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川崎市の公害の歴史を学ぶ

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 本市が経験した公害の歴史や記憶を風化させることのないよう後世に引き継ぐことは重要です。本市では公害に関する情報収集と整理を行い、公害の歴史を伝える取組を実施しています。また、公害の歴史と併せて、環境の大切さについても市民の方々をはじめとして広く情報発信を行っています。

1 甚大な公害の経験

 本市は、京浜工業地帯の中核として日本の高度経済成長時代(1960年代~70年代)を牽引してきた一方で、負の側面として急速な環境悪化を招き、大気汚染や水質汚濁などの甚大な公害が起こりました。このような公害問題に対し、市民、事業者、行政はさまざまな取組を行い、現在は、市民が安心して暮らせる生活環境を取り戻してきています。

1960年代の川崎の空
臨海部の工場から排出される煙が街を覆っている

1970年頃の多摩川
生活排水やごみの流入により水質が悪化している

現在の川崎の空
きれいな空を取り戻し大気の澄んだ日には富士山も望める

現在の多摩川
水質が改善し、多様な生きものが暮らす川となった

2 公害に関する資料の収集、整理

(1)資料や情報の収集、整理

 本市では、昭和36(1961)年に、公害防止対策に取り組むため経済局商工課に「公害係」を新設し、対策を進めるとともに公害の情報の収集も行ってきました。昭和48(1973)年には、現在の環境総合研究所の前身となる公害研究所を設置して、公害に関する調査・分析のほか、公害関係資料及び情報の収集に努め、映像や冊子等にとりまとめています。

注)平成25(2013)年に公害研究所、公害監視センター、環境技術情報センターの機能を再編・統合し、環境総合研究所を開設

映画「白い雲をかえせ」

 1970年代当時の本市の大気汚染の状況や取組を整理し、市民の方へのインタビューなども収録して、昭和47(1972)年に映画「白い雲をかえせ」を制作しています。(全編22分のほか、5分、10分の短縮版も作成)

川崎市の大気・水環境

 本市の大気汚染、水質汚濁等の現状と対策について、過去からのデータも掲載して年度ごとに取りまとめ、資料として残してきています。 この冊子は、「川崎市の公害」、「川崎市公害白書」、「環境局事業概要-公害編-」などの変遷を経て、現在では「川崎市の大気・水環境」として、過去のデータなどを継承しながら作成し、ホームページや区役所、図書館等で公表しています。

 「川崎市の大気・水環境」は、これまでの取組や環境対策の歴史についてまとめた「かわさきの大気・水環境のあゆみ」、各年度の施策や環境データについてまとめた「大気・水環境対策の取組」で、構成されています。

冊子「川崎から世界へ伝える環境技術」

 本市には、国に先行した公害防止条例の制定や企業との公害防止協定の締結など、公害問題の克服に向けて率先して取り組んできた経験と環境意識の高い市民、高度な環境技術の集積などがあります。それらの資料を収集し、わかりやすく整理をして、「川崎から世界へ伝える環境技術~過去の経験と未来へのメッセージ~」と題した冊子を平成20(2008)年に作成(その後、2年毎に改定)しています。この冊子は、過去から未来に向けた本市の環境に関する取組や技術をわかりやすく一冊にまとめたものです。(日本語・英語、日本語・中国語の併記)

(2)市民等と連携した情報収集、整理

 本市では、市民・事業者・行政の協働による地域環境活動を促進する取組や、産学公民連携による環境技術開発等の共同研究も実施しています。このような取組の中で、公害の歴史の情報収集及び整理も行ってきています。

市民・事業者・行政の協働の取組

 環境パートナーシップかわさき第6期(活動期間:平成23年9月~平成25年8月)の大気・公害部会の活動では、川崎の公害の歴史にスポットを当て、当時を知らない市民の方々にもわかりやすく公害のことを伝えるため、公害病認定患者の方にお話を聞いて声としてまとめるとともに、公害対策の歩みに関する年表を作成し、第6期活動報告書にまとめています。

産学公民連携の取組

 産学公民連携による共同研究において、本市と国際大学グローバル・コミュニケーション・センターにより実施(平成26(2014)~平成28(2016)年度)した取組で、本市の過去から現在の様子や変遷を知り、その情報を基に地域住民による「環境を考えるコミュニケーション」を活性化させるためのツールとして、ニュース映像を整理し「臨海部の歴史」、「公害の歴史」、「ごみの歴史」、「山間部・平地の歴史」の4つのテーマ毎にビデオを作製しました。

