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平成23年度政策課題研究

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2018年7月13日

コンテンツ番号47351

市民の力を活かした持続可能な地域社会のあり方を探る~地域コミュニティ再生の動きをめぐって~

表紙

平成23年度政策課題研究報告書

テーマ設定の背景

近年、高齢者の所在不明問題や孤独死が大きく報道されるなど、いわゆる「無縁社会」という言葉が世間に広まり、地域の住民同士の身近なつながりが希薄化し、地域コミュニティの力が弱まっている実態が不安視されている。
その一方で、2011年3月11日に発生した東日本大震災を契機に、個人のボランタリーな力や、町内会・自治会、市民活動団体同士の連携などが、「市民の力」として発揮され、現場を支えていることが伝えられた。本市においても、物流や交通網が滞る事態が発生し、有事の際の身近な住民同士の助け合いの重要性が改めて認識されたところである。
このような流れを背景に、今回「『市民の力』を活かした持続可能な地域社会のあり方を探る」というテーマで研究を行うこととした。

報告書の概要

今、なぜ地域コミュニティの活性化なのか

  • 少子化、高齢化+単身世帯の増加=「地域」で支えていく必要のある世帯の増加が見込まれる
    ⇒地域コミュニティがますます重要となる。
  • 東日本大震災=日頃からの身近な人同士の交流の大切さの再認識
    ⇒地域コミュニティの活性化の必要性と、活性化に対する市民意識が同時に高まっている。

川崎市におけるコミュニティの現状と課題のまとめ

町内会・自治会

  • 民間団体でありながら、地域における公共的な役割を担っている。
  • 近年、加入率は大幅に低下(2010年現在の加入率:66.7%)
    ⇒フリーライダーの増加、住民自治機能の低下が課題。

市民活動団体(NPOなどの「テーマ型」団体)

市内に主たる事務所を置くNPO法人認証数、市民活動センターの利用団体数とも増加傾向。⇒市民活動は活発化傾向にある。

地域コミュニティの活性化に向けた検討

地域コミュニティ活性化に向けた2つの手法

地域コミュニティの活性化に向けては、大きく次の2つの手法があると考えられる。
1 町内会・自治会の加入率向上(究極的には100%)をめざす手法。
2 コミュニティレベルの住民組織に対して、法的制度により一定の権利や権限を付与する手法。
⇒町内会・自治会の加入率が7割を割り込んだ状況や、今後世帯を形成していく世代が地域社会と深くかかわった経験が少ないことなどを考慮すると、加入率向上のみでは難しい。
⇒単に、既存の町内会・自治会に権限を付与する((2))だけでなく、地域に存在する特性の違う団体が相互に連携する仕組みが効果的と考える。

区民会議の活性化と自治意識の醸成の必要性

区民会議=区民の参加と協働により区における地域社会の課題の解決を図るため、調査審議を行う機関として各区に設置している。
⇒「区」よりも狭い、顔の見える範囲で、誰もが参加し話し合える場を設け、自治意識を高めることで、区民会議の活性化、川崎市の住民自治の促進につながると考える。

協働を推進するしくみづくり-「地域自治組織の設置」

行政に求められるのは、地域の多様な主体が有機的に連携し、地域課題の解決に向けて協働する仕組みづくりであると考える。
⇒・一定のコミュニティエリアに、地域の住民代表的な組織を作る。
 ・市から財源や権限を委譲し、自主的な地域課題解決活動を推進する。
という仕組みをつくってはどうか。

地域自治組織の制度的位置づけ

地方自治法第202条の4に規定のある地域自治区制度では、
・地域ごとの特性を生かした柔軟な設計が難しいこと
・区長に自治体職員を充てる定めがあること
などから、条例による地域自治組織の設置について検討を行った。

他都市・海外における事例の調査

事例検討のポイント

住民自治組織の役割、権限、財源、区域の設定、活動拠点、構成員、設立方法など

調査都市・事例

1 三重県伊賀市「住民自治協議会」
2 愛知県名古屋市「地域委員会」
3 兵庫県神戸市「ふれあいのまちづくり協議会」
4 大阪府豊中市「地域自治組織」
5 ドイツ・ブレーメン市「地域評議会」

事例分析からわかったこと

  1. 住民自治組織の役割、権限
    ・地域課題の解決に向けて、「参加と協働」型、もしくは、「参加」型の取組を実施。
  2. 財源
    ・地域包括支援金(伊賀市)、地域活動統合助成金(神戸市)など、既存の補助金等を統合し住民自治協議会に交付。
    ・指定管理者制度(神戸市「野田北ふるさとネット」)やコミュニティビジネスによる事業収入も財源となりうる。
  3. 区域の設定、活動拠点
    ・いずれも「小学校区程度」を区域と規定。
    (住民が共同生活者として愛着を持てる区域として、長期的な市域の変遷を含めた検討も必要)
    ・ハード面として、区域毎に活動拠点の整備(既存施設の活用含む)が不可欠。
  4. その他
    ・地域自治組織の設立を支援し、発展的に成熟するまでの経過をコーディネートする「地域担当職員」の配置なども取り入れられている。

地域コミュニティの活性化に向けた提案

地域自治組織についての提案

地域コミュニティの活性化を図るに当たって、次のような地域自治組織の設立が有効と考える。

  1. 役割
    地域に暮らすもの同士が、地域の課題について住民自信による課題解決を行うための、諸団体の連携・調整を行うコーディネート機能を担う。
  2. 構成団体
    町内会・自治会やマンション等の管理組合、市民活動団体等のあらゆる団体・個人を含みうるものとし、参加団体を固定せず、常に門戸を広げた形とする。
  3. 権限・財源
    条例で一定の権限を付与し、権限行使に利害関係を持つあらゆる主体が参加できる仕組みとする。財源は、既存の補助金を統合し、統合補助金として一括交付する。
  4. 区域
    中学校区単位に設置されているこども文化センター・老人いこいの家などを活動拠点として活用することや地域教育会議等の既存の団体等との親和性を考慮し、中学校区程度とする。
  5. 設立のプロセス・要件
    地域内の町内会・自治会すべての参加があることなどの要件を満たした地域からの申請を受け、行政が認定する仕組みとする。

その他地域コミュニティの活性化に向けた環境整備についての提案

  1. 区役所を中心とした地域コミュニティの活性化
    住民に最も身近な行政拠点である区役所が、これまでに進めてきた区役所への分権、区役所機能強化の成果を発揮し、より一層、地域コミュニティの活性化を図っていくことが望まれる。
  2. 地域担当職員制の導入
    職員が特定の地域の担当となり、地域自治組織の設立支援や運営・活動支援、地域と行政との窓口などの役割を担うことで、市民と行政との間に、制度的な枠組みを越えた信頼感の醸成が期待される。
  3. 職員の意識改革
    地域住民の視点に立ち、地域との連携を軸とした行政施策の立案を行うとともに、地域の自主性を損なわずに地域社会の発展を支援し、地域と対等な目線で対話を行う姿勢が求められる。

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川崎市 総務企画局都市政策部広域行政・地方分権担当
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