って、互いに楽しくなれる 方法を考えましょう。

 

 

 

双方向を意識する。

 

「支援する・与える」という一方的な意識ではなく、

 「与え合う・分かち合う」という双方向の意識、行動が

お互いにとって、心地よい環境をつくるのだと思います。

 

 

 

出会える場をつくる

まずは「機会」をつくる、という感覚で十分です。

 

障害のある人は、障害のない人と比べると、

さまざまなことに出逢ったり、触れ合ったりする「機会」が多くありません。

 

一つの「機会」がお互いを知るきっかけにもなり、

自分にとっても新しい関係 を築く機会になります。

 

小さなことでも、何かできるかもしれない、と思うところから始めてみましょう。

 

 

 

知らないという障害を、知るところから始めてみましょう。

知らないということが障害になっている可能性があります。

相手を尊重して接することが大切です。

 

ここでいう尊重とは、イメージや伝え聞いた話で判断するのではなく

自分が相手をしっかりとみる、という意味を指しています。

そこがスタートになります。

 

 

 

MayIhelp you 「何かお手伝いできることはありますか?」

 

まずは声をかけてみませんか。

あなたのできることからはじめてみましょう。

 

 

 

さぁ、今日からあなたもオープンエアメーカー