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目や耳の不自由なかたへ 【講演会】 令和2年度幸区地域福祉計画・幸区ご近所支え愛事業講演会(第2部クロストーク部分)のテキスト情報

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クロストーク部分のテキスト版になります。

齋藤さん

これから後半の第2部のパネルディスカッションに入っていきたいと思います。今日は地域で活動されている4名の方をお招きして活動発表をお願いしたいと思います。まずは、みなさんの自己紹介と、最近感動したこと、それに加えて地域活動の魅力を感じることについて漢字一文字で表現していただければと思います。

深井さん

かしまだ地域包括支援センターの深井です。私は、前半の澤登さんからのお話と同じように、地域にお住いの高齢者の生活相談に対応しています。地域活動の魅力を感じることを漢字一文字で表すと「絆」を選ばせていただきました。

青山さん

北加瀬原町母親クラブひよこの青山です。私には、3歳の娘がいます。ひよこの活動内容は、赤ちゃんがいるママのサポートをしております。月に1回、北加瀬の公会堂で身長や体重の測定や専門家の方に育児相談ができる会を主催しています。最近感動したことですが、ボランティア活動にお誘いしたママが、私自身が辛かったときにこの会に助けてもらったので今度は私が恩返しでボランティアとして働きたいと自主的に話してくださったのが感動しました。地域活動の魅力を感じることを漢字一文字で表すと、「紡」という字です。当会は誕生してから46年以上経っています。継続する力が生むメリットはすごくたくさんあって、継続することは大変ですが、それによって生まれる感動や魅力があると思いますので伝えていきたいと思います。

中川さん

ご近所支え愛事業の大宮町部会の部会長、幸区町内会連合会の会長として活動しています。ご近所支え愛は幸区独自の事業で、地域包括ケアシステムの一環で、自治会・町内会が幸区役所の皆さんと連携を図りながら、他団体とともに見守り、支え合いを中心に活動しています。自助・互助・共助・公助は、4つの助けるで成り立っているので「助」を選びました。

庄司さん

ひよし食堂の会、通称まちのテーブルの庄司です。地域交流を主体としてプログラムと食事を提供しています。月1回開催しています。今はコロナ禍なので、食品おすそ分け会として、食品ロスの削減を目指してやっています。食品を募集したところ、地域の方にお世話になったとお米を買って地域に返したいという方がいらっしゃったことです。展。どこをどう押せばどう広がるかわからない。どう広がるかその動きが楽しみです。

 

斎藤さん

自己紹介ありがとうございました。これから、少し具体的にどんな活動をされているのか、普段どんなことを感じていることなどもお伺いしていきたいと思います。深井さんからお願いできますでしょうか。

深井さん

川崎市の地域包括支援センターは日々高齢者の生活のご支援をしていますが、それだけではなく、平成19年から地域包括支援センターとしてこのエリアでお世話になっていますが、民生委員や地域のボランティアと一緒に地域を作り上げてきました。センターには私を含めて職員が7名おります。コロナ禍で私たちがやってきた活動もなかなかできなかったのですが、私たちがやらなければできないと思い、介護予防みんなでやろうストレッチということを、アニマモールかわさきをお借りしてやっています。コロナ前から続けてきたミニ喫茶も3回に分けて開催しています。ご近所支え愛でも、地域の皆様と一緒にいろいろな活動を積み重ねてきたところです。前半のお話でもありましたが、高齢者だけの問題では確かになくなっていることが増えてきています。その中でもできることは何かというところを探しながら皆様と一緒に活動しています。

青山さん

私が、母親クラブに出会ったのは、私の娘が生後2ヶ月の時で、町内会の回覧板でまわってきた赤ちゃん相談会のチラシを見て参加したのがきっかけでした。毎月やっている会では、コロナ禍の前は毎回30組以上の親子が集い、年に1回のクリスマス会の時は50組以上の方が参加してレクリエーションで親子遊びをしたり、演奏を楽しんだりしています。ただ、コロナの影響でこの活動ができていないのですが、来年度は予約制で、年代別にして会を分散して実施したいと思っています。また、昨年度のかながわ子ども・子育て支援草の根賞をいただきました。長く続いているということを評価いただきとても光栄なのですが、私は代表になって3年ですが、それまで続けてきた数々の先輩のママさんや、いまボランティアで働いている最高齢の方は80代の方で、そういった方々がずっと引き継いでくださった子育て世代のための団体なので、その思いを受け継ぎながら、できることはやりながら、新しいことにもチャレンジできるきっかけかなと思っていますので、諸先輩がたを巻き込みながら新しい風を吹かせていきたいと思っています。

