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他人の飼い猫の不適切飼育に対する区役所等の対応について

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苦情申立ての概要

  近隣住民(以下「本件飼い主」という。)が猫を不適切に多頭飼育し、周辺地域に悪臭・汚損・健康被害が発生している。飼い主への直接の訴えや回覧板での注意喚起は効果がなく、区役所へ繰り返し相談し、指導を求めたが、被害は改善しない。

市民オンブズマンの判断

 市は、川崎市動物の愛護及び管理に関する条例において、飼い主に対して、鳴き声・毛・糞尿による迷惑防止、公共の場所及び他人の土地・建物を不潔にしないこと、猫の屋内飼養努力義務等を定めているとしています。また、行政指導等の権限として、生活環境の保全上の支障を防止するために必要があると認めるときは助言・指導、勧告等を行い、従わない場合には措置命令等を行うことができるとしています。

 また、市は、屋外飼養猫による苦情があれば、調査の上、飼い主が特定されれば必要な助言・指導等を実施し、被害相談者には猫の忌避方法の紹介や、購入検討のための効果測定を目的とした超音波機器の貸出し等を行うとしています。さらに、「川崎市猫の適正飼養ガイドライン」により、飼い猫の適正飼養ルールを示しているとしています。

 本件について、市は、申立人からの相談を受け、本件飼い主に対し、関係法令の説明や超音波機器の貸出しなどの助言・指導、現地調査の実施、地域猫活動の提案等を行ったとしています。また、市は、本件飼い主の不適切飼育は把握しているが、申立人の主張する被害が本件飼い主の屋外飼養猫により生じているとまでは断定できていないとしており、さらに、近隣で本件飼い主以外にも野良猫に餌付けをしている人が複数名いるとしています。

 市民オンブズマンが現地調査を行ったところ、不妊去勢手術済を示す耳カットされた猫が道路上を移動する様子や、屋外に複数の猫がいる住宅、猫よけ器具が設置された住宅が確認され、現地において猫による被害が生じている状況が確認できました。ただし、調査時点では糞尿の悪臭等は感じられませんでした。

 現地の状況、市が本件飼い主に対して助言・指導等を行ったことや複数回現地調査を実施していること及び被害が本件飼い主の屋外飼養猫により生じているとは断定できていないことを鑑みると、申立人の相談に対し、市はできる範囲での対応を行っているものであり、市に不備があるとまではいえないと市民オンブズマンは判断します。

 猫による生活環境被害は全国的な問題であり、上記ガイドラインによると川崎市でも年間約2,000件の苦情が寄せられています。現地では本件飼い主以外にも複数の餌付け者がいることから、今後も市には状況を勘案し、必要に応じて指導等を行い、猫による被害に関する相談が寄せられた際には適切に対応してほしいと考えます。