  「公害の歴史」では、工業都市として躍進する川崎の様子や、それに伴い生じた公害の様子、公害防止に向けた取組など当時の公害の状況や変遷をまとめています。

 これらの映像は、環境総合研究所アーカイブスペースで投影しているほか、YouTubeにも掲載しています。

3 伝える取組

 本市が経験した公害の歴史や記憶を風化させることのないよう後世に引き継ぐため、公害問題に取り組んできた歴史や環境保全の取り組みに加え、環境の大切さや環境問題に取り組むことの重要性等を、関連施設での展示や環境教育・学習などを通じて、市民の方々をはじめ、国内外に広く発信しています。

(1)施設で伝える

 本市の公害問題に取り組んできた歴史や優れた環境に関する取組などの環境技術情報を国内外に発信することを目的に、環境総合研究所にアーカイブスペースを設置しています。また、アーカイブスペースのほかにも、関連施設やイベント等において、公害の歴史に関する資料を展示するなど情報発信を行っています。

環境総合研究所アーカイブスペース

 川崎区殿町にある川崎生命科学・環境研究センター(LiSE)1階のアーカイブスペースでは、映像やタペストリー、iPad等のIT機器を活用するとともに英語も表記して、国内外に公害の歴史や優れた環境技術に関する情報発信を行っています。

かわさきエコ暮らし未来館

 川崎区浮島町にあるエコ暮らし未来館は、地球温暖化、再生可能エネルギー、資源循環の3つのテーマを中心に、 環境を守るためにはどうしたらよいのかを具体的に体験しながら楽しく学べる施設です。1階の映像コーナーで公害の歴史を映像で紹介しているほか、2階の展示スペースの「川崎の暮らし環境100年のアルバム」の中でも、公害の歴史を写真で紹介しています。

王禅寺エコ暮らし環境館

 麻生区にある王禅寺エコ暮らし環境館は、資源循環や温暖化対策、自然共生について楽しく学ぶことができる施設です。公害の歴史に関するパネル展示も行っています。

イベント等を活用した情報発信

 本市が主催する「川崎国際環境技術展」外部リンク「川崎国際エコビジネスフォーラム」外部リンクや公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)が主催する「持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP)」等で、冊子「川崎から世界へ伝える環境技術」を配布しています。また、本市と横浜市との連携により開催している「化学物質対策セミナー」では、当時の公害の状況と現在の様子を写真で掲示するとともに、公害に関する年表なども掲示して、国内外に本市の環境に関する情報発信を行っています。

(2)環境教育・学習等を通じた伝える取組

環境副読本

 人間と環境とのかかわりについて理解と認識を深めるため、学校における環境教育の教材として環境副読本を作成し、市内の小中学校の生徒・児童に配布しています。

 大気に関するページでは、環境問題について考えるきっかけとなるよう、当時の公害の状況を写真やデータなども使用してわかりやすく記載しているほか、市民・事業者・行政の取組も紹介しています。

かわさきしこどもぺーじ

 かわさきしこどもページでは、「かわさきしのれきし」の中で「黒(くろ)けむり、さようなら」として子ども向け情報発信を行っています。

環境総合研究所における環境教育・学習の実施

 環境総合研究所では、研究成果や特色ある環境フィールドを活かした体験型学習を実施しています。大気環境の改善に向けた取組や、きれいな大気を守ることの大切さを学び、考えるきっかけとするために子ども向けに作成した「大切な大気のはなし」等を配布して紹介するなど、環境配慮行動のできる人材の育成を進めています。

【これまでの主な実施内容】

・かわさき星空ウォッチング in キングスカイフロント

・多摩川河口干潟の生きもの観察会 など

出前講座の実施

 市職員等が市政情報を説明する「市政出前講座」において、水環境や化学物質など、環境に関する出前講座を実施しています。環境学習の機会などに御活用ください。

環境白書

 本市の環境の現状と環境施策の実施状況等をとりまとめた環境白書を作成・公表し、市情報プラザ、区役所、図書館等で配布しています。

 年次報告書の「川崎市における環境施策のあゆみ」では、公害の歴史や取組も掲載しています。また、年次報告書に対して市民の方から意見の提出を受け、市の対応措置を取りまとめて公表しています。

お問い合わせ先

環境局 環境総合研究所 事業推進担当
電話:044-276-9118
ファクス:044-288-3156
メールアドレス:30kokuse@city.kawasaki.jp
住所:〒210-0821 川崎市川崎区殿町3-25-13

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