7 都市構造と交通体系の考え方(2)
- 公開日:
- 更新日:
1 新総合計画「川崎再生フロンティアプラン」の趣旨
2 総合計画の構成
3 川崎市基本構想(1)
3 川崎市基本構想(2)
4 第1期実行計画の推進と成果
5 第2期実行計画の要件(1)
5 第2期実行計画の要件(2)
5 第2期実行計画の要件(3)
6 第2期実行計画の基本的な考え方
7 都市構造と交通体系の考え方(1)
7 都市構造と交通体系の考え方(2)
(2)交通体系
ア 背景と課題
社会経済環境や市民の意識・行動などが変化する中で、都市活動や経済活動などを支える交通体系については、こうした変化により生じる課題を的確にとらえて計画やその整備に向けた取組を進める必要があります。
その中で、首都圏の拠点都市である本市は、圏域全体の都市再生に向けた取組として、市域を越えた広域的な人・もの・情報の交流や連携を促進するなど、活力ある社会の実現をめざして、都市機能の向上や広域的な拠点地区の形成を支える広域交通幹線網の整備が必要となっています。
また、活力ある持続可能なまちづくりを進めるためには、多様な人々の地域におけるいきいきとした暮らしを支える地域交通環境の整備とともに、積極的に社会との関わり合いを望む高齢者や障害のある人たちが、より広域的に社会への参画を続けることができるような交通環境の形成が課題となっています。
さらに、地球温暖化防止の取組があらゆる分野で展開されるなど、交通体系の整備においても環境に配慮した施策の推進が必要です。
イ 交通体系整備の基本的な視点
都市や経済の再生と多様化する市民生活を支え、環境との共生の中で持続可能な都市を構築していくために、次の3点を基本的な視点として交通体系の整備に取り組みます。
(ア)再生・活力をめざした交通体系の整備
成熟した社会において持続可能なまちづくりを推進していくために、都市構造の構築やそれを支える基幹的な交通網の強化を通して広域的な交流・連携を促進し、都市の魅力や活力の向上を図ります。
(イ)安全・安心・快適な交通環境の整備
高齢者や障害のある人など誰もが安心していきいきと暮らせる身近な生活空間や、安全・快適に活動できる移動環境の形成など交通環境の整備に向けた取組を推進します。
(ウ)環境に配慮した交通施策の推進
都市の再生や活力あるまちづくりと調和を図りながら、環境負荷の低減や地球環境の保全など環境に配慮した取組を推進します。
ウ 交通体系の整備
基本的な視点に基づき、持続可能なまちづくりに向けた効率的・効果的な交通体系の整備を推進します
(ア)基幹的な交通体系の構築
a 広域的な交通幹線網の整備
本市は、首都圏の中心部に位置しており、首都圏を中心とした人や物の移動を支えるとともに、首都圏の国際競争力の強化に向けた交通基盤整備の一翼を担っています。
その中で、首都圏全体の都市構造の形成や本市の交通機能の強化を図るための広域的な幹線道路網の整備については、広域連携の活発化や円滑な都市活動、渋滞緩和等に向けて、高速道路ネットワークの構築に向けた取組を進めます。
公共交通機関網の整備については、広域拠点のターミナル性や交通機能の強化に向けた取組を推進するとともに、首都圏の鉄道ネットワークの形成を促進する鉄道網の整備に向けた取組を推進し、都心居住及び活動の快適性向上と都市間の連絡強化による都市機能の向上を図ります。また、都心部へ向かう鉄道の混雑緩和に向けた鉄道事業者の取組を促進するとともに、臨海部再編整備の動向を踏まえた鉄道計画などの検討を進めます。
国内・国際拠点としての空港については、本市の利便性の向上、経済の活性化、さらには国際競争力の強化に向けて、羽田空港の再拡張・国際化を支援します。また、総合港湾である川崎港については、東京湾内諸港との広域的連携や施設の機能強化を図り、効率的で安全な物流体系の構築に向けた取組を進めます。
b 市域の交通幹線網の整備
社会経済環境の変化を踏まえ、市域の幹線道路網の整備については、都市拠点を支える幹線道路網の整備や、渋滞交差点の重点的な整備など、課題を的確にとらえた重点的な取組により早期にその取組効果がまちづくりに波及するような計画的な整備を実施します。また、駅前広場の整備、ターミナル駅の改良などによる鉄道の乗換やバスとの乗り継ぎの円滑化など、駅を中心とした結節点機能の強化に取り組むとともに、鉄道の輸送力や利便性の向上などを促進し、効率的で環境負荷の少ない公共交通機関の利用促進を図ります。
(イ)身近な地域交通環境の整備
