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令和5年度幸区こども・子育て講演会「子どもの貧困について考えよう」テキスト情報

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【質疑応答】子どもの貧困について考えよう ~子どもを取り巻く複合的な課題と子どもの居場所の役割~ テキストページ

○事務局

 先にチャットでいただいた質問のほうをさせていただきます。

 まず1つ目が、相対的に貧困とされる家庭のこどもは着ている服が普通だったりと、不衛生な身だしなみでなかったり、外見では見分けがつかないといいますか、ちょっとした気づきなど、何か特徴があって把握できることってありますでしょうかといったご質問をいただいております。

 先生、御回答のほうお願いいたします。

 

○講師(今井久子先生)

 ここを見ると分かりますというふうにお答えしたいところですが、実は、こどもの貧困は目に見えないことが特徴になっております。なぜかというと、やっぱりよく携帯電話を持っているから貧困じゃないよねというふうにはならないですよね。例えば携帯電話にきらきらなシールがたくさん貼ってあったりとか、かわいい何かミニスカート履いていたり、ちょっとおしゃれなリボンつけていたりしても、今みんな100均でそろうんですよ。それとか、洋服もファストファッション、すごい安いです。そういったもので外見はほとんど分からないようになっています。

 ただ、よーく見ると、例えば洋服はきれいにしているけれども、運動靴が、何ていうのかな、もう随分履いているなというスニーカーだったりするというのはありますね。

 やっぱり例えばこども食堂なんかに食べに来ているときでもそうなんですけれども、ふとした会話とか、あとちょっとしたところに何か寂しさみたいなものというのを感じるこどもが、全員じゃありませんけれども、私はいます。

 あと、貧困と先ほどの中で不適切な養育が結びついた子というのはすごくよく分かります。そういった子はもう着ているものから、例えば短いズボン、身丈に合っていない上着、季節外れの洋服、そういったもの、すぐ分かります。ですから、貧困で何とか暮らしているよというくらいから不適切な養育に結びついたときには分かるけれども、普通の、普通のというか、もう貧困だけの切り口ではなかなか分からないですし、また、こどもたちも、自分が特別うちはお金がないんだと見られないように努力しているんです。

 だから、親もそうなんですね、実を言うと。特に都心になりますと、すごく周りが、例えば中学、文京区なんてもう半分以上のこどもが中学受験するんですよ。都心でそういう、何ていう、学力というか勉強熱心な親たちがたくさんいるところでも、やはり貧困の家庭はあります。そういうところは、親が最大限に周りのこどもに遜色ないように見せるためにお金を使っていきます。だから、節約するのがどういうところなのかというと、先ほどの一番大切な食事になったり、自分の食事を3食から2食に減らしたり1食に減らしたり、これは実際にあります。

 あと、例えばこどものご飯も、本当にたんぱく質が週1回だったりと。私たちファミリーサポートという事業をやっていまして、困窮家庭、両親家庭でもひとり親家庭でも困窮家庭、入るときにいろいろこう調査項目でかなり厳選していくんですけれども、そこで毎回いろんな調査をお願いするんですが、その中で、この物価高のどんなことにお困りですかというようなアンケートの中でも明らかに出ていまして、やっぱり食費、食事を切り詰めながら、こどもにつらい思いさせないように頑張っているという声が実際にありました。答えとしては、一目では分からないということですね。

 

○事務局

 先生ありがとうございました。

 続いて2つ目の質問になります。

 川崎市の課題把握と対応の状況を知りたいですというところで、一旦、1点だけ事務局のほうから少し川崎市の現状というところでお伝えさせていただきたいんですが、最近の貧困の調査といっても平成29年度の調査が最後になっておりまして、その中では、世帯に含まれる18歳未満のこどものうち、貧困線を下回る世帯で生活する割合が7%、ひとり親家庭のうち貧困線を下回る世帯の割合が42.9%といった形で川崎市の調査では出ているというのが現状になっています。

 いろいろな支援についても、制度的にはあるんですが、どれぐらいの方がそれを受給されているかといった値についてはちょっと見つけられていないので、そこも含めてなんですが、先生のほうでもし何かお言葉ありましたら、よろしくお願いいたします。

 

○講師(今井久子先生)

 いや、川崎市の幸区のことですか。川崎市。なるほど、うん。ただ、川崎のことはちょっとよく分かりませんけれども、ただ川崎市民がすばらしいと、私は、先ほどのこどもの権利条約を最初に条例化したところなんですから、絶対力があるところだというふうに思っています。だから、もし今回、講演を聞いていただいて何か、えっうちの市はどうなっているのとか、こういうことを聞いたけれども、川崎市はどんな施策があるんですかというようなことを、反対に皆さんのほうから川崎市に問い合わせてあげると、川崎市はとても喜ぶと思います。こんなに関心が高いんだったらこういうことに取り組もうとか、そうなってくると思いますので、ぜひぜひ、やはり声を上げていく。