中川さん

大宮町のご近所支え愛事業は私も含めて12名で行っています。幸区役所、地域包括支援センターとともに年に2回の会議を開いて、4年目を迎えます。当初は、部会員の方々がなかなか口が重たいというか、人のことを報告することが言葉として出てこなかったのですが、そうではなくてお祭りや町内会の会合や回覧板を配る際に話しているようなこと、あの人どうかな、足悪そうに歩いていたよなど、自由に話していくのかが良いのではということで、会議的に行わずに、茶話会のように、冗談を言いながら、軽く話せるような形で進めてきたところ、最近は皆さん話してくださるようになりました。そうすると、最近では、回覧板を回す際にも、普通にその方に状況を伺えるようになってきたのがすごく良かったと思います。コロナの影響でなかなか会議もできなかったですが、気になる方がみなさんで共有できるような活動をしていきたいと思います。

庄司さん

みんなで囲むまちのテーブルとしてやっていますが、2016年から初めて春から6年目を迎えます。スタッフは10名ぐらいでいつも参加される方もいればボランティア的に参加される方もいます。南部市場ですとかフードバンク神かながわですとか神奈川生き活き市民基金の協力を得て食材を提供しています。子どもは100円、大人は300円で30食の食事を提供しています。地域の団体の方々にさまざまなプログラムを提供していただき、その後で食事がメインになっています。子どもたちも地域や年齢を超えて仲良くなっていくのを感じます。スタッフも地域、小倉や北加瀬、南加瀬、新川崎などから集まってきて、食材も寄付していただいたものもあります。Facebookをかわさきプロボノ部という方に手伝っていただいて発信力が高まって、見にきてくださった方が次は手伝うよと言ってくださったりしてとても嬉しいです。コロナの影響もあり、おすそ分け会という形でフードパントリーを開催しました。2時間から3時間の間にみなさんが取りに来ていただくのと、地域の方からも食材を提供いただいて、食品ロスを考えたり、SDGsを頭に入れながら地域のつながりを深めていきたいと考えています。

 

 

齋藤さん

ありがとうございます。地域との関わりや、その前提となる担い手となる人は大事な部分と思いますが、まず、深井さんの場合は制度事業の中で普段活動されていると思いますが、これまで手応えのあった、人との関係や地域の関係を伺えればと思いますが。

深井さん

地域の方と地域ケア会議というものをするのですが、7年くらい前に民生委員の方や社協のボランティアさんから居場所がないねという話がありました。その声から、いろいろな検討を重ねていく中でで、日吉エリアに3か所の居場所を作ることができました。私たちが作ったのではなく、運営も発案も地域の方と一緒にということで、私たちはバックアップしたり、先生を読んで講義をしたりということでつながってきたという事例があります。

齋藤さん

青山さんは町内会の回覧板を見て母親クラブに参加するようになったということでしたが、何かその時にフックのかかったキーワードなりご自分の体験を伺いたいのですが。

青山さん

私自身、ここが出身ではなく、結婚して幸区に住んだのですが、この辺りに友達がいないかつ初めての育児でママ友を作りたいけれどどうやったらいいという状況でした。そのときに、回覧板がまわってきて、代表になってからはチラシも新しくデザインし直してママさんの目に止まりやすいように、あえて活動の団体名は出さずに、「子育てママ大集合!」としてチラシを作成しました。その影響もあってか、徐々に参加者の数も増えてきたように感じます。共働きのご家族もたくさんいらっしゃって、参加される方々の8割9割は0歳代のママさんで、0歳代に授乳ができないとか離乳食をどうしたら良いかとか周りの助けが得られないという方も多いです。ママ友を作りに来られる方もいらっしゃるので、地域の顔見知りが増えるのは良いことだなと思うのでこの活動を続けています。

