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電気火災を未然に防ごう(8)モバイルバッテリー

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モバイルバッテリーはなぜ危険?

リチウムイオン電池の火災原因は、専門的には【外部短絡】・【内部短絡】・【加熱】・【過充電】の4つに分けられます。

・詳しくは下のページ「モバイルバッテリーの構造【専門的】」で解説しています。


リチウムイオン電池は、プラス極材とマイナス極材がセパレーターで仕切られています。しかし、外部から強い力が加わったりすると、セパレータが破れて極材同士が反応。発熱を引き起こし、やがて発煙や発火、爆発に至ります。また、電解質が酸化して多量のガスが発生することも火災原因の一つです。これらの不具合をリチウムイオン電池の「劣化」と消防では呼んでおり、このリチウムイオン電池の「劣化」を引き起す要因が、火災原因の【外部短絡】・【内部短絡】・【加熱】・【過充電】となります。


モバイルバッテリーが火災を起こす理由


1 モバイルバッテリーの品質が悪い

現在、モバイルバッテリーは国の技術基準に適合した【PSEマーク】(電気用品安全法の基準を満たすモバイルバッテリーなどにつけられるもの)の表示製品でなければ販売できません。ネットなどで海外から購入するモバイルバッテリーには品質の悪い製品が紛れ込んでいる場合があります。バッテリー内に異物が混入したり、リチウムイオン電池内の過充電保護回路が正常に機能しない可能性がありますので購入時には注意してください。

2 非純正充電器(ACアダプター)をモバイルバッテリーに使用している

モバイルバッテリーへの充電器(ACアダプター)は、出力と入力電圧が定められています。また、発熱などの異常の発生を制御するための安全装置(サーミスタ等)が備わっています。しかし、非純正の製品の場合、電圧が規格を超えていたり、電圧が安定せず、安全装置も実装されていない等、モバイルバッテリーの事故につながる場合があります。

3 モバイルバッテリーを落とした

モバイルバッテリーを踏みつける、落とす等の圧力や強い衝撃を与えると、内蔵の電池でショートを起こし、発煙や発火、爆発につながる恐れがあります。

4 高熱になる場所に放置した

モバイルバッテリーは安全性試験において、上限温度を45℃としています。直射日光が当たる場所(車のダッシュボードなど)や炎天下の外で使用すると、バッテリーが45℃を超え、電池が劣化したり安全装置が故障したりして、発火する恐れがあります。


どんなモバイルバッテリーを購入すればいいの?

モバイルバッテリーの容量とは?

モバイルバッテリーを購入するときには、ほとんどの人が、容量で選んでいるのではないでしょうか?


最近販売されているスマートフォン(以下「スマホ」という。)は2,500mAh~4,000mAhの幅広い容量のものがあり、家電量販店では5,000mAhのモバイルバッテリーの目安が1回半フル充電として販売されています。また、スマホの本体価格がバッテリー容量に影響を与えていて、本体価格が高額なスマホのモデルは3,500mAh~4,000mAhとなっています。

【mAh:ミリアンペアアワー】は1時間に流せる電気の量で、バッテリー容量を示す単位です。「放電容量」とも呼ばれており、バッテリーが100%から0%になるまでに放出される電気の量を言います。また、モバイルバッテリーに表記されている容量は、電圧の増幅変換による変換ロスでやや少なくなりますので、実際に使えるのは、表記の60~70%割程度の容量です。

つまり購入の目安としては、ほとんどの方がこのモバイルバッテリーの容量を確認して、

  • 自分のスマホに何回充電できるのか?
  • 携帯性
  • デザイン
で選んでいると思います。

しかし、安全に使っていただくには、【PSEマーク】(電気用品安全法の基準を満たすモバイルバッテリーなどにつけられるもの)の表示製品を選択してください。



みなさんは、充電器をどの様に選択していますか?【充電器の選び方】

出力電流が大きいほど、デバイスを充電する速度は速くなります。モバイルバッテリーを購入する際には、出力が高いモデルを選ぶとスピーディーな充電が行えます!!その理由を説明します。

充電器の充電速度は電力であるワット(W)の大きさに関係しています。

電力(W)=電圧(V)x電流(A)

ワット(W)が大きいほど、電圧(V)と電流(A)も大きいということになりますので、充電スピードは速くなります。

しかし、ワット(W)が大きくなるほど、出力先のスマホやモバイルバッテリーの発熱量も増していきます

このため、充電器には発熱などの異常が発生を制御するための安全装置が、リチウムイオン電池には過充電保護回路がそれぞれ備わっています。

安全に、できるだけ早く充電するには、

  • スマホ(モバイルバッテリー)の【入力】
  • 充電器の【出力】
  • ケーブル
を確認して、安全に効率よく使用しましょう!!