 自治体は、何でしょうね、皆さんがどう考えているのか、どんなことに興味を持っているかによって、施策のバランスを取っているんですね。例えば高齢者がすごく多ければ、こどもよりもやっぱり高齢者だよねというふうになってきてしまうかもしれないし、こどもといっても、本当にまだ新興住宅地で、いっぱいまたあそこにマンションができて、たくさん保育園も造んなきゃなみたいなところですと、乳幼児の施策にすごく力を入れていくしということなので、やはり市民の皆さんが何をしてほしいのか、何が足りないと感じているのか、そういったところを市にきちんと伝えていくことが大切だというふうに思っています。

 

○事務局

 先生ありがとうございました。

 続いての質問になります。

 匿名でお願いします。DVで離婚を考えています。親族の手助けが望めません。私とこどもたちが貧困になることが想定されます。養育費も期待できません。どうすれば貧困を防ぐことができるのか教えてほしいですという質問がありました。

 一旦、こちら幸区役所のほうでお電話にてちょっと事情を伺って、できたら行政の支援につなげたいなということで接触を持たせていただきました。お伺いしたところ、一応区役所のいろいろ制度等の説明は受けていて、保護の説明も受けていらっしゃるというふうに伺っています。

 先生には、行政以外の視点でのアドバイスをいただきたいなということで質問させてほしいというふうに伺っておりますが、先生、何かここの方に行政以外の視点でのアドバイスということで、ありますでしょうか。お願いします。

 

○講師(今井久子先生)

 大変難しい質問ではあります。特にDVの被害者の方は、本当に今の環境から守られるべき存在なんですね。だから私は、まずはとにかく今の環境を変えるということに対する勇気を持ってほしい。今、DVも多分質問、川崎市の別の区のところで相談もされているようなんですけれども、やっぱり相談したところを信用していただいて、なぜかというと、ちゃんと自立するまでのサポートは、もうDV被害者に対しては出来上がっているんですね。決して、途中で投げ出したり行政が手を引いてしまったりとか、投げ出してしまうことはありません。ですから、本当に一緒に、何でしょうね、伴走するというスタイルを取っています。

 私たち民間のほうでは何ができるかというと、やっぱり例えばDVで悩んでいるとか、あとそれから、どうしたらいいんだろうと。今すぐに逃げるという手段は取れないけれども、どこかちょっと少し考える場所がないだろうかというようなこと。あと、例えばDVで一旦は逃げたけれども、また戻ってしまったらまた暴力を振るわれたというときに、一時避難的なところはないかというようなことで、ただ、ちょっとまだ自分、いろいろ親戚なんかでも協力してくれそうなので一時避難でいいですよみたいなところですと、意外と民間のところでも、なきにしもあらずなんです。

 ただ、私たち、やはり本当にその一時的なご支援しか民間のレベルではできないです。もう今DVの被害者の方についてはしっかりとしたサポート体制が整っていますので、ぜひ行政を信じてほしいなと私は思っています。

 それで、何よりも大切なのは、落ち着いた後なんですね。落ち着いた後、すごく心配されると思います。もうあれですよね、環境が全く変わります。恐らくこどもの学校、学校に行っているこどもがいれば学校も変わります。何でかというと、そのDV加害者と同じ地域に住むことはないです。そのために避難します。まず最初シェルターに入って、いろいろプランを立てます。離婚するための弁護士もつきます。離婚の裁判もやります、向こうが応じなければ。それである程度一段落すると、生活保護をつけてあげてアパートに転居してもらいます。

 そのときに、その方がたくさんの資産を持っていれば、それを使って自立もできますが、なかなかそういう方は珍しいので、皆さん、大体生活保護になっていただいて、それでアパート転居します。そしてその後、うまく生活が回っているかどうかは、そこの引っ越したところの生活保護のケースワーカーさんと一緒になっていろいろとつくっていくということになります。

 ただそのときに、例えばいろんな、ケースワーカーさんだけではなく、そこの地域にある民間のサービスですとか相談ですとか、そういったサポート体制はできます。例えばキッズドアでしたら、離婚された方、ひとり親だけではなくて離婚する前の方でという方も対象者になっていまして、キッズドアファミリーサポートに登録してもらって、相談支援ですとか、物資支援ですとか、情報支援、それとひとり親の方に対しての就労支援というのも、キッズドアの、今年はまだやっていませんけれども、1年ぐらい前に講座をやりました。いわゆるパソコン講座だとか、あといろんなそういう講座をやりまして、その資格取得のための準備をしてもらったり、資格を取得するための講座をやったりとか、そういったことでお手伝いしたこともあります。ですから、やっぱり中心は公的なサービス、そこをしっかり使った上で、民間を利用していくということが一番大切かなと思います。