齋藤さん

新たな取り組みを変えていく大変さもあったかもしれないですが、地域にとってはとても大きな力になっていると思いますね。中川会長は、ご近所支え愛事業に取り組まれてということですが、取り組んでいく中で地域で変化があったようなことはありますか。

中川さん

まず、私たちの町内会は特異で、集合住宅が90%、戸建てが10%のような具合で、他の町会とは異なるところもあるかもしれません。その中でも、やはり、わかっていても行動ができない方が多い。ですが、徐々にみなさんがわかっていた人のことにもう一歩踏み出す、声を掛けるようになってきました。あの人知っているけれど、最近なんか足が悪そうだなと思っていても、話ができなかったところが、少しずつ話をできるようになってきたように思います。

齋藤さん

気持ちを開くというか、個に閉ざすということではなくなってきているんですね。

中川さん

そうですね。あとは、30代、40代、50代の若い方の参加が少ないので、ご近所支え愛事業の部会員も増やしていきたいと思っています。

齋藤:庄司さんは、人との関係や地域との関係でいかがでしょうか。

庄司さん

私たちは居場所づくりを目的にやってきました。そうした中で、心に残っているのは、ある時、小さいお子さんがいらっしゃる方がいらしたのですが、その方のふるさとは地方にある方で、まちのテーブルに来て、まるでふるさとのまちに来たみたいと仰ってくださったことがありました。私たちは南加瀬中央会館という会館を使わせていただいているのですが、交流にするには良い場所で、そう思ってくださる方が一人二人と増えていることが心に残っています。今は、分断の時代だと思っていて、それに気づいて修復していこうとしている人がたくさんいると思うのですが、なかなかそのきっかけがつかめない方もいらっしゃる。そういう方々に届くような活動をしていかないといけないなと思っています。

齋藤さん

地域の活動を進めていくためにはいろいろな制約があったり、若い世代の感覚がということがあったのですが、それぞれの中で、こういうことをやっていきたいなとか、なかなか次の一歩に進むにはハードルがあるようなこともあろうかと思います。何か、困りごとや課題になっていることがあればお伺いしたいのですが。

青山さん

私たちの会には、ボランティアが16から20名ほどいるのですが、その半分ぐらいが50代以上の方々で、それ以外の半分が現役で子育て中の方です。今、コロナで人が集まるような活動自体をできていなくて、地域のママ友作りの場としてオンラインでママ交流会のようなものをやりたく、実施に向けた企画をして試運転のようなものをやったのですが、オンラインでのやり方を教えるのが大変な方もいらっしゃって、なかなか実行に移すことができず、若いボランティアの方も育児や仕事しながらのボランティアなので準備期間も取れずに苦戦していて、企業や行政を頼ってやるべきなのか悩んでいます。

齋藤さん

デジタルデバイド、情報格差と言われて久しいと思いますが、人によってハードルが高かったり、仕事であれば業務で行うこともできたりしますが、ボランティアの方々にどこまで求めるのかというと非常に難しいと思います。高齢の方からすると機材がなかったり、やり方がわからなかったりということもあろうかと思います。その辺りは川崎市の方でオンライン導入の補助金の仕組みや講座などがあれば、勉強していかなければとは思いますね。一方でボランティアの半数は若い世代の方ということで若いママさんもいらっしゃるようですが、この点で中川会長は何か感じることはありますか。

中川さん

私たちの活動は、高齢者を対象としているのですけれど、本来は乳幼児から全ての人の幸せを考えないといけないわけで、そこまで考えていくと、地域包括ケアシステムの本来の目的に近づいていくと思います。南河原の地区には、地区社協の活動で子育て支援をしています。最近は、すごく参加人数が増えていて、困っている方が多いんだと感じています。乳幼児の体操など健康のテーマで企画をすると、すぐに人数があふれてしまう。そういった方も支援していかないといけないなと思っています。

齋藤さん

庄司さんたちの活動を伺っていると、多様な世代の方や立場の方が活動に参画されていると思いますが、いろいろな人を巻き込む秘訣があれば教えていただきたいのですが。

庄司さん

楽しくやることかなと思います。ここの場に来ると私も元気をもらえるし、他の人とつながれるよという気持ちを抱けるような雰囲気と場づくりをしていきたいと思います。参加者と私たちだけの交流だけでなく、まちのことを考えている人の場づくりができるといいなと思っていますし、そのための拠点ができるといいなと思います。

