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【川崎臨海部】殿町国際戦略拠点キング スカイフロント(テキスト情報)

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【川崎臨海部】殿町国際戦略拠点キング スカイフロント(テキスト情報)

[イントロダクション ~キング スカイフロントとは~]

 

キング スカイフロント。

ここ川崎市 殿町の「トノ」は、日本語で武士集団のトップを指し、「キング」はそれに由来します。このまちは、確かなものづくりの伝統と空の玄関口を持ち、今、世界が望むイノベーションの熱い王となろうとしています。

 

[歴史] 

 

川崎の歴史は日本における近代100年の製造業の変遷の歴史と重なっています。

この地は、京浜臨海工業地帯の要として、当時最先端の重化学工業を中心とする20世紀型工場エリアでした。

そんな川崎は、かつて公害のまちでもありました。

しかし、川崎は他の地域に先駆けて公害対策に真剣に取り組み、その克服に成功しました。

今や川崎は、この歴史の中で培った環境技術や先端医療の基礎研究をいち早く応用開発し、産業化に繋げる21世紀型イノベーションの拠点に生まれ変わろうとしています。

なぜ川崎は、いつも、何か、新しいものを産む都市であり続けられるのでしょうか。

 

[イノベーションを生む「ルツボ」]

 

まず川崎には圧倒的なヒト・モノ・情報の集積があります。

人口140万の巨大都市であり、かつ3700万人を擁する首都圏の中心に位置し、大学や高度な研究機関と化学・金属・機械・電機・食品など、ものづくりに欠かせない製造業がごく狭いエリアに集中しています。

そして関東圏一円に延びる陸海路、世界に繋がる空路の交通ネットワークがあります。

この地の利、人の利から生じたのは、あるルツボでした。

技術のシーズと社会のニーズ、そして、集う人の熱が熱く溶け合い、イノベーションが生まれます。

 

そして、この地に誕生したキング スカイフロントは、企業、生活者、行政、そして研究者、誰もが自由に入れて、出会いアイデアをぶつけ合うことができる、開かれたイノベーションのフィールドとなるのです。

 

 

[カワサキの新しい取組み1 ライフサイエンス]

 

川崎の新時代のイノベーションの種は、まずライフサイエンスの分野で深い根を張り始めています。

2011年、キング スカイフロントにいち早く移転してきた、ここ実験動物中央研究所、実中研は再生医療や革新的新薬創成の拠点となることが期待されています。

 

<公益財団法人実験動物中央研究所理事長 野村龍太>

 

「実中研というのはすそ野が広いと。いろいろなところとつながれるんだと。だから、実中研が来ることによっていろいろな人たちが集まってくると。われわれノグマウスという免疫が全くない動物を世界で初めてつくりまして、本当の意味で動物実験が人間の安全性を見ることができるようになってきたんですね。究極の個別化医療、テーラーメード医療の一つの形として、私の分身マウスを病院の横につくった動物舎に置いて、私の治療方針をその動物を使って決めていくという時代も来るのではないかと思うんですね」

 

iPS細胞を使った脊髄損傷の治療モデルの確立など、実中研と共同研究のタッグを組む研究者はこう語ります。

 

<慶應義塾大学 医学部長 教授 医学博士 岡野栄之>

 

「私たちは、実中研との共同で遺伝子改変マーモセット技術というのは、世界に先駆けて、開発することができたわけですけど、それを今度はさらに普及させるということが大事になりまして、まさに今まで、1人の人間、1つの企業が、あるいは1つの組織ではできなかったイノベーションをする非常に大きなチャンスになりますので、いろんな意味でどんどんぶつかり合って衝突しあって、核融合を起こしていかなきゃいけないなと思っています」

 

2013年、実中研の真隣に完成した川崎生命科学・環境研究センターLiSE(ライズ)は、もうひとつの今までにない出会いの場となります。

 

<川崎市健康安全研究所 所長 医学博士 岡部信彦>

 

「ここにいるといろいろな方がいろいろな方面にいるわけですね。お隣にいたり、上にいたり、下にいたり。いろいろなところのアイデアをもらったり、渡したり、研究をする者にとってはいろいろな刺激があったほうが、直接それとすぐにかかわりや結びつきがなくても、何かほかのことをやるときの大きいヒントになると。そうすると、それが膨らんで大きいものが動いてくるっていうのは、一つの行き着くところの夢みたいなものじゃないかと思うんですけどね」

 

キング スカイフロントには、続々とライフサイエンス関連施設が誕生しています。

 

すでに運営を開始しているジョンソン・エンド・ジョンソンは、高度な医療機器を設置し、病院と同様の環境で医療機器のトレーニングを習得できる東京サイエンスセンターを開設。

医療機器の安全・適正使用を推進すると同時に、日本の医師の高度な医療技術を国内外に発信していきます。

 

また、国立医薬品食品衛生研究所は、実中研やLiSE(ライズ)とも連携して新薬や新医療技術の効果、安全性評価の世界的基準づくり(レギュラトリーサイエンス)確立の中心的存在となろうとしています。

 

そして、ナノ医療イノべーションセンターでは複数の大学、研究機関、企業が、垣根を超えて一つ屋根の下で課題に取り組むオープンイノベーションの新たな拠点になろうとしています。

 

入所が決定しているナノキャリア社では…。

 

<ナノキャリア株式会社代表取締役社長 薬学博士 中冨一郎>

 

