ページの先頭です

共通メニューなどをスキップして本文へ

サンキューコールかわさき

市政に関するお問い合わせ、ご意見、ご相談

(午前8時から午後9時 年中無休)

閉じる

現在位置

川崎市立看護大学の講義紹介(臨床推論)の目や耳が不自由な方へのテキスト情報

  • 公開日:
  • 更新日:

川崎市立看護大学成人看護学の糸井裕子です。
みなさん、こんにちは。今日は、臨床推論という授業についてお話をします。
臨床推論は、看護師が、患者さんの様子や、訴えを手がかりに、何が起きているのかを考えどんなケアが、最適かを判断するための考え方の技術です。大学4年生が卒業後、すぐ現場で役立つ力を身につけるために学びます。
病院や地域の現場では、状況を見て素早く、根拠をもって判断する力が求められます。
この授業では、これまでの学びや実習経験を土台に、症状から病気の状態を推測し、適切な看護を考える力を伸ばします。
看護過程(情報を集める→考える→行動する→ふり返る)に沿って、なんとなくではなく、これまでに確かめられている情報、研究、統計、ガイドライン、先行事例をよりどころにして、考えを組み立てて決めることです。
臨床推論は、患者さんの症状や状況を手がかりにして、体の中で起きていることを推測し、看護としての最善の対応を決める思考プロセスです。たとえるなら“医療における推理”。でも目的は病名当てだけではなく、患者様が今、何に困っていて、看護として何を優先するかを決めること。これは、看護師の専門性を支える土台になります。
この授業では、一般の方に模擬患者、つまり演技で患者役をしてくださる方として、協力いただき、学生が実際に会話しながら推論します。
川崎市立看護大学では、地域の方が模擬患者として、授業に参加します。短い養成講座を受け、患者役として症状や気持ちを、学生に伝えていただきます。これにより、学生はよく聴く力と、わかりやすく説明する力を伸ばします。今回のテーマは「頭痛」。同じ頭が痛いでも、片頭痛のように、休息で良くなる場合もあれば、すぐ対応が必要な場合もあります。対話と観察を通して可能性を広げたり絞ったりし、看護の対応を考えていきます。

目の前の人から情報を引き出しながら考えることで、紙の事例では得にくいリアルを体験できます。
コミュニケーションの練習、優先順位の判断、説明のしかたや振り返りまで、安心・安全な場で試行錯誤できるのも大きな利点です。ここでの気づきは、臨床現場での自信につながります。
この授業でできるようになることは、1、臨床推論の考えを人に説明できる。2、実際の場面でどんな情報を集め、どう考えるかを理解できる。3、症状に応じて、優先すべきケアや対応を的確に選べる。つまり、「考えて、決めて、伝えて、行動する」力を、一連の流れで身につけます。
卒業を控えた学生が、臨床の場ですぐに活かせる判断力を育てる。それが臨床推論の授業です。
医療は、チームで行う仕事です。臨床推論は、その中で看護が力を発揮するための共通の考え方。将来、現場で、必ず役に立ちます。
 
演習を終えた学生の感想その1
臨床推論の演習を通して、頭痛という1つの症状でも、その背景にはさまざまな要因が関係していることを学び、患者さんを多角的に把握し根拠に基づいて判断することの重要性を実感しました。また、グループでのディスカッションでは、自分だけでは気が付かなかった新たな視点に気づくことができ、学びが深まりました。患者さんの症状ばかりに目を向けるのではなく、今、患者さんが置かれている状況に寄り添い、これまで学んできた病態や解剖の知識を結びつけ、多角的にアセスメントしていくことが看護師として大切な視点だと改めて考えました。
 
演習を終えた学生の感想その2
これまでの実習では、患者さんから自分の声かけや対応をどう感じたかというフィードバックをいただく経験がなかったため、模擬患者さんが患者役としてフィードバックをくださるのはとても貴重な機会だと感じました。学生からの評価とは違い、「患者としてどう感じたか」というリアルな言葉を聞いて学ぶことができ、自分の言葉や表情が相手にどう受け取られているかを客観的に知ることができました。また、模擬患者さんは地域の方々が協力してくださっているので、将来地域で看護師として働く際の地域の方との関わり方を考える良い機会にもなりました。

お問い合わせ先

川崎市健康福祉局市立看護大学事務局総務学生課

住所: 〒212-0054 川崎市幸区小倉4-30-1

電話: 044-587-3500

ファクス: 044-587-3506

メールアドレス: 40kangos@city.kawasaki.jp

コンテンツ番号182987