齋藤さん

空き家も増えていますし、行政も場づくりに力を入れていますので、できるといいなと思いますね。

最後に、深井さんに伺いたいのですが、新しい取組をいろいろされていると思いますが、地域に受け入れられるコツとか秘訣があればと思いますが。

深井さん

私たちは、後発で地域の中に登場した機関になります。15年以上になりますが、最初の頃は何をする人たちから始まりました。その場を怖麻ないとか、私たちがどんどん前に出ないということを心がけてきました。これからもそうしたいと思いますが、気軽に声をかけてもらえるような私たちでいたいなと思います。幸区は6つの地域包括支援センターがあって、医療介護の人たちとも強いつながりを持っていて、専門職のネットワークはバッチリできています。あとは声をあげてくださった方に一生懸命対応しているので、誰も置き去りをしたくないので、邪魔をしないよう、声をかけられたら一生懸命やりたいと思います。

齋藤さん

ありがとうございます。では、ここで質疑をお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

質問者

私の住む地域にも、近年、戸建が埋没してきまして、周りに高層マンションがたくさんできていまして、住民の6割は若い世代の方になります。町内活動としては、次世代の交流ができるように従来の活動を活発化してやってきまして、町内会の役員の7割は若い人たちです。私も子育てグループと連携してやってきましたけれども、コロナで活動を自粛されましたので、気になる方にメッセージカードを90枚以上3回配布しました。顔を見て、地域についてお話をしたいなと思っているんですが、中川会長のところは8割は高層マンションということで、これからどう活動されていくのか伺いたいのですが。

中川さん

ここ15年で川崎駅の西口もだいぶ変わりました。その中で、新しく入ってくる方々は、情報の宝の宝庫と思っています。我々長く住んでいる者からはなかなか新しいものが出てこないんですが、新しい方々が、町会をで活動したりそのまちを作ったりする。その中で私たちが昔の経験を見て後押しをする。そういう形が町内会の中でも必要なことだと思っています。もう一点、ここ10年前後で立った高層マンションについては、管理組合や管理会社がしっかりしていて問題がございません。管理組合と管理会社がしっかりしていると中に住んでいる人のことはかなりわかっています。一番危惧しているのは地権者がわからないようなところがあって、中が改造されていたり、住居が店舗になっていたりもありますので、身近な問題として注意しながら活動しています。

齋藤さん

今の中川会長のお話から、宝の宝庫だという話もありましたが、地域の回覧板を見て母親クラブに参加される方もいらっしゃったり、地域の中にはたくさん宝がいて、宝の山からどう見つけてくるかが一番のポイントかなと思っています。本当は、コロナ前後で苦労されていること工夫されていることを伺いたかったのですが、講演の中でもさまざまな活動報告もございましたので、時間も迫って来てしまいましたので割愛します。ウィズコロナでどう活動を続けていくかということも大切かと思います。地道な活動がさらに良くなるためにどうしていくべきなのか、自分たちの中で閉ざすのではなく、心を開いていく、地域の中でだれかに依存するのではなく、一緒にやっていくという関係性ができると良いのではというヒントになったのではと思います。今日、パネラーの皆さんと出会えたこともそうですし、そういう中で活動を進めていく中で、セクターを超えて連携していく、面を作っていくことになればと思います。ここで、クロストークを終わりにしたいと思いますが、最後に、前半講演をいただいた澤登さんからもコメントをいただきたいと思います。

澤登さん

4人の方に共通しているのは、まずは自分のためにやっているというのがいろいろな発言でも出ていたかなと思います。人の為と書いて、偽りと読むんですね。いかに自分のために引き寄せてやっていったとしても、結局、それがまちのためや誰かのためになるのですが、できる限り自分に引き寄せて、我がごととして取り組むことで共感が生まれると思います。コロナをマイナスに考えがちですが、コロナを力に変えていけば良いと思うんです。今ほど、自分自身で改めて何が大切かを考えるときってないのではないかと思います。誰しもが我がごととして考えているので、これはチャンスだと思います。話をしていく中で、そう思っているのなら、力を貸してよとも言いやすくなっていますし、コロナを力に、みなさんの活動が本来対象としている人以外にも広がっていくことを願っています。