さまざまな人々の社会参加と多様な活動を支える安全で快適な地域交通環境の形成に向けて、交通施設のバリアフリー化を推進するとともに、安全対策や放置自転車対策などを推進します。さらに、安全で安心な暮らしを実現するため、増大する施設の計画的な維持・更新による適切な維持管理や、震災時の円滑かつ安全、確実な救護・避難活動を支える緊急活動道路の機能確保に向けた橋りょうの耐震化など、震災対策の強化を図ります。
また、地域交通基盤の整備に合わせて、バス利用の促進に向けたサービスの充実などに取り組むことで、環境負荷の低減を図りながら、利便性が高い安全な地域交通環境の整備を進めます。
(ウ)交通需要管理・環境対策の推進
環境負荷の少ない交通体系の形成においては、都市機能の強化や円滑な交通機能の確保などを効率的・効果的に推進していく必要があります。そのため、公共交通機関の利用促進や、集中する交通の分散を図る交通需要の管理など、経済と環境の調和を図りながら、事業者や市民一人ひとりの環境対策を促進します。また、交通基盤施設の整備においても、環境に配慮し、持続可能な社会に向けた取組を進めます。
(エ)市民ニーズへの対応
地域交通環境の整備などにおいては、さまざまな地域特性や市民ニーズが存在していることから、多様な手法による課題への取組が必要となっています。交通施設の現状や地理的な条件など、地域により異なる特性やニーズを踏まえた交通施策を選択し、コミュニティ交通など地域自らが主体となった課題解決への取組を支援していきます。
エ 交通幹線網整備の方向性
(ア)道路
首都圏における本市の位置や役割を踏まえ、広域調和型の都市構造を支える基幹的な広域幹線道路網の整備を進めます。
その中で、環状方向の高速道路ネットワークの一翼を担うとともに、本市の臨海部から内陸部へと至る縦軸方向の交通需要に対応する川崎縦貫道路については、1期事業の殿町から大師ジャンクション間を2010(平成22)年度に供用し、ネットワークの強化を図るとともに、残る大師ジャンクションから国道15号間の工事着手に向けた取組を促進します。2期計画(国道15号~東名高速道路方面)については、今後の社会経済情勢や高速道路ネットワーク構築の動向等を見定めながら、東京外かく環状道路との調整も含めてルート、構造、整備効果等について幅広く検討を進めます。
また、神奈川方面からの空港アクセスを向上させる羽田連絡道路の取組を進め、国際的な交通結節点である羽田空港と市内の幹線道路を連絡することにより、道路ネットワークの広域性を強化するとともに、臨海都市拠点としての価値の増進と活力の創出に向けて、羽田連絡道路と連携した臨海部交通ネットワーク基盤の整備に向けて、調査・検討を進めます。
市内交通の円滑化や市民の利便性向上を図る国道409号や東京丸子横浜線、尻手黒川線などの市域の幹線道路網の整備については、事業の重点化による効率的かつ円滑な整備により、都市の魅力や活力を向上させるとともに安全で快適な市民生活の確保を図ります。
(イ)鉄道
市内及び広域的な拠点間の連絡並びにネットワーク機能の強化に向けた取組を推進し、都市機能の向上と利便性の促進を図る取組を進めます。
首都圏の放射方向に充実・発展してきた本市の横軸方向の鉄道網については、複々線化などによる機能の強化・改善等を促進し、利便性の向上を図ります。
本市の縦軸方向の鉄道網については、新たなネットワークとして、川崎縦貫高速鉄道線の整備計画の具体化に向けた取組を推進し、公共交通機関網の強化や首都圏の鉄道網の形成を図ります。
また、広域拠点の機能強化に向けた取組として、JR横須賀線・武蔵小杉新駅を2009年度に開設し、拠点性の向上を図ります。
さらに、既存ストックを最大限に活かし、臨海部における鉄道ネットワークの形成に向けた検討を進めます。
交通の安全の確保と円滑化、さらには都市機能の向上に資する連続立体交差事業については、京浜急行大師線の早期の事業効果発現に向け、段階的整備区間の事業を推進し、2010年度に産業道路の立体化を図ります。
また、JR南武線については、尻手駅から武蔵小杉駅間の連続立体交差事業の事業実施に向けた調査や関係機関との調整を進めます。
お問い合わせ先
川崎市総務企画局都市政策部企画調整課
住所: 〒210-8577 川崎市川崎区宮本町1番地
電話: 044-200-2550
ファクス: 044-200-0401
メールアドレス: 17kityo@city.kawasaki.jp
コンテンツ番号23298