 そうですね、ただ1つ言えるのは、どっちにしても、相談業務とかというのはやっぱりそうなんですけれども、私たちが幾らこっち、すごく親身になって相談を受けてあげるということは当たり前なんですけれども、やはり、主体者は相談者なんですよ。相談してくる方なんです。その方が、自分でやってみようとか、自分でこれを選択する、これを取ろうと、こっちの道を取ろうと、それを決めるのは、あくまでも私たちではなくて、相談員ではなくて、相談されてくる方なんですね。

 ですから、そういう力を自分の中につけていくためのサポートとして、いろんな資源を利用していくというのもあります。これは公的な資源もありますし、あとそれから今ですと、ひとり親の方の一番大きいところですと、板橋にある“はあと”さんというところなんですけれども、就労支援とかやっているんですが、そこで例えばLINE相談なんかもやっていて、本当に今日はお天気がいいですねと、何か困ったら一言書いてねみたいな相談とかもありますし、今探すといろいろ寄り添ってくれるところもあります。

 だけど、何しろ大切なのは、自分の、相談されている方が、私がどうやって生きていこうかとか、私が何を選んでいこうか、こうしたいために何をしていくのかというような、自分の、本当は皆さん、人間ってすごく力を持っているんですよ。だけど、それがうまく出し切れない。いろんな要因によってしまっているんですね。これをやっぱり出すために、出していくために、いろんな相談でいろんなことを聞きながら気づいていってもらう。

 だから、こういう自分に対しての力をやっぱり信じてもらって、私今こんなにつらいんだけれども、私だってやっぱり持っているはずだと。だから、あれですね、そのために公的な支援としては、生活保護がついた後でも、ひとり親の方の就労支援、生活保護を受けながら無料で講座を受けられたり資格を取ったりすることができますので、実際に本当私の知っている方でも介護の仕事に就いたり、あとそれから保育士を取った人もいました。その方はちょっと若い方でしたけれども、こども2人いましたけれども、生活保護を受けながら保育士の資格を取って自立した。今は生保から抜けています。

 あとそれから何だろう、何かそういう非常に頑張れば取れる資格。保育士の資格って結構科目が、今年は何科目は知らないですけれども、5科目だとしたら今年3科目取れたけれども2科目落としちゃったというと、その3科目はずっと何年間かは有効なんですね。だから、全部何年かかけて取っていって、保育士になって、保育士の資格を持って保育士のパートをやるのと、資格がなくてお手伝いでやっているのと全然違うので、パートから入って、パートの保育士だけれども、そのうち正規に、正規職員の道も探しながらとかあるので、絶対やっぱりこの資格取得というのはお勧めとします。

 こんなのでいいでしょうか。何か答えになっていないような気がするんですが。

 

○事務局

 はい、先生ありがとうございました。

 そうしたら、事前質問のほうはこれで終わりになりますので、次は会場の皆さんからご質問あれば、ぜひ伺いたいなと思いますが、質問のある方いらっしゃいましたら、挙手のほうお願いいたします。事務局がマイクのほう持っていきますので、どうぞ、何でも答えていただけるかなと思いますので、ぜひご質問のほうお願いいたします。

 いかがですかね、どなたか。

 ありがとうございます。

 いらっしゃいますか。大丈夫ですかね。

 後ほどでも大丈夫ですので、一旦そうしたらチャットのほうの質問に移りたいんですが、チャットのほうも今書き込みがないので、ない、来ていないですね。すみません。

 そうしたら質問のほう、よろしいでしょうか。何か質問なければ、何かご感想だったり本日気づいた点でもよろしいので、何か発言いただける方いらっしゃいましたら、挙手のほうお願いいたします。

 よろしいですかね。

 チャットのほうでも、もう何もご連絡のほう来ていないので、よろしいかなと思います。

 そうしたら、本日の講演会はこちらにて終了させていただきたいと思います。

 今井先生、どうもありがとうございました。

 

○講師(今井久子先生)

 ありがとうございました。

お問い合わせ先

川崎市幸区役所地域みまもり支援センター(福祉事務所・保健所支所)地域ケア推進課

〒212-8570 川崎市幸区戸手本町1-11-1

電話: 044-556-6730

ファクス: 044-556-6659

メールアドレス: 63keasui@city.kawasaki.jp

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