巻貝(ツブガイなど)による食中毒 ~テトラミン~
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魚介類の中には、有毒な物質を持っており食べると食中毒を起こすものがあります。中でもエゾバイ科のエゾボラ属及びエゾバイ属の通称「ツブガイ」といわれる巻貝は、唾液腺にテトラミンという毒が含まれており、しばしば食中毒の発生が報告されているので注意が必要です。
テトラミンは神経毒の一種で、食後30分ぐらいで頭痛、嘔気が起こり、船酔い感がして足がふらつき、運動失調や視覚異常などを呈します。代謝速度が比較的早く数時間で回復します。
テトラミンという毒は煮ても壊れないので、火を通しているから大丈夫!ということはありません。したがって安全に食べるには調理するときに唾液腺を取り除く必要があります。
エゾバイ科の巻貝を食べる際には、必ず唾液腺を除去しましょう!

唾液腺の除去方法

(1)貝から身を取り出す。

(2)内臓と肉を切断する。肉に切り口を入れ、開く。

(3)唾液腺を確認し、取り出す。

(4)肉にだ液腺が残っていないか確かめ、十分水洗いしてから食べる。
テトラミンを持つツブガイとして代表的なものに、以下のような種類があります。

エゾボラ(マツブ)

殻表は褐色で太い螺状肋があり、成長脈は低いひれ状に立ち上がっている。市場では通常「マツブ」という名で販売されている。

エゾボラモドキ

淡褐色で水管(矢印部分)がやや広く、唾液腺も大きい。1個あたりの唾液腺でも中毒が起こる。

ヒメエゾボラ

紫褐色で、らせん状に脈をめぐらし、殻は厚く、肩にこぶがある。

ヒメエゾボラモドキ

白色または、淡紅色、前溝(矢印部分)はやや長い。唾液腺の毒性は強い。

チヂミエゾボラ

淡肉色、らせん状に細脈をめぐらす。唾液腺の毒性は比較的弱い。

シライトマキ

白色でやや薄質、他の貝に比べて細長いらせん状で力強い脈をめぐらす。
毒の強さは貝の大きさや種類によっても異なりますが、ヒメエゾボラ貝は3~5個分の唾液腺、エゾボラモドキでは1個分の唾液腺でも症状が出始めます。
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