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ジカウイルス感染症(ジカ熱)について 3/3(テキスト情報)

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 妊娠している方やその御家族、今小頭症等について話題になっていますが、そういった方へのメッセージとなります。

 

 医学的によくわかっていないことが多い中ではありますが、ジカウイルス感染症の患者さんが多く発生した、フランス領のポリネシアや今回のブラジル、他の国ではあまり目立っていないのですが、ブラジルからは、熱などの症状が出た患者さんが多くなり、そのときに小頭症という、頭が小さめで生まれて発達障害なんかが出てくることがあるので注意すべき病気ではあるのですけれども、その病気の子どもさんがいつもより多く生まれているということがあるので、この関係をきちんと調査しているところです。

 ですから、妊娠されている方が、ジカウイルス感染症にかかったということは、すぐにそれで何か起こるという不安は少ないとは思うのですが、やはりそこは慎重にしたほうがいいだろう、というが今の見解です。

1 妊婦や胎児にジカウイルス感染症はどのように影響しますか?

 全員に症状が出るわけではないが、妊娠している方にウイルスが運ばれてきて感染したとすれば、そのウイルスが体の中で増えて、体中を回ります。そして、そのウイルスの一部が胎児のほうに行くだろうと言われていますが、そこも確定しているわけではありません。

 ただ10数人の流産をした赤ちゃんからジカウイルスが見つかったとか、生まれたばっかりの赤ちゃんの頭が小さいので、その子どもさんの生まれたお母さんの羊水などの成分を調べたところウイルスが見つかったということがあります。どのくらいの割合かはまだはっきりしていないのですが、妊婦さんが蚊に刺されてウイルスが入ってきた場合、赤ちゃんへ影響を及ぼす可能性があるので、妊婦さんは蚊に刺されない、流行している国には近づかないということが原則になると思います。

2 妊婦ですが海外旅行をしてもいいですか?

 まず1つ、妊娠中の方は、あまり飛行機に長い時間乗らない方が良いというのは妊娠の経過に対する注意ですね。それから妊娠中はいろいろな病気を防ぐほうがいいので、ジカに限らず、感染症が流行していると考えられる地域は、おなかに赤ちゃんがいる、あるいは可能性がある場合には避けたほうがいい。

 また、ジカウイルスと妊婦さん、それから赤ちゃんというのは因果関係が証明されているわけではないのですが、もしかすると、ということもありますので、危険な地域に行くようなことは避けたほうがいいと思います。どうしても行かなければならない用事が、あるならば蚊に刺されない注意を十分にした方が良い。それほど急がない用事であれば、妊娠中は避けた方が良いのではないかと思います。

3 妊婦ですが虫除けスプレーを使用してもいいですか?

 今までの実験や、長い間虫除けスプレーを使用している経験からは、その中で、人体に影響が出た、妊婦が使って影響が出たという報告や実験データはないので、妊婦さんでも安心して使用していいと言えます。蚊に刺されることで不安を抱えて妊娠期間中を過ごすことよりも、蚊に刺されないようにすることが良いので、使用した方が良いと思います。これは、ジカウイルスの予防だけではなく、流行地では他の病気もありますので、蚊に刺されることを防ぐために外に出るときに虫除けスプレーを使うことは有用です。流行地では使用したほうがいいと言えます。

4 蚊が発生する季節に向けて何を注意すればよい?

 ブラジルはこれから冬になって蚊が減ってくるが、熱帯地域では一年中蚊がいっぱいいるのでそういう地域では年を通して注意したほうがいい。

日本の場合は、蚊が出てくるシーズンに向けて、蚊に刺されないように注意したほうがいい。ただそうはいっても、蚊に刺されないということは無理なので、蚊が出ないようにする工夫、これは普段回りの清潔を保つことになりますが、バケツに水がたまりっぱなしですとか、飲み物の缶や古タイヤが放置され水がたまりっぱなしになっているとか、身近なところでこういった蚊が増えやすいところがないか、注意することが大事です。

 蚊に刺されないことと、蚊を増やさないことがポイントです。

5 妊婦ですが、蚊に刺されてしまったけど大丈夫?

