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障害者法定雇用率引き上げと支援策の強化について(2023年8月号)

  • 公開日:
  • 更新日:

このページは、広報誌「かわさき労働情報」のインターネット版です。

社会保険労務士 鎌田 愼司

はじめに

一定の規模以上の企業には「障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進)」により、障害者等が能力、適性を十分に活かし、障害の特性等に応じて活躍することが普通の社会、障害者と共に働くことが当たり前の社会を目指すため、障害者雇用対策が義務付けられています。
この法律の改正に伴い、今後、数年間で対策の義務化が求められる企業の範囲が拡大され、現時点では対象となっていない企業も対象になる可能性があります。今後の変更の流れを知り、早めに対策を検討していきましょう。

障害者を雇用しなければならない対象の事業主には以下の義務が発生します。

  • 毎年6月1日時点での障害者雇用状況のハローワークへの報告
  • 障害者雇用の促進と継続を図るための「障害者雇用推進者」の選任(努力義務)

今後発生する障害者雇用の法改正を時系列にご紹介

【令和5年4月】障害者雇用における障害者の算定方法の変更

週所定労働時間が20時間以上30時間未満の精神障害者について、当分の間、雇用率上、雇入れからの期間等に関係なく、1カウントとして算定できるようになります。

⇒障害者を雇用している企業にとって雇用率が改善する可能性があります。

【令和6年4月】障害者雇用における障害者の算定方法の変更

  1. 一部の週所定労働時間20時間未満の方の雇用率への算定
    週所定労働時間が10時間以上20時間未満の精神障害者、重度身体障害者及び重度知的障害者について、雇用率上、0.5カウントとして算定できるようになります。
    ⇒障害者を雇用している企業にとって雇用率が改善する可能性があります。
  2. 障害者の法定雇用率の引き上げ・第一弾
    障害者の法定雇用率が2.3%から2.5%に引き上げられます。
    これにより、社員数40人以上の事業主が障害者雇用対策が義務付けられる対象事業主となる可能性があります。障害者雇用納付金も2.5%で算定することになります。
    ⇒これまで障害者雇用対策が義務化されていなかった企業において、障害者雇用対策を行う義務が発生する可能性があります。
障害者画像1

【令和7年4月】除外率の引き下げ

これまで平成16年4月と平成22年7月に除外率が引き下げられていましたが、令和7年4月に更に10ポイント引き下げになります。

業種別除外率

除外率設定業種

除外率

改正前

改正後

非鉄金属製造業(非鉄金属第一次製錬・精製業を除く。)
船舶製造・修理業、舶用機関製造業
航空運輸業
倉庫業
国内電気通信業(電気通信回線設備を設置して行うものに
限る。)

5%

採石業、砂・砂利・玉石採取業
窯業原料用鉱物鉱業(耐火物・陶磁器・ガラス・セメント
原料用に限る。)
その他の鉱業水運業

10%

非鉄金属第一次製錬・精製業貨物運送取
扱業(集配利用運送業を除く。)

15%

5%

建設業
鉄鋼業
道路貨物運送業
郵便業(信書便事業を含む。)

20%

10%

港湾運送業
警備業

25%

15%

鉄道業
医療業
高等教育機関
介護老人保健施設
介護医療院

30%

20%

林業(狩猟業を除く。)

35%

25%

金属鉱業
児童福祉事業

40%

30%

特別支援学校(専ら視覚障害者に対する教育を行う学校を
除く。)

45%

35%

石炭・亜炭鉱業

50%

40%

道路旅客運送業
小学校

55%

45%

幼稚園
幼保連携型認定こども園

60%

50%

船員等による船舶運航等の事業

80%

70%

  • 警備業、介護老人保健施設、介護医療院については新規追加。

【令和8年7月】障害者の法定雇用率の引き上げ・第二弾 

障害者の法定雇用率が、2.5%から2.7%に引き上げられます。
これにより、社員数37.5人以上の事業主が障害者雇用対策を義務付けられる対象事業主となる可能性があります。
障害者雇用納付金も2.7%で算定することになります。

⇒これまで障害者雇用対策が義務化されていなかった企業において、障害者雇用対策を行う義務が発生する可能性があります。

【法定雇用率を求めるには】

除外率も含めた法定雇用率の計算式は次のとおりです。

雇用率

注)除外率相当労働者数は次のように求めます。
    常用労働者数+常用雇用短時間労働者数×0.5×除外率

【法定雇用率を達成できなかった場合】

法定雇用率を達成できなかった場合には、不足した1人につき月額5万円の納付金を国に収める必要があります。また、行政指導や勧告が行われ、勧告を受け入れない企業に対しては企業名を厚生労働省のホームページ上に公表する措置が取られます。

納付金の納付や企業名の公表などの措置が取られないよう、次の支援制度を利用するなど早めに対策を行いましょう。

支援制度のご紹介

トライアル雇用助成金

就職が困難な障害者を一定期間雇用することにより、月額最大8万円または4万円の助成額を最長6ヶ月または3ヶ月間受給することができます。

詳しくは、厚生労働省「障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース」外部リンクをご覧ください。

また、令和6年4月以降は既存の障害者雇用関係の助成金の拡充、雇入れやその雇用継続に関する相談支援、加齢に伴う課題に対応する助成金の新設が予定されています。

合同障害者就職面接会

ハローワークでは、求職活動をしている障害者と複数の企業が一堂に会する、障害者就職面接会を開催しています。

開催回数や時期は各都道府県で異なりますので、詳細は、最寄りのハローワークにお問い合わせください。

詳しくは、厚生労働省「障害者雇用のご案内」外部リンクをご確認ください。

終わりに

障害者雇用は、SDGsの取り組みとしても「目標8 働きがいも成長も」に掲げられ、今後の企業活動として取り組むべき課題となっています。

障害者に限らず、誰もが働きやすい働き方や環境を目指し、企業内で既存の枠組みにとらわれない対策を検討していただきたいと思います。

ハローワークを始め、各種支援機関もありますのでお早めに各企業にあった支援もご検討ください。
詳しくは、厚生労働省「障害者雇用に関する相談・支援」外部リンクをご確認ください。

法定雇用率の求め方や、障害者雇用対策の進め方についてのアドバイスをお求めの企業の方はお近くの社会保険労務士にもご相談ください。

障害者雇用

お問い合わせ先

川崎市経済労働局労働雇用部

住所: 〒210-8577 川崎市川崎区宮本町1番地

電話: 044-200-2271

ファクス: 044-200-3598

メールアドレス: 28roudou@city.kawasaki.jp

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