先天性代謝異常等検査(新生児マススクリーニング検査)
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先天性代謝異常等検査とは(20疾患)
フェニルケトン尿症などの先天性代謝異常等を早期に発見するための検査です。フェニルケトン尿症などの先天性代謝異常等の赤ちゃんは生まれた時は全く健康に見えても適切な対応をとらないと、身体障害や発達の遅れが発生したり、時には生命の危険にさらされる場合もあります。しかし、これらの病気は早期に発見し、適切な治療を続ければ障害などの発生を未然に防ぐことができます。
出産した医療機関等で検査を受けてください。
神奈川県内の医療機関等で出産した場合、検査料は無料、採血料は自己負担となります。
神奈川県外の医療機関等で出産した場合は、出産した医療機関等が所在する自治体の制度を受けることになります。
対象者
神奈川県内で出生した全ての新生児
費用
検査料は無料(公費負担)ただし、採血料等は自己負担
実施方法
出産した医療機関等で生後5日から8日の間に赤ちゃんのかかとから少量の血液を採血して行います。
検査結果は出産した医療機関等からお知らせします。また、万一精密検査を必要と判断された場合は、専門の医療機関を紹介します。
申込方法
母子健康手帳に添付してある「先天性代謝異常等検査申込書」に必要事項を記入の上、出産した医療機関等に提出してください。
対象疾患
この検査で対象となるのは、次の20疾患です。対象としている疾患以外が見つかる場合もあります。その場合は、精密検査を受ける病院で詳しい説明があります。再検査や精密検査の詳細については、出産した医療機関等で説明を受けるか、下記ホームページを参照してください。
アミノ酸代謝異常(5疾患)
- フェニルケトン尿症
- メープルシロップ尿症
- ホモシスチン尿症
- シトルリン血症1型
- アルギニノコハク酸尿症
有機酸代謝異常(7疾患)
- メチルマロン酸血症
- プロピオン酸血症
- イソ吉草酸血症
- メチルクロトニルグリシン尿症
- ヒドロキシメチルグルタル酸(HMG)血症
- 複合カルボキシラーゼ欠損症
- グルタル酸血症1型
脂肪酸代謝異常(5疾患)
- 中鎖アシルCoA脱水素酵素(MCAD)欠損症
- 極長鎖アシルCoA脱水素酵素(VLCAD)欠損症
- 三頭酵素(TFP)/長鎖3-ヒドロキシアシルCoA脱水素酵素(LCHAD)欠損症
- カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ―1(CPT1)欠損症
- カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ―2(CPT2)欠損症
その他(3疾患)
- ガラクトース血症
- 先天性甲状腺機能低下症(中枢性を含む)
- 先天性副腎過形成症
新生児マススクリーニング検査に関する実証事業(追加2疾患)
川崎市では、令和6年10月1日から、国(こども家庭庁)が実施する「新生児マススクリーニング検査に関する実証事業」に参加することになりました。
この事業は、これまで実施されてきた、20疾患を対象とする検査において、新たに2つの疾患(脊髄性筋萎縮症(SMA)、重症複合免疫不全症(SCID))を対象に追加して、実証を行うものです。
2つの疾患の検査の実証データ(検査数や陽性者数などの個人が特定されないデータ)をこども家庭庁と、こども家庭庁の研究班(こども家庭科学研究但馬班*)に提供することで、全国の赤ちゃんが2つの疾患の検査を受けられるようにするための検討に活用されます。
*こども家庭科学研究費補助金成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業「新規疾患の新生児マススクリーニングに求められる実施体制の構築に関する研究」研究代表者:但馬剛、国立成育医療研究センター
検査の対象疾患
今回の実証事業では検査に以下の2疾患が加わります。
- 脊髄性筋萎縮症 spinal muscular atrophy (SMA)
- 重症複合免疫不全症 severe combined immunodeficiency (SCID)
SMAは全身の筋力が低下する病気で、2万人に1人が発症します。SCIDは5万人に1人が発症するとされ、免疫が働かないため重い感染症にかかりやすい疾患です。いずれも治療しなければ、1~2歳までに亡くなる可能性があります。SMAは近年、早期に治療薬を投与すれば発病の抑制や運動機能の改善が期待できるようになりました。SCIDは免疫の働きをする細胞を生み出す「造血細胞移植(骨髄移植、臍帯血移植)」で、ほぼ根治できます。疾患に関する詳しい情報は下記をご覧ください。
費用
検査料は無料(公費負担)ただし、採血料等は自己負担
実施方法
検査結果は出産した医療機関等からお知らせします。また、万一精密検査を必要と判断された場合は、専門の医療機関を紹介します。
申込方法
出産した医療機関等から「新生児マススクリーニング検査同意書」を受け取り、必要事項を記入の上、提出してください。
留意事項
- 令和6年10月1日以降の採血分から対象となります。
- 検査によって、すべての脊髄性筋萎縮症、先天性免疫不全症が見つかるわけではありません。
- 脊髄性筋萎縮症や重症複合免疫不全症以外に、免疫不全を生じる疾患等が見つかる可能性があります。
- この検査はスクリーニング検査です。精密検査が必要と判断された場合でも、精密検査の結果、“病気ではない”と診断される場合もあります。
外国人向け多言語説明資料
厚生労働省のホームページにおいて、日本国内の医療機関を対象に、先天性代謝異常等検査の外国人向け多言語説明資料が紹介されています。
必要に応じてご活用ください。
(当説明資料は、実際の使用を強制するものではありません。)
外国人向け多言語説明資料(厚生労働省のホームページ)外部リンク
お問い合わせ先
こども未来局 児童家庭支援・虐待対策室 母子保健担当
〒210-8577 川崎市川崎区宮本町1番地
電話:044-200-2450
ファクス:044-200-3638
メールアドレス:45boshiho@city.kawasaki.jp
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