18650電池?21700電池?

バッテリー内部には単三電池の様な見た目の【18650電池】というバッテリーセル(リチウムイオン電池)を組み込んでいるモバイルバッテリーがよくあります。

18650電池は1本の容量が3,000mAh前後です。例えば容量が3,350mAhの18650電池を3本入れると10,050mAhとなり、製造・販売会社は10,050mAhとして販売しています。

次に、最近では18650電池よりも大きな【21700電池】が使われることが増えています。21700電池のメリットは、大きさが少し大きくなるだけで、容量が1本5,000mAh程度となるため、大容量で小型化が見込める点にあります。

この様なバッテリーセルを多数組み込んで、防災用のポータブル電源なども販売・流通しています。


モバイルバッテリーの事故を防ぐポイント!【要約版】

モバイルバッテリーの火災を予防するため、ポイント!

  • 製品本体に【強い衝撃】、【圧力】を加えないようにしましょう。
  • 購入する際は、安全性を満たしていることを示す【PSEマーク】を必ず確認しましょう。また、安全な製品を見極める目安となる、モバイル機器の安全性向上に取り組む団体「MCPC」の評価試験に合格した【MCPCマーク】も併せて確認しましょう。
  • 充電器は購入した時に【付属されている物】や【メーカー指定の物】を使用しましょう。
  • USB-A、Cやライトニングケーブルなど、接続部が同じでも、【充電電圧】を確認せずに使用するのはやめましょう。
  • 膨らんでいる、熱くなっている、変な臭いがするなど、いつもと違って異常を感じたら使用を中止しましょう。
  • 充電コネクタの破損や水ぬれに注意しましょう。
  • 使用済みモバイルバッテリーはリサイクルに出しましょう。【可燃物ごみや不燃ごみ】などに混ぜて廃棄するのは、絶対にやめましょう。
  • 古いモバイルバッテリーや信頼性の低いリチウムイオン電池などを使い続け、取扱いを誤ると発火するリスクがあります
  • 充電が最後までできない、使用時間が短くなった、充電中に熱くなるなどの異常があった際には使用をやめて、メーカーや販売店に相談してください。
  • 充電中は周囲に可燃物を置かないようにしましょう。

モバイルバッテリーの構造【専門的】

モバイルバッテリーは、【リチウムイオン電池】が内蔵されています。

リチウムイオン電池とは、繰り返し充電ができる二次電池(非水系電解液二次電池)で、主要構成材料として、プラス極材料,マイナス極材料,セパレータ, 電解液の 4 つで構成されています。「プラス極の極材にリチウム含有金属酸化物、集電体にはアルミ箔」また、マイナスの極材に炭素材、集電体には銅箔」が、電解液には有機電解液を使用しており、プラス極材とマイナス極材がセパレータ(0.1 μm 以下の微細孔を有するポリエチレンフィルム)で仕切られています。

電解液は、‘炭酸エチレン‘、‘炭酸プロピレン‘などの環状炭酸エステルと炭酸ジエチルや炭酸ジメチルのような鎖状炭酸エステルとの混合溶媒に「LiPF6」のような「Li塩」を溶解したもので、セパレータ の微細孔に含侵(染み込ませて)しています。

また、小型・軽量化のため、集電体にアルミ箔や銅箔などの金属箔を用いるのはリチムイオン電池独特の電極構造です。

PSEマークの違い

PSマークにはひし形とまる形の2種類があります。また、Eは電気用品を表しており、PSEマークと表示されます。


  • ひし形の<PSマーク>・・・・・・・・【特定電気用品】
前記した充電器や電源タップ、コンセントプラグなどが該当します。対象は100Vや200Vのコンセントに直接つながり危険度の高いものが対象となっています。

「危害発生の恐れが高い特別特定製品等(ひし形PSマーク)については、自主検査に加え、国に登録した検査機関(JET:電気安全環境研究所)の適合検査を受検」

  • 丸形の(PSマーク)・・・・・・・・【特定電気用品以外】
上記の特定電気用品ほどではないが、事故の危険性があるものは、特定電気用品以外の電気用品として指定されています。

「製造・輸入業者は、技術基準適合義務(自主検査)を履行し技術基準を満たした製品にPSマーク(丸形PSマーク)を表示」