「やはり薬と工学をどうやって融合して考えて行くかっていうのが非常に一つのテーマでしたね。すぐ目の前に転がっているものなんですよね、種は」

 

ナノキャリア社は、既成の工学テクノロジーを組み合わせてつくる全く新しい医療デバイス「ナノカプセル」を製造するベンチャー企業。ナノカプセルは使用困難であった抗がん剤でも副作用を軽減して患部に確実に届けることができます。

 

<ナノキャリア株式会社代表取締役社長 薬学博士 中冨一郎>

 

「効果は非常に強くても副作用が非常に強かったりすると、治療域が非常に狭いんですね。その治療域を上げることができるんですよ」

 

<東京大学大学院 工学系研究科/医学系研究科 教授 工学博士 片岡一則>

 

「ナノキャリアっていう会社自体が、やっぱりルツボなんですよね、ある意味でね。薬学の専門家と、高分子の専門家もいるし。『この人は基礎やる人』、『この人は応用やる人』って分け方自体がナンセンスなんです。意外と基礎をやっていた人から、すごくよい応用のアイデアが出るかもしれない。この人はどっちかっていうと、応用のことばっかりやってたんだけど、実はすごい本質を見る目があったかもしれない。川崎でオープンイノベーションの場ができるというのはまさにそういうことなんですね。つまり基礎の人と応用の人が一緒に、要するにメルティングポットですよ、ルツボの中に入ることで自分の価値が分かるわけです。違う人たちと一緒にいることによって違う価値観がぶつかり合って、そこから新しい発想なり、ブレイクスルーが出るわけですよね」

 

古い歴史を持ちながら、自らの強固な基盤技術を新しい医療ニーズに適応させた企業、富士フイルムもナノ医療イノベーションセンターの一員となります。

 

<富士フイルム株式会社取締役 常務執行役員 兼 富士フイルムホールディングス株式会社 取締役 戸田雄三>

 

「この殿町で何を実現するのか。あそこはステージなんだ。舞台。だから、自分たちが何かつくって、自分たちだけで自己満足で終わるのではなくて、それを世界にショーしなきゃいけないと。ショーケースだと。全く新しい宝石ができるか、金属ができるか。まさにそれはルツボのイメージだから。ルツボというのは、自分が実現したい世界よりももっと大きな、もっと高い、溶け合う結果ですから、何か新しい基地。だから、現代版出島というのがいいんじゃない?種と土と風みたいな、そういうコンセプトが非常に重要かもしれないね」

 

川崎の代表的企業の一つ、味の素は、創業の根幹であるアミノ酸解析の技術を医療に応用。血中のアミノ酸濃度バランスの崩れでがんを発見する検診法、アミノインデックス®を生み出しました。

 

<味の素株式会社常務執行役員 研究開発企画部長 経営学修士 農学博士 尾道一哉>

 

「われわれはもともとアミノ酸の分析法は研究していました。アミノ酸のサンプルをある程度長時間安定的に低温状態で保管できるような、キューブクーラー®というデバイス、それを神奈川県のネットワークの中で、特徴的な技術を持っている企業さんと共同開発しまして、そういったものもある中で、このアミノインデックス®っていう技術が確立してきました。1つ1つの企業ができることとか、私ができることとかは限られているんじゃないかと思うんですけれども、そういったものが集まる中で、何か本当に世界に貢献できるような、こういった地域が貢献できたら本当に幸せなことじゃないかというふうに思いますね」

 

 

[カワサキの新しい取組み2 環境技術]

 

資源とエネルギーの利用の効率をエリア全体で向上させる。多様な企業が業種の壁を越えて手を組み、今まで考えられなかったアイデアで連携する。

企業間での余剰資源、エネルギーの融通、そして次世代エネルギーとして期待される水素供給ネットワークの構築も進められています。

川崎はコンビナートであるからこそ、できることの強みを活かした環境技術のフロンティアとなるのです。

川崎で生まれて100年、鉄鋼業の雄、JFEスチール社では…

 

 

<JFE鋼板株式会社 代表取締役社長 小倉康嗣> (撮影時:JFEスチール株式会社 代表取締役 副社長)

 

「例えば資源循環を考えた時に、われわれの高炉で出てくるスラグをデイ・シイさんっていうセメント会社に持って行ってセメントにするとか、ガスを化学会社さんに持って行って、そのガスを使ってもらうとかということで、企業間での循環ができちゃうんですよ。これはどういうことかというと、この中にリサイクルの企業がいるんじゃなくて、本業でリサイクルする原料を使っちゃうんですね。これは全然違うんですよ。もともとの本業の人たちが循環資源として使ってしまうと。根本的に違うんですよね、川崎エコタウンというのは。もちろんリサイクルの工場もありますけれど、いろんな企業がいるっていうことは、一つはそういう特徴を出すことができる。これは他の都市にはないですね」

 

 

[エンディング ~カワサキで、ご一緒しましょう~]

 

川崎というルツボからはいつも新しい種が飛び出してきます。

この地に落ちた種は芽を出しやがて大きな実りとなります。

実った種は風に乗って世界に広がり、かの地で実を結んだ種が、またこの地に戻ってきます。

川崎には豊かなものづくりの土壌があり、人の出会いが、種を育てる熱となるのです

古いものの中から、新しい芽を見つけ出し、次の時代の創造のステップとする。

このまちで生まれる智慧が世界に羽ばたいてゆく。

エキサイティングな実験が始まっているキング スカイフロント。

貴方にも、このまちで未来をつくっていただきたいのです。