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経済波及効果の測定方法

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2011年2月14日

コンテンツ番号11269

(1)経済波及効果の測定

 ある産業に新たな需要が生じたとき、その需要を満たすために行われる生産は、需要が生じた産業だけでなく、原材料等の取引を通じて関連する他の産業にも波及します。
 また、これらの生産活動の結果生じた雇用者所得は、消費支出となって新たな需要を生み、さらに生産を誘発していきます。
 これらが経済波及効果と呼ばれているものであり、産業連関表から産出される各種計数を用いて計算することができます。

(2)経済波及効果の測定手順

 経済波及効果を測定するには、投入係数や逆行列係数、自給率など多くの数値を用いて複雑な計算を行う必要がありますが、その手順は概ね次のとおりです。

経済波及効果の測定手順

(3)経済波及効果の分析例

 川崎市において、100億円建設部門(用地補償費等を除く)に公共投資が実施された場合に、市内経済への波及効果はどれくらいになるかを測定します。

前提条件

  • 波及効果の測定には平成12年32部門表を用います。
  • 建設部門の市内への自給率は100%
  • 通常、公共工事には、用地補償費などが含まれますが、ここでは工事請負費としてすべて建設部門に支出されることとします。
  • 投入構造については、同じ部門の中であっても生産活動の内容によって違ってきますが、ここでは便宜的に32部門表による平均的な投入構造を用いています。
  • 3次以降の波及効果(所得の増加による消費が繰り返される)も想定されますが、ここでは2次効果までの測定としています。
  • 粗付加価値については、雇用者所得の一定割合が消費にまわるものとします。ここではこの消費への転換の比率として、「平均消費性向」(総務省統計局「家計調査年報(平成12年)」より)を用います。

ア 1次波及効果

 まず、100億円の生産増に逆行列係数を乗じて(1)市内生産誘発額123.8億円が求まります。このうち(2)粗付加価値誘発額は、(1)市内生産誘発額に粗付加価値率(投入係数表)を乗じて60.1億円となり、さらにこのうち(3)雇用者所得誘発額は、(1)市内生産誘発額に雇用者所得率(投入係数表)を乗じて42.3億円となります。

1次波及効果の式

イ 2次波及効果

 次に、消費に使われる(4)消費支出額は、(3)雇用者所得誘発額に平均消費性向(総務省統計局「家計調査年報(平成12年)」より)を乗じて31.3億円となり、この(4)消費支出額のうち、市内生産物に対する(5)市内需要増加額は市内自給率等を乗じて19.5億円となり、(6)市内生産誘発額は、(5)市内需要増加額に逆行列係数を乗じて23.5億円となります。このうち、市内に起こった需要増による(7)粗付加価値誘発額は、(6)市内生産誘発額に粗付加価値率(投入係数表)を乗じて16.0億円で、(8)雇用者所得誘発額は、(6)市内生産誘発額に雇用者所得率(投入係数表)を乗じて5.2億円となります。

2次波及効果の式

ウ 分析結果

 建設部門への100億円の需要の増加は、全体として市内に、当初需要の1.47倍の生産額((1)+(6))147.2億円を誘発します。このうち、粗付加価値誘発額((2)+(7))は76.2億円で、雇用者所得誘発額((3)+(8))は47.5億円となります。

分析例の結果表

(4)経済波及効果分析の留意点

  • 前提条件や仮定の置き方はさまざまであり、それによって結果は大きく異なります。
  • 産業連関分析は、生産波及効果にまつわる経済効果を対象としていますが、それ以外の効果は対象としていません。(例えば、公共事業の波及効果の場合は、建設に伴う経済効果が対象であり、施設完成後の利便性や経済効果は対象外。)
  • 自給率、物価、産業構造などは平成12年と不変と仮定しています。
  • 波及の期間は種々の要因により、必ずしも目標とする年次に現れるとは限りません。
  • 需要初期には在庫からの供給が考えられ(波及中断の可能性)、また市内の生産能力を超える需要が生じた場合には移輸入でまかなわれるようになりますが、それらの点は考慮していません。
  • 波及効果分析では、個人の消費行動までは把握できないため、片方の需要が増えたために、もう一方の需要が減るということは考慮されていません。
  • ここに掲載した経済波及効果分析事例や分析の流れの説明はあくまでも一例であり、これが決まった分析手法というわけではありません。

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