 国内にいる限りでは、今のところジカウイルスはないですし、デング熱もめったに入ってこないので、蚊に刺されたというだけではそんなに心配はない。ただ、かゆいとかアレルギーとかはありますし、もし日本にジカウイルスが入ってきたとかそういうことがあるならば、蚊に刺されないに越したことはない。これは妊婦さんに限ったことではないです。

 蚊に刺されない、蚊を増やさないそういう工夫を常々みんなでやっていくこと、これがみんなで妊婦さんを守ることになる。

6-1 性行為でも感染するのでしょうか

 性行為全てが危ないわけではありませんが、アメリカを中心に10数人くらいの方が、もしかしたら性的な行動でうつったかもしれないという事例があります。つまり、流行地から帰ってきた人が、流行のない自国に戻った後に、パートナーにうつしてしまって、流行国に行っていないパートナーがジカウイルスの症状が出たということがあります。これはきちんと証明されたわけではありませんが、できるだけ注意をしたほうがいいとアメリカなどではアナウンスしています。

 でも、日本では、ジカウイルスが入り込んでいるわけではないので、日本においてはその注意は今のところ必要ないと思います。

6-2 妊娠期間中は性行為を避けたほうがいいのでしょうか?

 流行国から帰ってきた人、流行国へこれから行く人で症状が出て、パートナーがいるのであれば、完全に安全だということは言われていないので、防ぐような対策をした方が良いです。それは、その他の性行為感染症、たとえば、淋菌、梅毒、クラミジアなどそういう病気全般と同様の注意になりますが、やはりコンドームをつけていただく必要があるかと思います。ジカウイルスを含む性行為感染症全般を防ぐ意味で予防方法になる。

 潜伏期は、10日くらいといわれているが、安全域を取った方が良いので、蚊に刺されてからあるいは流行国から帰ってきてから4週間くらいは直接的な性行為は避けて、コンドームなどを利用することが勧められています。他の国では、そこの期間を厳しく取っていて、全妊娠期間中コンドームをつけましょうとアナウンスをしている国もありますが、現在日本では流行地から帰ってきてから4週間くらいを注意期間としています。

【まとめ】

7 蚊に刺されないようにするにはどうしたらよいでしょうか?

 個人を守るためには、長袖長ズボンを着用する、蚊帳を利用する、網戸を使用する、などがいい。

 ごみための水、ジュースの空き缶にたまった水、花瓶敷きにたまった水などにボウフラが発生しやすいので、ごみやたまっている水を捨てたり、取り替えたり、細々としたことですが、日常の生活の中でキレイにすることが、蚊を増やさない、ボウフラを発生させないために大事である。

 一方で、きれいな水、たとえば、小川や大きめの池はボウフラはわきません。水たまりのようなところが増えやすいので、きれいに掃除をしたり、水を取り換えることが大切です。蚊は水たまりで増えるということです。

8 全般的にどんなことを気をつければいいでしょうか?

 ジカウイルスが、今日本で広がるリスクは極めて少ないです。流行国へ行くことそのものはWHOも止めてはいませんが、もしかすると、ということを考えると、妊婦さんやその可能性がある人は、流行国へ行くのは避けた方がいいでしょう。国内にいる分には、そこまで心配をする必要はないと思います。

 今後、日本の中でも流行国から帰国した患者さんが出ることがあるかもしれないが、インフルエンザや風しん、ノロウイルスのような拡がり方はしませんので、周りの人がすぐに大変だと思う必要はありません。

 ただ、蚊が増えるシーズンと重なると、デング熱のときのように公園を中心に広がってしまったように、ウイルスを持った人を蚊が刺して、その蚊が別の人を刺して、ということもないとはいえないので、できるだけ蚊を増やさない対策は有効である。

 蚊を増やさない対策をすれば、蚊が媒介する他の病気であるデング熱や日本脳炎などを含めて対策が取れるので、普段の注意としては、蚊に刺されない、蚊を増やさない注意が必要です。

 熱が出て、発疹が出て、目が赤くなる病気というのは、ジカウイルスという病気以外でも起こりうるので症状が強かったりということであれば医療機関にかかったほうがいい。また、症状のある人が今の流行地から帰ってきたということであればこれは診てもらったほうがいいこともあります。ただどの先生でも診られるというわけではないので、まずは地元の保健所に相談をしてみていただければと思います。